滋賀県議会 > 2007-06-06 >
平成19年 6月定例会(第10号〜第16号)−06月06日-02号

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  1. 滋賀県議会 2007-06-06
    平成19年 6月定例会(第10号〜第16号)−06月06日-02号


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    平成19年 6月定例会(第10号〜第16号)−06月06日-02号平成19年 6月定例会(第10号〜第16号)                平成19年6月滋賀県議会定例会会議録(第11号)                                       平成19年6月6日(水曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第2号                                         平成19年6月6日(水)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第79号から議第99号まで(平成19年度滋賀県一般会計補正予算(第2号)ほか20件)(質疑、質問)            ─────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ─────────────────────────────── 会議に出席した議員(47名)    1番   川  島  隆  二  君   2番   奥  村  芳  正  君    3番   生  田  邦  夫  君   4番   野  田  藤  雄  君    5番   西  村   久  子 さん   6番   中  谷  哲  夫  君    7番   成  田  政  隆  君   8番   九  里     学  君    9番   柴  田  智 恵 美 さん   10番   江  畑  弥 八 郎  君
       11番   木  沢  成  人  君   12番   清  水  鉄  次  君    13番   佐  橋  武  司  君   14番   節  木  三 千 代 さん    15番   西  川     仁  君   16番   角  川     誠  君    17番   沢  田  享  子 さん   18番   今  江  政  彦  君    19番   西  川  敏  輝  君   20番   辻     孝 太 郎  君    21番   西  沢  桂  一  君   22番   田  中  章  五  君    23番   山  田     実  君   24番   粉  川  清  美 さん    25番   石  田  祐  介  君   26番   宇  賀     武  君    27番   福  本  庄 三 郎  君   28番   蔦  田  恵  子 さん    29番   山  田  和  廣  君   30番   山  田  尚  夫  君    31番   辻        貢  君   32番   佐  野  高  典  君    33番   家  森  茂  樹  君   34番   吉  田  清  一  君    35番   辻  村     克  君   36番   世  古     正  君    37番   三  浦  治  雄  君   38番   中  村  善 一 郎  君    39番   上  野  幸  夫  君   40番   梅  村     正  君    41番   西  川  勝  彦  君   43番   大  井     豊  君    44番   谷     康  彦  君   45番   中  沢  啓  子 さん    46番   出  原  逸  三  君   47番   青  木  愛  子 さん    48番   森     茂  樹  君            ─────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)            ─────────────────────────────── 会議に出席した説明員              知事              嘉  田  由 紀 子 さん              教育委員会委員長代理      山  本  進  一  君              選挙管理委員会委員長      伊  藤  正  明  君              人事委員会委員長代理      山  川  明  子 さん              公安委員会委員長代理      森     美 和 子 さん              代表監査委員          宮  村  統  雄  君              副知事             澤  田  史  朗  君              政策調整部長          橋  本  俊  和  君              総務部長            谷  口  日 出 夫  君              県民文化生活部長        中  村  順  一  君              琵琶湖環境部長         山  仲  善  彰  君              健康福祉部長          馬  淵  義  博  君              商工観光労働部長        沢  井  進  一  君              農政水産部長          但  馬  甚  一  君              土木交通部長          吉  岡     淳  君              会計管理者           加  藤  晴  吾  君              企業庁長            小  川  義  隆  君              病院事業庁長          川  尻  嘉  徳  君              教育長             斎  藤  俊  信  君              警察本部長           安  森  智  司  君            ─────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員              事務局長            塩  見  和  夫              議事調査課長          南     史  朗              議事調査課課長補佐       上  田  勝  彦            ───────────────────────────────   午前10時4分 開議 ○議長(出原逸三君) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(出原逸三君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  議第81号議案について、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めておきましたところ、お手元に配付いたしておきました文書のとおり回答がありましたので、御報告いたします。  次に、教育委員会委員長高橋啓子さんが都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員山本進一君が、また、人事委員会委員長市木重夫君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員山川明子さんが、また、公安委員会委員長吉田修君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員森美和子さんがそれぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(出原逸三君) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第79号から議第99号まで(平成19年度滋賀県一般会計補正予算(第2号)ほか20件)(質疑、質問) ○議長(出原逸三君) 日程第1、議第79号から議第99号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、会派代表による質疑ならびに質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、28番蔦田恵子さんの発言を許します。 ◆28番(蔦田恵子さん) (登壇、拍手)おはようございます。自由民主党湖翔クラブを代表いたしまして、私、蔦田恵子が質問させていただきます。改選後初の定例議会でございまして、会派を代表しての質問に立たせていただくことは大変重要な役割であると認識し、心して務めさせていただきます。明快な御答弁を、どうぞよろしくお願いいたします。  私、平成15年の春に初当選させていただきました。そして、このたび2期目のスタートを切らせていただいたばかりでございまして、議員を務めさせていただいている年数は4年2カ月と、まだまだ決して長くはないのですけれども、この間、県政は歴史に残ると言える大きな変化を遂げてまいりました。昨年夏には、自由民主党、公明党、民主党が推薦した現職の知事を破って、多くの県民の期待を受けて嘉田知事が誕生しました。新幹線新駅の是非と絡み合って全国的に滋賀県政が注目されるところとなりました。また、先般の県議会議員の選挙におきましては、我が自由民主党湖翔クラブは議席数が激減し、最大会派ではありますものの過半数を占めることはできなくなり、県議会の勢力構図が大きく変わりました。このことを、これまで単独過半数を占めてきた自由民主党湖翔クラブは真摯に受けとめ、今後の会派運営に生かしていかなければならないと思っております。  県民の皆さんは政治に県議会に何を期待していらっしゃるのか、県民の声をいかに受けとめ反映していくのか、真剣に考え、議論し、実行していかなくてはなりません。しかし、残念ながら県議会議員選挙の投票率を見てみますと、県民の皆さんの県議会に対する関心の低さが数字となってあらわれておりました。県全体で53.05%、私の選挙区であります大津市におきましては49.8%と、半分にも満たないという状況でありました。開かれた議会、わかりやすい議会、身近な議会とは、議会の目指すべき姿として言い尽くされた表現でありますけれども、大きな変革のときを迎え、透明性を持って、わかりやすくスピーディーに情報発信をしていかなくてはなりません。これは、議会のみならず、行政も同様であり、県行政が行っているさまざまな取り組みの中身を県民の皆さんに知っていただき、多くの方に納得していただくための努力が求められていると思います。政治も議会もこの努力を怠ってきた結果が、少なからず現在の政治不信、行政不信につながっているものと私は考えております。  そういった意味で、地方自治における二元代表制のあり方がもう一度問われているとも言えます。出原議員が平成18年7月定例会代表質問で、三重県議会が御苦労の上取りまとめられた二元代表制における議会のあり方検討会最終検討結果の報告書をそっくりそのまま、民主党・県民ネットワークの基本的な考え方として本議場で述べられているように、まさに議会内部の擬似的与野党の緊張関係ではなく、ともに住民を代表する首長と議会が相互牽制、抑制と均衡によって緊張関係を保つことにより、執行機関に対して議会の権能を発揮し得るものとして、私たちは議場での議論を展開してきたものであります。  しかしながら、この私たちの主張は、県民の目に新鮮な輝きを持って映った嘉田知事に対する単なる抵抗勢力としてとらえられ、あげくに、マニフェストの実行ができない原因が私たちにあるかのような宣伝もなされたようであります。知事御自身も言われているように、二元代表制に求められているのは、執行部と議会との間に創造的な緊張関係が築かれることによってこそ生まれる公正な県政運営であります。今日までの私たちの議場での主張が、県民の皆様の思いと何が食い違っていたのか、何が誤って伝わっていたのかをもう一度問い直し、しっかりとした情報発信をすることの必要性を改めて認識しております。  新幹線新駅の問題につきましても、その必要性について、肝心の県民の皆さんに納得していただくための努力、工夫が足りなかったことが現状を生み出しているものと認識しております。なお、新幹線新駅問題に関しましては、我が自由民主党湖翔クラブは、その必要性にさまざまな議論のある中で、最も中心となって主体的に議論を進めておられる促進協議会正・副会長会議の合意を尊重するとの立場をとってきたところであります。しかしながら、昨年夏の知事選挙以来、嘉田知事は、限りなく中止に近い凍結との立場から新駅問題に臨まれ、その結果、工事が進まず、今年度予算にもその負担金を盛り込まない、実質的な凍結状態となっています。本年10月末までの判断によりJR東海との協定類の存続が決定されるとの覚書が去る4月24日に交わされ、今は凍結状態から、この先どうするのかが問われている段階であります。  そこで、知事は、栗東市ならびに関係者との対話を進め、土地区画整理事業等を含めた総合的な解決策を示すことが急がれます。我々は、その解決策を支持するという立場から、知事の解決策提示に向けた御努力に期待するものです。  それでは、県政の諸課題につきまして、知事、以下、関係御当局に質問をさせていただきます。  今後とも私たちは、国や政党間の利害関係を乗り越えた、自立した地方自治体としての県政推進を旨としつつ、全く国家観の異なるグループとははっきりと一線を画してまいります。嘉田知事への県民の期待にただ単にすり寄ることなく、創造的な緊張関係の構築に向けて、主張すべきはしっかりと主張し、今日までの私たちの基本姿勢でありました、執行機関に対しての監視強化と積極的政策提言を大きな柱として、議会活動ならびに会派運営に努めていく覚悟であります。  では、まず初めに、新たな基本構想について、知事にお伺いします。  嘉田県政になって、間もなく1年を迎えます。新幹線新駅やダム建設に関する問題について随分議論がされてまいりましたが、その間にも私たちを取り巻く環境は刻々と変化しており、新しい課題に迅速に対応していく必要があります。また、私たちの暮らしに大きく影響し、将来を左右するような時代の大きな潮流に対しても長期的な視点からしっかりと対応することが、今まさに求められています。例えば、地球温暖化はこれまでも大変大きな問題とされていますが、さきに発表されたIPCC──気候変動に関する政府間パネルの報告書は、地球温暖化が国内外で人々の暮らしを既に変えつつあり、近い将来には激変させるという報告がありました。また、日本の総人口は既に人口減少過程に入り、少子高齢化も一段と進んでおります。  本県では、前回の国勢調査時点ではまだ人口が増加しており、年少人口の割合が全国的に見ても高く、若い県と言われておりますけれども、既に老年人口が年少人口を上回り、急速に高齢化が進んでおります。このような大きな時代潮流への対応を先送りすることなく、今から確実に取り組みを進めていく必要があります。また、地方分権改革が第2段階を迎える中で、滋賀県としての基本的な指針を持つことの重要性が増してきており、その取り組みのスタートを誤らないよう、しっかりと県政の方針を示す必要があります。  こうした中、県が昨年度から策定作業を進めている新たな基本構想は、この時代の大きな転換点にあって県民と考えを共有し、みんなが力を合わせて、滋賀県がどのような方向に進んでいくべきかを示す大切な指針であります。  そこで、新たな基本構想の策定に当たっての基本的な考え方と策定の進捗状況、今後の予定について、知事にお伺いいたします。  次に、琵琶湖の市町境界の設定について、こちらも知事にお伺いします。  県土のおよそ6分の1を占める琵琶湖には、現在、市町の境界が設定されておりません。したがいまして、琵琶湖の670平方キロメートルという広大な面積は、滋賀県の面積には入っておりますが、県内のどの市町の面積にも入っていないという状態であります。結果として、市町分の地方交付税の算定に琵琶湖の面積は反映されておりません。全国的に見ますと、大半の湖沼において既に市町境界が画定しており、近年では平成8年に島根県の宍道湖において、また、平成11年には福島県の猪苗代湖において境界設定が行われたということであります。  この問題は、随分以前から提起され、県議会におきましても我が会派は境界設定を推進する立場から質問をしてまいりました。もとより市町境界の問題でありますから、市町の主体的な取り組みが必要ではありますが、琵琶湖は湖に面する市町が市町村合併以前は21市町と大変多くあり、市町間の調整が難しいことや、これまでから県と県内すべての市町が琵琶湖の保全に共同で取り組んできた経緯などを考えますと、県が積極的な役割を果たしていくことが必要であるというのが我が会派の主張であったわけです。  県内各地域の市町村合併も一区切りがつき、琵琶湖に面する市町も14市町となったこともあり、昨年5月に県と関係市町とで検討会議が設置され、具体的な検討が始まり、また、昨年度の9月補正において境界設定のための測量等の予算が計上されました。この問題もようやく動き出したわけであり、期待していたところでありますが、先日の提案説明において知事は、関係市町との検討会議において境界設定について一定の合意を得た旨の説明をされました。  そこで、琵琶湖の市町境界設定について、関係市町との検討はどのような状況で、合意内容はどのようなものなのか、そして、県として今後どのように進めていこうとされているのか、お伺いいたします。  また、境界設定に伴い増額となる交付税は、あくまでも関係市町の財源ではありますが、琵琶湖の保全に生かしていくことが望まれます。この点について知事はどのようにお考えなのでしょうか、お伺いします。  さらに、今回の市町境界の設定に伴い、従来行われてきた県や市町の琵琶湖の管理業務や、県と市町の役割分担に変更はないのでしょうか。また、増額となる交付税を使って、結果として県が今までやってきたことを市町に負担させることになりはしないか、危惧するところでありますが、どうでしょうか、お伺いいたします。  続きまして、税源移譲について伺います。  平成12年に地方分権一括法が施行され、国からの機関委任事務が廃止されるなど、行政制度面で分権が一定前進した後、小泉総理大臣のもと、官から民へという方針で構造改革が進められ、郵政民営化や規制改革が進められてきました。あわせて、地方との関係におきましては、国から地方への流れの中で三位一体改革が進められてきたところです。そして、平成17年11月には、この三位一体の改革の決着を見ることになり、今般、国から地方に対し本格的な税源移譲が実現することになりました。  この税源移譲により、地方では一般財源がふえ、国の補助金に引きずられることなく、自主的な判断で住民の多様なニーズに対応した効率的な住民サービスの提供が期待できるとされるものでありますが、いよいよことしから具体化することとなり、地方にとっては長年の悲願でもあったことから、真に地方分権の第一歩を踏み出したという点で、まさに画期的であると言えます。この税源移譲によって、本県では60万人と言われる納税者のほとんどの方において所得税が減額となり、その分、住民税が増額になると聞いておりますが、県や市町においては地方分権を推進する上においても県民の皆さんには十分理解していただく必要があると考えております。  そこで、総務部長に、税源移譲の本県における状況と、これまでの県におけるこの税源移譲の円滑な実施に向けた取り組みと今後の方策についてお伺いいたします。  まず1点目ですが、今回の税源移譲は全国規模では3兆円となっておりますが、本県分としてはどの程度の規模となるのでしょうか。  また、制度の中身になりますが、今回、住民税が5%の方も10%にアップするということになりますが、これまで住民税だけを納めておられた低所得の方においても税負担は変わらないのかどうか、お伺いいたします。  2点目は、納税者への周知についてであります。今回の税源移譲は、国税である所得税から、地方税である住民税に税率を移しかえることにより行い、納税者にとって負担は変わらないという制度設計がなされております。しかし、今年度は定率減税が廃止される影響もありまして、多くの納税者の皆さんが、この税源移譲で税負担がふえたと誤解されるのではないかと危惧するところです。  そこで、県は、納税者の理解を得るためにこれまでどのような対策を講じてきたのか、また、今後どのように対応しようとしているのか、お伺いいたします。  3点目は、市町への支援と税収の確保についてであります。税源移譲が実現した後、この税を確実に徴収していくことが大事であるということは言うまでもありません。税源移譲によって住民税が大幅に増加するわけですが、当然、滞納額も増加してくるのではないかと心配いたします。  県では既に平成17年度から滞納整理特別対策室を設置して積極的な滞納処分を進められていますが、この取り組みの効果はどうであったのでしょうか。また、この住民税は市町が賦課徴収することから、今後増大すると見られる住民税の滞納に対して、県として市町への徴収支援策としてはどのような方策を講じようとされているのか、お伺いいたします。  次に、さらなる税源移譲について、こちらは知事にお伺いします。  今回の3兆円規模の国から地方への税源移譲そのものは評価に値するものでありますが、しかし、国と地方との業務量の比率、それに見合う一般財源が充てられているのかと考えますと、まだまだ不十分と言わざるを得ません。県としてさらなる税源移譲についてどのような考えをお持ちなのか、お伺いいたします。  次に、文化の振興について、知事にお尋ねします。  文化は、政治、経済、教育、福祉を初め、社会のあらゆるものの基盤であり、将来への先行投資であると認識されております。安倍首相が提唱している「美しい国、日本」の基本的な方向性の第一番に、文化、伝統、自然、歴史を大切にする国が掲げられております。あわせて、自由民主党政務調査会文化政策特別委員会において、世界の平和と人類の福祉に貢献し、世界から尊敬される国になるためにも、日本の伝統を継承し、新しい文化を創造し、日本人の心を大切にする人づくりを進め、文化による人間力の向上に努めることが重要であるとの観点から、現在、文化、芸術を国家戦略の基本とすべく検討が進められているところであります。  このように文化は我が国の発展のためにも欠かせないものです。そのためには、全国各地の多様な自然、風土のもとではぐくまれてきた地方の文化の発展が大切です。本県でも、琵琶湖を初め、豊かな自然や歴史、風土のもとで固有の文化がはぐくまれ、時代の変化とともに新しい文化も創造されています。本県においては、びわ湖ホールの運営や自主公演などについてそれぞれ議論があるところでありますが、本県独自の文化の発信など、本県における文化振興の意義についての基本認識をお尋ねいたします。
     また、滋賀の文化を担う主役は県民一人一人であり、日々の暮らしの中で、自主的かつ主体的に多様な文化活動を行っておられ、このことが滋賀の文化の向上に寄与しているものと考えます。そして、県には、市町、国といった行政やNPO、企業などの民間などと連携して、県民が多様な文化活動を行いやすい環境づくりを進めることが求められています。  近年、市町村合併が進展し、県民にとって最も身近な市町の規模やエリアが拡大したことを受けまして、文化行政においても県と市町の役割、守備範囲を見直していく必要が出てきております。さらに、文化ボランティアや企業メセナなど、民間などの活動が活発化しつつあり、県と民間などとの連携のあり方も変化してきています。  このような状況において、今後、行政や民間などの多様な主体が文化振興を担う中、県の役割についてどのように考えていらっしゃるのか、質問いたします。  ところで、県では、今後の滋賀らしい文化芸術振興のあり方について、昨年度、学識経験者や文化活動家などで構成する検討委員会を設置して、検討委員会で議論を重ねておられますけれども、どのような議論が出されているのでしょうか。また、検討委員会の議論を踏まえて、県としてどのように対応しようと考えておられるのでしょうか、お伺いいたします。  次に、琵琶湖の保全再生に向けた環境政策について、知事の現状認識と取り組みの基本的な考え方を質問いたします。  振り返ってみますと、30年前、昭和52年5月27日、琵琶湖において初めて赤潮が発生しました。当時の今津町と志賀町、そして大津市の沖合で発生し、浜大津の周辺では幅300メートル、長さ3キロメートルに及んだのでした。また、この年には、引き続き5月28日、31日、6月1日、6日にも発生し、当時の県議会7月定例会におきまして、その追跡調査や漁業への影響について質問がなされ、県民の皆さんの大きな関心事となったところです。  あれから30年、琵琶湖の総合保全に向けて県の環境政策は充実されてまいりました。最近では琵琶湖博物館が開館10周年を迎えました。また、下水道の普及率が80%を超え、全国7位になるなど、着実な積み重ねがされてきました。しかしながら、つい先日のことですが、5月24日には守山市と野洲市の沖合で赤潮の兆候が確認されたところで、まだまだ琵琶湖が健全とは言えない、そういうあかしの一つと受けとめなければなりません。  そこで、知事は、琵琶湖の保全と再生のための環境政策の課題をどのように認識しておられるのか、まずお伺いするものです。  ところで、去る6月2日に、安倍晋三内閣総理大臣が、琵琶湖を中心とした本県の環境保全の取り組みに関心を持たれ、終日滋賀県を訪れ、琵琶湖を視察されました。その前日、6月1日には、21世紀環境立国戦略が策定され、気候変動問題の克服、生物多様性の保全、持続可能な資源循環を初めとした8つの戦略が、国内外挙げて取り組むべき環境政策の方向として示されたところです。  この時期に総理大臣が琵琶湖を視察されたことは、戦略の中にあります自然の恵みを生かした活力あふれる地域づくりの舞台として特に琵琶湖を選ばれたものと受けとめなければならないと思っております。とりわけ、このテーマは、県民の皆さんにとりましては毎日の暮らしの中で琵琶湖とのかかわりが深いことから、身近な課題として受けとめられ、その実現に大きな期待が寄せられるものと考えております。都市再生プロジェクト、琵琶湖淀川流域圏の再生計画に位置づけられました南湖の再生プロジェクトの推進を、さらに広く強力な連携で推し進める絶好のチャンスでもあります。琵琶湖の水が単に量と質の問題のみならず、周辺の生態系、さらに田園やその周囲の森林までをも含めた自然系と、そこにはぐくまれた地域文化の縮図であることに思いをいたし、その総合保全が環境立国日本のモデルとなるという総理のメッセージでもあります。  今、自由民主党政務調査会環境部会長山下英利参議院議員が先頭となって、滋賀県選出自由民主党国会議員を中心に、新たな法的な仕組みづくりに取り組まれているところでもあります。また、先ごろ行われました平成20年度の政府提案においても、その重要項目の一つとして、琵琶湖の総合保全についてを挙げておられますが、知事は、美しい琵琶湖の保全再生に向け、具体的にどのように取り組もうとされているのでしょうか。2つの観点から質問をいたします。  1つは、ショートスパンと申しますか、ここ3年から5年くらいの間に取り組む政策について、2つには、ロングスパンで考える、もう少し先を見越した中長期的な政策について、この2つの柱立てで基本的な考え方をお尋ねいたします。  次に、造林公社問題について、知事にお伺いいたします。  まず、5月31日に行われました定例記者会見で知事は、造林公社の問題は、毎年18億円ずつ利子がかさみ、去年1,039億円だった累積債務がことしは1,057億円になり、本当に大変な問題であるという趣旨の御発言があったと仄聞しておりますが、日々債務が増加している状態は、まさに待ったなしの状況と言わざるを得ません。知事はこの造林公社問題についてマニフェストでも取り上げておられますけれども、どのように認識しておられるのか、お伺いいたします。  次に、知事は、先日行われた政府に対する平成20年度に向けての政策提案において、造林公社の抜本改革についても国に要望をされておりますが、提案の内容とその実現の可能性をどう判断されているのか、お伺いいたします。  また、県は平成17年度、18年度の2年間に続いて今年度も、造林公社が債務を償還するために必要な予算措置をとっておりませんが、3年目を迎える今年度は、債権者から、中でも特に、平成20年10月には政府系金融機関の統合が決定している農林漁業金融公庫からは厳しい反応が予想されますが、知事はどのように対応しようとされているのでしょうか。  また、債権者との関係も踏まえて、知事が考える造林公社の抜本改革とは果たしてどのようなものなのでしょうか、お伺いいたします。  最後に、我が会派としましては、造林公社問題をこのまま放置しておくことは孫、子にツケを残すこと以外の何物でもないと認識しており、先送りすることなく、早期の解決が求められていると考えますが、造林公社問題の解決に向けた知事の決意と解決のめどについて、改めてお伺いします。  次に、医師および看護師の確保対策について、すべて知事にお伺いします。  まず、医師の確保についてです。  少子高齢社会が進展し、人口減少社会の到来が叫ばれている中で、医療のあり方について、国は、国民皆保険制度を持続可能なものとするため、昨年の6月、医療制度改革関連法を制定して、安心、信頼の医療の確保と予防の重視、医療費の適正化と総合的な推進、超高齢社会を展望した新たな医療保険制度体系の実現を柱とする医療制度改革を推進しているところです。  この医療制度改革の一つの柱であります、安心、信頼の医療の確保におきましては、患者の視点に立った、安全、安心で質の高い医療が受けられる体制の構築を目指すこととされ、急性期から回復期を経て自宅に戻るまで、患者が一貫した治療方針のもとに、切れ目のない医療を受けることができるよう、地域医療のあり方を見直すこととされております。  一方で、地域医療の安心と信頼を支える医師が不足しており、この原因は、若手医師にあっては都会志向が強く、新しく制度化された臨床研修制度を契機とした、大学医局離れ、病院勤務医の開業志向などがあり、産科、小児科、麻酔科などの特定専門分野においては、過重労働や訴訟リスクなどのため、この分野を志す若手医師が少ないなどとされております。これが地域偏在や特定診療科への偏りをもたらしており、必要なところに必要な医師がいないという医療提供機能の不全とも言うべき現象が発生し、全国的な問題となっています。地域医療の安心と信頼を支える体制のためには、医師を確保することが基本的な条件であります。  国政レベルでは、本年4月、自由民主党は、緊急医師不足対策特命委員会を設置し、医師確保について議論を進めています。一方、我々自由民主党湖翔クラブは、さきの2月県議会でこの問題を取り上げるとともに、平成19年度予算において、医師確保総合対策事業の充実強化を訴えるとともに、財源の安定確保を図るため、基金の創設を提案し、実現を見たところです。この基金は全国初であり、医師確保総合対策事業とともに有効に活用され、先駆的な医師の確保対策が講じられるものと期待しております。  ところで、公立高島総合病院では、この4月から産科を再開し、準備期間を経て5月21日から分娩取り扱いを開始し、5月25日には無事元気な赤ちゃんが産まれたと伺っております。また、分娩の予約も多数受け付けられているとのことで、我が会派としてもまことに喜ばしく受けとめております。全国各地の自治体では、医師確保のため、独自の施策を講じておられますけれども、滋賀県としても後手を踏まないようにすることが肝要と考えます。  そこで、県内の医師の状況について、病院勤務の常勤医師が減少していると聞いておりますが、このことは地域医療提供体制の崩壊を招くのではないかと危惧しております。医師不足についての知事の基本的な考えについてお伺いいたします。  さらに、医師不足対策として、県は、当初予算に引き続き、今議会でもこの基金を活用した医師確保対策等予算を提案されたところでありますが、今後どのような取り組みを展開しようとしているのか、知事にお伺いします。  次に、看護師の確保対策について質問いたします。  看護師は、県民の保健、医療、福祉に関し重要な役割を担っており、高度な専門知識と技能を有する看護職員の確保は、地域医療提供体制を確保する上で、医師とともに非常に重要であることは論をまたないところであります。こうした中、県立成人病センターにおきましても看護師の確保が十分にできないため、病棟の閉鎖に追い込まれ、本来病院が持っている機能を十分に果たし得ない状況にあるなど、看護師不足による深刻な影響が出ております。今後、その傾向がさらに高まり、全県的な問題へと発展するのではないかと危惧を抱くものです。このことは、昨年4月の診療報酬の改定により、一般病棟に導入された7対1看護の影響による看護師不足が本県においても顕在化してきているのではないかと懸念しているところです。  さきの2月県議会で我が会派の代表質問におきまして、看護師の配置および確保の実態について確認をさせていただいたところですが、その後、4月の新規採用職員の採用状況を含め、どのようになっているのか、伺います。  次に、看護師の離職防止対策についてお伺いします。  看護師につきましては一般的に離職率が高く、せっかく養成を図り、看護師として病院等の医療現場の一線で活躍いただくこととなったとしても、さまざまな理由によって早期に退職をし、このことが看護師不足の大きな要因になっているのではないかと考えます。そのための離職防止対策としてどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いいたします。  次に、滋賀県経済の活性化と企業立地について、こちらもすべて知事に質問いたします。  政府が発表しました月例経済報告では、景気は生産部門の一部に弱さが見られるものの回復していると判断されており、企業収益は改善し、設備投資は増加しているとしています。一方、県経済の動向を見ましても、県が毎月公表している滋賀県経済指標の5月報告によりますと、鉱工業生産指数や産業用大口電力需要などの生産動向が高い水準で推移しています。また、大型小売店舗販売額がこの2月、3月の2カ月連続で増加傾向にあるなど、個人消費も持ち直しの動きが見られます。このように県経済は堅調に推移しているわけですが、こうした状況は一朝一夕にして得られたわけではなく、その中心である産業活動は、道路や鉄道などの基盤に支えられてきたものであります。こうした産業基盤の整備は、先見の明を持って長年にわたりたゆまぬ努力を続けて実施してきたからこそ今の状況があることを決して忘れてはなりません。  こうした認識の上に立って、現在の県経済の好調さを維持し、そのさらなる発展と活性化を図るためには、将来を見据え、広域的な利便性と大都市への交通、物流上の優位性を保ちながら、工業系大学の立地による知の力を結集し、優良な企業の立地を進める必要があると考えます。  前商工観光労働部長の退任あいさつに、ある方から、産業振興には人の輪、地の利、天の時が重要だが、滋賀県は地の利に恵まれ過ぎているために人の輪や天のときをおろそかにしていると御指摘いただいたとありました。こうした指摘はまさに的を射たものであり、貴重な御意見と考えます。我々はこの指摘を受けとめ、自治体間の誘致合戦が熾烈になっている今日、県経済の活性化に大きく貢献する企業立地について、企業の設備投資が上向いている状況の中で、時期を失することなく新たな戦略を打ち出していく必要があると考えますが、知事のお考えはいかがでしょうか、質問いたします。  さらに、企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律、いわゆる企業立地促進法が今国会において成立し、6月中旬には施行される予定です。この法律は、産業集積が地域経済の活性化に果たす役割の重要性にかんがみ、地域の強みを生かした企業立地の促進によって産業集積の形成や活性化を図ろうとする地方自治体の取り組みに対して、国が総合的に支援していこうというものです。地域間競争の時代にあって、今後、本県が事業者のニーズに的確に対応した効果的な企業立地の取り組みを進めていくためには、県内各市町と協働して取り組むことはもちろん、県が先陣を切って、こうした新しい法制度を積極的に活用していくことも大変重要であると考えますが、県としてどのように取り組まれていくのでしょうか、お伺いいたします。  続きましては、新農政のスタートに当たっての課題と対策について、知事および農政水産部長にお伺いいたします。  先ごろ農林水産省から平成18年度食料・農業・農村白書が公表されましたが、この中でまずうたわれているのが、食料自給率の向上の必要性であります。現代の日本は飽食の時代と言われ、食べ残しの食料が無残にもごみとして廃棄されているのが実態ですが、世界の食料事情を見ますと、途上国の経済発展やバイオエタノールの需要拡大、さらには地球温暖化等の影響を受け、中長期的には食料自給が逼迫する可能性が指摘されています。こうした中、食料自給率が40%、言いかえれば6割を輸入に頼っている我が国が、食料安保の問題を真剣に考えなければならないのは自明の理であります。  白書では、昭和50年代半ばの米中心の栄養バランスにすぐれた日本型食生活に回帰することにより、食料自給率は五十数%に向上すると指摘しています。我が会派としましては、農村振興を前提に、農業生産力の向上と食育の推進が至上命題と考えているところです。  さて、国におきましては、平成17年の3月に食料・農業・農村基本計画が閣議決定され、その具体的な対応策として、同年10月に経営所得安定対策等大綱が発表されました。また、平成18年6月には、いわゆる担い手経営安定新法が成立しまして、平成19年度から導入される品目横断的経営安定対策がスタートしたところです。この品目横断的経営安定対策は、これまで米、麦、大豆等の品目別に講じられていた経営安定対策を根本的に見直すとともに、施策の対象者についても、認定農業者や特定農業団体等の担い手を明確化した上で、その経営の安定を図る対策に転換するものと聞いております。この対策の対象品目である米、麦、大豆などは、本県農業の基幹作物であることから、我が会派としましては、その対応を誤れば本県の農業、農村が崩壊してしまうのではないかとの危惧を抱いているところです。  そこで、戦後農政の大転換とも言える本対策を踏まえ、滋賀の農業の将来を担う認定農業者や特定農業団体等の担い手の確保については、ここ数年来、県、市町、関係団体などが一体となって鋭意進めてきたと認識しておりますが、現在までの状況と今後の見通しにつきまして、農政水産部長にお伺いいたします。  あわせまして、地球温暖化防止は今や世界の当面する最大の課題の一つであり、本日から開催されるドイツ・ハイリゲンダム・サミットにおいても最重要課題として位置づけられているようであります。さきにも申しましたように、気候変動による農作物の収穫への影響とあわせて、ブッシュ大統領の一般教書演説でのバイオエタノール推進策が大きな反響を呼び、穀物価格の世界的な急上昇となっております。穀物価格の上昇は、すなわち飼料価格の上昇ともなり、肉類の価格にまで及んでいるところでもあります。現在国において進められておりますバイオマス・ニッポン総合戦略では、廃棄物系バイオマスが主流となっている段階でありますが、世界的には資源作物への依存が高まっており、今後、さらなる世界的な穀物価格の上昇と需給の変化が進むものと思われます。  本県におきましても、菜の花エコ・プロジェクトなど、今日まで熱心に取り組んできたところではありますが、エネルギーサイクルの象徴としては効果があるものの本格的作物としては作付が望めておりません。今後は、さらに量的拡大が見込める作付品目の検討も必要であると思われます。長年の生産調整が続く中で、やはり本県農家には価格もさることながら水稲栽培志向が強い状況にあります。生産調整田や耕作放棄地で資源作物としての水稲栽培を行うことができれば、資源・エネルギー対策、地球温暖化対策、荒廃農地対策など、幅広く、今後大きな可能性を秘めていると思われます。長期的な視野での知事の御所見をお伺いいたします。  次に、品目横断的経営安定対策と車の両輪をなすと言われております、世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策についてお尋ねいたします。  本対策は、品目横断的経営安定対策と同様に、平成19年度からの一斉スタートとされ、県下全域で積極的な取り組みが展開されるよう準備を進めてこられたものの、昨年秋からの短期間では地域全体の合意形成に至らず、この対策に取り組めない集落もあるように聞いております。また、合意ができた集落などにおいては、4月以降、実施段階に入っているわけですが、活動計画に盛り込んだ諸活動がしっかりと展開されることが大切であると思っております。  そこで、世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策の進捗状況、ならびに本対策を進めていく上での課題とその対応策について、農政水産部長にお伺いいたします。  次に、淀川水系河川整備基本方針と河川整備計画に対する県の対応について、知事にお伺いします。  先日の5月28日に国土交通省において、社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会が開催され、淀川の長期的な整備方針であります河川整備基本方針の素案が示されたと聞いております。この基本方針は、次回の小委員会で策定に向け審議されることになると思われますが、滋賀県にとって非常に重要なものと理解しております。今後、滋賀県として特に注視して調整していくべき点について、現段階でのお考えをお尋ねします。  特に洗堰の全閉操作解消では、下流にもかかわることで、小委員会においても慎重な審議がされていると聞いております。全閉操作解消につきましては、下流府県の声にも配慮しながら、国土交通省は5月14日の淀川水系河川整備基本方針検討小委員会において、豪雨時に洗堰から流した流量を天ヶ瀬ダムの堆砂容量の有効活用などを考えることにより下流に影響を及ぼさないようにする考え方を示されたところです。  滋賀県としましても、決して下流を不安にさせる趣旨ではないことをしっかりと御理解いただき、淀川流域の運命共同体として滋賀県の立場もわかっていただけるよう心がけていただきたいと考えております。この点についてどのように考えておられるのか、お伺いします。  一方、淀川の河川整備基本方針が策定された暁には、河川整備計画の策定の議論に移るものと考えております。国が先日行いました記者会見においても、8月に河川整備計画の原案の作成とその予定が示されているところです。河川整備計画は、当面の河川整備について位置づけられるとのことであり、重要なものと認識しておりますが、滋賀県としてはどのような点に注視していくことを考えていらっしゃるのか、お尋ねいたします。  特に、国などが実施している個別ダムについては、今後、河川整備計画の原案が示される予定の中で、滋賀県下の河川の治水にもかかわるものであり、県として十分な姿勢、方針を明確に示していくことが必要と考えます。そのことにつきまして、報道では、5月22日に知事と対談した河川局長より、知事の方針をまずはっきりさせてほしいという旨の発言があったと仄聞しております。また、ダム周辺住民からも、知事の態度はわかりにくいとの不満の声もあるところです。滋賀県知事としての個別ダムに対するお考えをお伺いします。  次に、渇水問題について、知事にお尋ねします。  本年冬は降雪が少なく、4月の降雨量も例年になく少なかったことから、琵琶湖の水位はこの季節としては例年にない低水位となっている状況です。また、県下の利水ダムの貯水率も平年より低いものとなっており、農業用水の不足による米作への影響なども懸念されるところです。丹生ダム下流の高時川は、本年4月以降、例年より大幅に流量が少なくなって、ほぼゼロに近い状況であり、このまま推移しますと、県民生活や環境についても大きな影響が起こるやもしれません。  こうしたことから、自由民主党が先日開催しました政務調査会近畿圏委員会琵琶湖総合保全小委員会においても渇水について取り上げ、ダムの現地調査も行われたところです。つきましては、この渇水状況と今後の見込み、およびこれに対する対応をどのように考えていらっしゃるのか、お尋ねいたします。  続きましては、教育問題について、すべて教育長にお伺いいたします。  まず、いじめおよび不登校問題についてお伺いします。  昨年度は、10月に発生しました福岡県や北海道での児童生徒のいじめによる自殺に端を発し、連日、いじめに関する報道が続くなど、大きな社会問題となりました。私も大きな衝撃を受けるとともに、県内の子供たちの様子を大変心配してまいりました。親が安心して子供たちを学校に預けられているかというと、必ずしもそうではないのではないかと心配しております。そこで、まず、学校におけるいじめの実態を県としてどのようにとらえていらっしゃるのか、お伺いいたします。  残念ながら、いじめは周りから見えづらく、いじめられている子供にとっては、保護者や教師にその事実をなかなか言えないものであると仄聞しておりますが、発見がおくれると命にかかわる深刻な事態に発展してしまいます。そのため、教師や保護者を含めた周囲の大人が一刻も早くいじめに気づき、救いの手を差し伸べてやるといった早期発見、早期対応が大変重要であると考えます。教育長はこれまで、早期発見、早期対応についてどのように取り組んでこられたのか、また、その成果がどうであったのかをお伺いします。  また、自分ひとりでいじめに悩んでいる子供たちは本県においても少なからずいると推測されます。そして、そのような子供たちが、万が一にもみずから命を絶ったり深い心の傷を負うようなことは決してあってはなりません。子供は社会の宝であり、子供たちが生き生きと生活でき、将来に向かって希望を持って生きていくための環境をつくることは、我々大人の使命でもあります。そこで、教育長のいじめ撲滅に向けた決意をお伺いいたします。  次に、不登校の問題についてであります。  本来子供たちは学校が大好きで、先生や友達と元気に遊び、また、一緒に勉強したり、さまざまな体験を積み上げることで、豊かな人間性や社会性を培っていくのだと思います。しかしながら、学校に行きたくても行けない子供たちが昭和50年ぐらいから年々増加し、年間30日以上の欠席児童生徒の数は、平成3年度、全国で6万6,817人であったのが、平成13年度は13万8,722人と、およそ2倍にまで膨れ上がりました。  教育機関を含め、関係機関の対策や努力の結果もあって、平成14年度からは全国的に人数および出現率においても減少に転じてはおりますが、それでも12万人を超える小中学生が不登校であるという現実は、大変ゆゆしき状況であると思います。また、昨今の新聞報道などによりますと、学校へ行かなくなっていた子供が親を傷つけたり、また、自室に閉じこもってビデオやゲームなどに浸り切り、その影響もあってか、性的な犯罪や幼児への暴力に及んだというようなケースも見られるようです。  本県における不登校の状況と対策について、教育長にお尋ねいたします。  教育再生会議では、親の養育といったことが大きな課題として挙げられていますし、増加する虐待の相談、中でもネグレクトの相談が近年急激に増加しているといったことを耳にしますが、本県におけるこういった状況、そして、それらと不登校との関係についてお尋ねいたします。  また、これらの状況について、県の教育委員会としてどのような対策を考えておられるのか、質問いたします。  次に、教育の人材確保についてお伺いします。  団塊世代の大量退職の時代を迎え、本県でもこの3月末に退職した教職員が、当初見込みよりかなり多くなったと聞きました。特に小学校教員の定年前退職者が前年度の5割増しであったと伺っております。教育委員会では先月、来年度の教員採用試験の要項を発表されましたが、それによりますと、小学校教員は260名を採用予定ということです。本年度の採用者が170名でありますので、5割増しということになります。  近隣府県の来年度の小学校教員採用予定数を見てみましても、大阪府は、大阪市、堺市と合わせて、およそ1,570名、兵庫県は、神戸市と合わせて730名、京都府は、京都市と合わせて、およそ400名と、既に大量採用の時代に入っております。このような大量採用時代を迎え、危惧しますのは、大阪府を初め、近隣府県が大量に採用している中、今後、本県が人材を確保していけるのか。また、このように教員を大量に採用した場合、採用する教員の質が低下しないかということであります。このような問題に対して、教育委員会としてどのように対応していかれるのか、お伺いいたします。  次に、特別支援教育についてお伺いします。  特別支援教育につきましては、昨年12月の教育基本法の改正により、国および地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならないという条項が新たに設けられ、障害のある者の教育が我が国の教育の目的および理念に明確に位置づけられました。また、この4月には、改正された学校教育法が施行され、これまでの盲・聾・養護学校が特別支援学校に、小中学校の特殊学級が特別支援学級となり、学習障害や注意欠陥多動性障害、高機能自閉症という発達障害が特別支援教育の対象となりました。  これらの法改正により、特別支援教育は、障害の種類や程度に応じて特別な場で指導を行う特殊教育から、児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じて適切な教育的支援を行うという転換点となっています。特別支援教育の対象が、通常の学級にいる発達障害のある児童生徒に拡大することへの新たな対応とともに、これまでに増して、障害のある児童生徒に対してきめ細かな対応が必要になってくると思われます。  そこで、本県の障害のある児童生徒の現状をどのように把握していらっしゃるのか、お伺いいたします。また、そのような現状から、どのような対策を進めていらっしゃるのか、あわせてお伺いします。  最後に、安全対策についてお伺いします。  本県の犯罪発生件数は、平成14年は3万2,183件でしたが、平成18年には1万7,969件にまで減少し、県警におきましては、ことしの犯罪抑止目標をアンダー1万7,000件として取り組んでいると伺っております。  犯罪発生件数が減少した理由としましては、平成15年に「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり条例が施行され、警察、行政、企業、地域住民が一体となった県民総ぐるみによる取り組みを行った成果が出てきていると思います。しかしながら、その一方で、殺人や強盗などの凶悪犯が10年前の1.4倍と増加しておりますほか、来日外国人犯罪の多発、振り込め詐欺など、高齢者をねらった犯罪や、子供や女性が被害者となる事件が発生するなど、依然として厳しい治安状況が続いていると聞き及んでいます。中でも、特に国際化の進展に伴い来日外国人犯罪が深刻化しており、最近では不法滞在などを背景に凶悪化、組織化、広域化など、大きな社会問題になっております。  このため、県民が安全で安心して暮らせるまちづくりを進めるためには、警察による検挙活動のほか、地域住民による自主防犯活動や、自治体、職域団体などの関係機関が連携しながら、さまざまな取り組みを進めていくことが必要であると考えます。  そこで、警察本部長にお伺いします。  まず、着任に当たっての所信をお聞かせいただくとともに、現在の本県の犯罪情勢や、犯罪抑止のため、県警としてどのような取り組みをされているのか、お伺いします。  また、市町村合併に伴う警察署の統廃合や駐在所の統廃合による交番化整備など、犯罪抑止の観点からどのような考えで進めておられるのかをお伺いいたします。  以上、自由民主党湖翔クラブを代表しての質問とさせていただきます。御答弁、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(出原逸三君) 28番蔦田恵子さんの質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)皆さん、おはようございます。自由民主党湖翔クラブ、蔦田議員の代表質問にお答えをさせていただきます。  まず、新たな基本構想の策定についての御質問でございます。  1点目の基本構想の策定に当たっての基本的な考え方についてでございますが、新しい基本構想は、現滋賀県中期計画の計画期間の終期が近づく中で、今日の大きな時代の潮流をしっかり見きわめながら、滋賀県が目指すべき方向を明らかにするために作成するものでございます。本県も他の地方自治体と同様に非常に厳しい財政状況にありますが、そうした中にあっても、よい芽は未来に残し、育て、そしてつないでいくという視点を大切にし、今何をなすべきか、また、何をしてはいけないかを、県民の皆さんとの対話を重ねながら、しっかりと見定め、将来にも生きる施策に取り組んでいくことが今日求められていると考えております。  こうしたことから、新たに策定する基本構想においては、私たちの子供や孫の世代を見据え、2030年ころの滋賀の将来の姿を描いた上で、その実現に向けた基本的な方向性を示すとともに、平成19年度から平成22年度までの4年間に行うべき政策や施策の方向を示すこととしております。  現在、滋賀県基本構想審議会において、構想の基本的な考え方である基本理念と、今後、力を入れて取り組むべき戦略について審議いただいているところであります。基本理念につきましては、子や孫の生きる未来にも豊かさや幸せを実感できるように、何よりもまず地域や個人の自律性を高め、主体的に行動するとともに、さまざまな主体がみずからの役割を自覚しながら協働を進め、その上で、自然と人、人と人とが調和する共生社会を築き、滋賀の未来を開いていくことを目指していく、そのような姿として「あすを拓く共生社会」を掲げることとされているところでございます。  また、この理念のもとに重点的に取り組むべきものといたしまして、若者や女性を初め、地域の人々が本来持っている力や自然に本来備わった力を生かす、あるいは、滋賀の持つ地の利や大学などの知の集積といった素材に磨きをかけるという観点から、人の力を活かす、自然の力を活かす、そして、地と知の力を活かすの3つの戦略を立て、その施策の方向について議論がされているところであります。  私も毎回審議会に出席し、議論に参加し、さまざまな方々のお話をお聞かせいただきながら、新しい基本構想をつくり上げていきたいと考えているところであります。  この構想は、県の政策、施策の展開の重要な指針であるとともに、県民の皆さんとともに取り組みを進める上での共通の指針であり、基本的な考え方を共有しなければならないとの考えから、県庁内が共通認識を持って一体となって取り組むとともに、県民参加型の策定過程を通じて、生活現場の思いや願いをしっかり酌み取らせていただくことが大切であると考えております。  2点目の御質問でございます。策定の進捗状況と今後の予定についてですが、これまで審議会においては、第1回目を昨年11月に開催して以来、5回にわたって熱心に御審議いただくとともに、庁内的には、まず職員が基本的な考え方等について共通認識を持ってもらうために基本構想セミナーを開催いたしました。また、県民の皆さんからの意見募集や訪問対話を実施し、あるいは、さまざまな分野で活躍されている方々によるワークショップも開催するとともに、自治創造会議の場では、市町長の皆さんからもたくさんの御意見をちょうだいしたところでございます。  最後に、今後の予定でございますが、今月下旬には審議会から答申をいただく予定であります。この基本構想は、議会の議決案件でもあり、これまでから常任委員会で御報告申し上げさせていただいたところであり、今般の答申が出ましたら早急に議会に御報告申し上げ、県民政策コメントを実施する予定であります。この構想は、今年度から計画期間と考えており、9月議会で策定過程を御報告し、12月議会において上程させていただき、御議論を経て議決をいただきたいと考えております。  今後策定する、財政改革も含む行政改革の方針との整合を図りながら、来年度予算の政策、施策にこの基本構想を反映していきたいと考えております。  今後とも、議会の皆さんの御意見をお聞きしながら、できるだけ多くの機会を通じて県民の皆さんとともに考え、知恵を出し合って、139万県民の皆さんの生活の幸せを形づくっていくために確かな基本構想を策定してまいりたいと考えております。  次に、琵琶湖の市町境界設定についての3点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の関係市町との検討状況と合意内容、そして、県として今後どのように進めていくのかという点についてでございます。  昨年5月に、琵琶湖に面する10市4町と県とで検討会議を設置いたしました。それ以来、本年5月までに6回の検討会議を開催し、境界設定の具体的方法や境界設定に伴い増額となる交付税の活用方法について検討を進めてまいりました。その結果、境界設定につきましては、どの点をとっても対岸の距離が等しくなる点を境界線とする等距離線主義により境界設定を行うことについて合意されたところであります。県といたしましては、この合意を踏まえ、地方自治法に基づく手続に入っているところですが、今後速やかに境界の決定を行い、総務大臣への届け出を経て、ことし9月には境界を確定し、平成20年度から交付税に算入されるよう手続を進めてまいりたいと考えております。現在、関係10市4町に対して、境界決定案について意見の照会を行っており、関係市町ではこの6月議会において審議をしていただくことになります。  2点目の増額となる交付税の活用についてであります。  現時点で2億8,000万円余りと想定されます地方交付税の増額分については、あくまでも関係市町の財源でありますものの、これまで、琵琶湖の水源から湖に直接面しているところまで、すべての市町が琵琶湖の保全に共同で取り組んできた経緯がございます。このような経緯を踏まえて検討会議での検討が進められてまいりました。その結果、増額となる地方交付税の2分の1を、県内全市町によって設立された財団法人滋賀県市町村振興協会へ拠出し、市町共有の財源として琵琶湖の総合保全に活用していくことについて合意されたところでございます。
     具体的な割り当て事業については、今後、関係市町が主体となって検討が進められますが、これまでの検討会議では、例えば、大雨の後に湖辺に大量に散乱するごみの除去に充ててはどうかといった意見や、次の世代を担う子供たちの環境教育に充ててはどうかといった意見などが出されており、今後もさまざまな案が出されるものと思われます。県も検討に参画し、必要な助言をしてまいりたいと考えております。  3点目の今回の市町境界設定と琵琶湖の管理についてであります。  琵琶湖に市町境界が新たに設定されましても、管理の基本となる、河川法に基づく管理行為については、引き続き河川管理者であります知事が行うものであります。また、その他の事項につきましても、関係法令や琵琶湖の実情を踏まえ、県と市町がそれぞれ役割分担をしながら処理しているところであり、今回の境界設定に伴い、基本的に従来の役割分担が変わるものではないと考えております。  随分以前から提案されてまいりましたこの問題も、関係市町の合意を経て、いよいよ最終段階に入ってまいります。関係市町におきましては、厳しい財政環境の中で、増収となる交付税を拠出し、市町共有の財源として琵琶湖の総合保全に活用していくという、大変意義ある合意をしていただいたわけであります。県といたしましても、この市町の合意を大切にし、新たな自治の仕組みづくりに向けまして、引き続き支援をしてまいりたいと考えております。  次に、さらなる税源移譲についての御質問にお答えします。  平成12年に地方分権一括法が施行されて以来、地方のあるべき姿について多くの議論や取り組みがなされてまいりました。三位一体の改革もその一つでありますが、その柱でもあります、国から地方への税源移譲が、全国3兆円規模で実現することとなりましたことは、一定評価できるものと思っております。しかし、この税源移譲が、移譲総額が不十分であったこととあわせ、地方交付税の大幅削減や、依然として国庫補助負担金が残ったことなどにより、地方の自主性、自律性の拡大という観点からは実に不十分な改革にとどまっていると言わざるを得ません。  こうした中で、国と地方が適切な役割分担を行い、事務量と責任に見合った、真に地方の安定的な財政基盤を確立する改革が実現される必要があります。具体的には、国と地方の最終支出の比率は4対6であるにもかかわらず、税収比は6対4と言われており、今回の税源移譲では、多少は縮小されましたが、依然として大きな隔たりがあります。  そこで、まずは国と地方の税収比が5対5となるよう、税源配分のさらなる見直しが必要であります。その方法として、地域間の偏在性の少ない消費税から地方消費税に税源移譲すること、また、地方交付税を地方共有税として、地方固有の共有財源であることを明確にすることなど、さらなる地方税の充実を進めていくことが重要であると考えておりまして、国に対して要望しているところでございます。  また、本年4月に地方分権改革推進法が施行され、第2期地方分権改革がスタートいたしました。ちょうど先日、この地方分権改革推進委員会の丹羽宇一郎委員長と直接お話をさせていただく機会がございました。その際、丹羽委員長から、地方政府の確立に向けたお話をお聞かせいただき、地方分権改革への並々ならぬ御決意を感じたところでありまして、今後の税財源の議論に大いに期待を寄せているところでございます。  県といたしましては、この地方分権改革推進委員会の検討にあわせまして、地方消費税によるさらなる税源移譲や、地方交付税の地方共有税化について、引き続き強く国に求め、自治の確立に努めてまいりたいと考えております。  次に、文化の振興についての4点の御質問にお答えいたします。  1点目の本県における文化振興の意義についてでございます。  まず、文化の意義でございますが、文化は、人々に楽しさや感動、そして精神的な安らぎや生きる喜びをもたらし、人生を豊かにするとともに、豊かな感性や創造力をはぐくむものであります。また、他者に共感する心を通じて人と人を結びつけ、さらには、多様な人がともに生きやすい社会を築くために欠かせないものであると認識しております。私自身も文化人類学を学ぶ中でこのような文化の意義を深く理解してきたところでございます。  本県では、時代の変化とともに、今を生きる世代が新たな感性で創造している芸術文化や、先人によって培われてきた伝統文化などがあり、このような多様な文化は県民の共通の財産であると考えております。このような本県独自の文化を振興する意義といたしましては、大きく3つあると考えております。1つには、県民一人一人が滋賀の地に誇りや愛着の持てる心をはぐくむこと、2つには、個性豊かで活力あふれる地域をつくること、そして3つには、滋賀県と滋賀県民の存在感を国内的にも国際的にも高めることにつながるものであると考えております。そして、文化を振興する文化行政は、夢や希望に満ちた未来志向の分野であると思っております。  次に、2点目の今後の県の役割についてでございますが、県には主に4つの役割があると考えております。1つには、市町の取り組みに対して、創造、育成、発信などの観点から、必要な助言や支援を行うこと、2つ目には、広域的な視点から、複数の市町や県土にまたがる広域的施策を行うこと、3つには、滋賀の文化の魅力を牽引し、全国や世界へ発信していくこと、そして4つには、NPO、ボランティア、企業、大学などとの連携、協働を強化するとともに、民間等が活動しやすい環境をつくるという観点での助言や支援を行う役割があると考えております。  次に、3点目の御質問でございますが、検討委員会での議論についてでございます。  検討委員会では、今年度上半期に報告書を取りまとめることをめどに活発な議論が交わされているところでございます。その中で、滋賀の特色として、地域の人々により大切に守り伝えられてきた、全国に誇り得る文化財や伝統文化などを次世代へ継承していくこと、次世代を担う子供、青少年に多様な文化芸術活動の機会を提供していくこと、さらに、全国的に注目される活動も出てきております文化ボランティアがより力を発揮できる環境づくりが大切であるとの御意見などが出されております。また、文化振興を長期的かつ安定的に推進していくためには、その基本方針を明確にする条例が必要ではないかとの御意見も出されております。  最後に、4点目の検討委員会の議論を踏まえ、県としてどのように対応するのかとの御質問でございます。  平成13年に制定されました、国の文化芸術振興基本法で、地方公共団体の責務として、文化芸術の振興に関し、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、実施することと規定されております。県といたしましては、先ほどから指摘いたしましたように、文化は心のよりどころであり、社会を支える基盤であるとの認識を、県民の皆さんと共有していくことが重要であると考えております。こうしたことから、検討委員会からの報告を受け、条例の制定や基本方針の策定も視野に入れながら、県議会においても十分御議論いただき、文化振興の方針を確立していきたいと考えております。  次に、琵琶湖の保全と再生についての御質問にお答えいたします。  1点目の琵琶湖の環境政策の課題認識でございます。  ちょうど30年前、議員も御指摘のように、琵琶湖で赤潮が大規模に初めて確認されました。多くの県民の皆さんにとって忘れられないものであり、琵琶湖からの警鐘として受けとめ、その後の粉石けん使用推進運動から滋賀県富栄養化防止条例制定へとつながり、工場排水対策の強化や下水道整備などの促進による流入負荷削減を初めとして、琵琶湖を守る取り組みを県民総ぐるみで進めてきた結果、富栄養化は一定程度抑制されてきました。しかしながら、人口の増加や市街化の進展により汚濁負荷量の増加がさらに見込まれますので、琵琶湖の水質の保全のためには、大気からの負荷も視野に入れながら、引き続き汚濁負荷削減対策の手を緩めるわけにはいかないと認識しております。  さらに、水質問題に加えて、近年、固有種の減少と外来魚の繁殖やカワウの増加、水草の繁茂など、これまでになかった生態系の変化が顕在化しております。琵琶湖の水環境は、湖岸の人工化や内湖の減少、さらに、人為的な水位操作など、さまざまな要因が複合的に絡み合って形成されると考えております。したがいまして、効果的な対策を講ずるためには、まず水質や生態系メカニズムを総合的に解明する必要があると認識しております。  さらに、近年課題となっておりますのが、琵琶湖北湖の深層部での低酸素化の問題であります。琵琶湖北湖では春先から夏にかけて湖水が温められていきますが、温められた水は比重も軽くなるため、上層部と深層部がまざらない状態となります。その結果、深層部では有機物などが分解され、酸素がだんだん減少し深層部の低酸素化が進んでしまいます。例年であれば、この低酸素化は、冬になって上層部の水温が冷やされ、2月ごろに上層部と深層部の水が循環することで解消されます。私自身はこれを琵琶湖の深呼吸と表現しておりますが、ことしは暖冬のため、全循環が3月末まで起こりませんでした。このことは、冬の気温上昇により、北湖深層部の低酸素化の解消がおくれるということであり、今後は地球温暖化を視野に入れて、低酸素化の問題をさらに考えていく必要があると思っております。  次に、2点目の琵琶湖の保全再生に向けた取り組みについてでございます。  まず、短期的、ショートスパンでの施策についてであります。下水道の整備と効率的、効果的な運営はさらに必要であり、あわせて、市街地や農地からの雨水等を通じて排出される汚濁負荷を削減するため、流出水対策を進めます。  次に、豊かな生物をはぐくみ、琵琶湖のゆりかごとも言えます内湖を、豊かな生態系の場、そして漁場に再生するため、国、関係市と連携を深め、南湖再生プロジェクトに積極的に取り組みます。  また、カワウは、水産課の調査によりますと、平成13年春には約3万4,000羽の生息が確認されているため、平成19年度は2万3,000羽の駆除を予定し、また、外来魚については、水産試験場の調査によりますと、平成18年春に約1,700トンの推定生息量に対しまして平成19年度は585トンの駆除を計画しており、引き続き生態系保全のための管理に確実に取り組んでまいります。  さらに、琵琶湖の水源涵養機能や温暖化防止などを担う森林については、間伐を中心とした整備を進め、健全な森林づくりに取り組みます。  次に、中長期的、ロングスパンの取り組みでございます。  琵琶湖の水質は、流域に住む日々の暮らしから排出される生活排水や企業の生産活動に伴う工場排水、そして、市街地、農地などからの、いわゆる面源汚濁負荷が琵琶湖に流入し、還流や吹送流などの複雑な湖流によって拡散することで形成されます。また、この過程では、湖に生息する植物プランクトン、動物プランクトン、魚類、貝類などによる食物連鎖によって栄養分として取り込まれ、また、植物プランクトンの光合成により湖内での有機物が生産されるなど、複雑に絡み合った結果のあらわれであります。  琵琶湖の水質を保全するためには、流入負荷を削減させる従来の対策をさらに進めていくことはもちろん大切なことだと考えております。それに加えて、琵琶湖の水質が微妙な生態系のバランスのもとに形成されていることを前提にして、今後は琵琶湖の再生に向けて効果的な対策を検討し、マザーレイク21計画に反映させていきたいと考えております。  また、県のみならず、国レベルでの新たな枠組みづくりにも取り組んでいただいており、こちらにも期待しているところでございます。  琵琶湖は、飲料水や農業用水として利用されるだけでなく、漁業やレジャー、文化などの場となっておりますことから、人々の暮らしを豊かにする、例えば食文化あるいは美しい風景などに代表されるような、人と湖との近しい、そして親しみの持てる関係を形づくる取り組みも重要と考えております。  琵琶湖のさまざまな恵みは、私たち県民にとってかけがえのないものであり、また、近畿1,400万人の人々にとっても欠かすことができない大切な淡水資源でございます。このような多様な価値を持つ琵琶湖を、健全な姿で次の世代へしっかりと引き継いでまいる決意でございます。  次に、造林公社に関する5点の御質問にお答えいたします。  まず、その歴史的背景について御説明させていただきます。  造林公社につきましては、昭和30年代に始まった我が国の高度経済成長による木材需要の増大に対応するため、国の拡大造林政策を受け、また、特に本県にありましては琵琶湖の水資源確保のため水源涵養ということを目的とし、昭和40年4月に滋賀県造林公社を県単独で立ち上げ、その後、下流域の水需要の増大もあり、大阪府や兵庫県など下流自治体に社員として参加をいただき、これまで上下流一体となって森林整備を進めてまいりました。  また、昭和47年度、琵琶湖総合開発特別措置法の制定を受け、国や大阪府、兵庫県、そして滋賀県の間で合意された事業計画の3本柱の1つであります治水対策のうちの水源の保全、涵養の目的達成のため、昭和49年3月にびわ湖造林公社を滋賀県単独で設立し、滋賀県造林公社と同様に分収方式による造林・育林事業を行ってきたところでございます。  その結果、滋賀県造林公社で約7,000ヘクタール、びわ湖造林公社で約1万2,500ヘクタール、合わせて県内の人工林の4分の1に当たります約2万ヘクタールの水源林を造成し、今日まで保育、管理いたしております。  この分収造林事業の推進に必要とされます経費につきましては、補助と融資の2つの選択肢がありました。当時、農林漁業金融公庫の融資利率が、造林補助金を使い、自己負担分について融資を受ける場合は6.5%であり、一方、補助金を使わない場合には3.5%と有利に設定されておりました。拡大造林を計画的かつ急速に行う必要もありましたことから、事業資金につきましては、間伐を含めた伐採収入で採算がとれるという見込みもあり、農林漁業金融公庫の融資により進めてまいったものでございます。  なお、公社管理経費については、滋賀県および下流からの借入金によって事業に着手いたしました。また、公社方式による拡大造林は、森林所有者みずからでは造林が困難な奥地の条件不利地を対象とするようにという、当時の国の通達に従ったため、公社の経営地が雪深い湖西、湖北を中心とした山間奥地に多く所在することともなってしまったものであります。  県としても、森林の荒廃を防ぎ、琵琶湖の水源涵養保全のためには、こういった条件不利地でありましても、当時の物価動向から十分採算がとれるという見込みのもと、公社による拡大造林を積極的に展開する必要があるという政策判断があったものと受けとめております。  幸い昭和32年に木材製品が輸入自由化された後も約15年ほどは木材需要の拡大もあり、木材価格も上昇の一途をたどっておりました。しかし、その後、コスト面や安定供給の面等ですぐれている外材を大量に使用するようになるなど、国産材の需要が低迷し、現在では、昭和55年のピーク時に対して、杉で6分の1、ヒノキで3分の1という価格となってしまっております。また、その反面、経済成長とともに労務単価等のはね上がりも大きく、年々、事業費、管理費が上昇してきたことなど社会経済環境の変化に見舞われ、公社の経営が極めて厳しい状況に追い込まれたものと認識いたしております。  このような中で、公社としても、昭和60年度から経営改善の取り組みに着手され、補助金の活用や施業転換による低利資金への借りかえ、管理経費の削減等の自助努力を行ってきました。県としても、平成11年度から新規貸し付けにおいては無利子化を図るなど、その時点時点において適宜適切に判断し、改善策として取り入れるべきものは手を尽くしてきましたが、公社の努力や県の支援だけでは抗し得ない大きな社会状況の変化がございまして、森林経営として成り立たない状況に立ち至ったものと理解しております。  そこで、まず、1点目の御質問でございますが、その認識についてです。  現在の多額の債務を抱えた状況につきましては、まさに議員御指摘のとおりの状況でありまして、木材価格の上昇が期待できない中、両公社合わせまして、債務がこの1年間で約18億円も増加している経営状態を考えますと、早急にこの状態を打開しなければならないという強い思いを持っております。この状況を放置すれば、県民により大きな負担をおかけすることになるという強い思いから、私自身もマニフェストに造林公社問題を掲げさせていただいているわけでございます。債務償還のスキームも含めました抜本改革の方向性を早期に見出すべく、県と公社および関係者が真剣に検討しているところであります。  2点目の政府提案についてでございますが、林野庁に対しましても、既往債務の償還時期を森林の伐採時期に合わせた償還とする資金制度の創設と、長伐期化に伴い償還期間を延長した場合、利子負担を軽減する措置の2つをお願いしたものでございます。  このねらいといたしましては、現在は間伐ではほとんど収入が得られず、商品価値を生み出すためには伐採時期を通常より延ばし、材の価値を高める施業に転換する必要があるといったことから、当面、伐採収入が見込めない中で、公社は既往債務の償還を借り入れにより行うことでさらに債務が膨れ上がるという悪循環に陥っております。そこで、林業を経営面から支えるためには、植林から伐採まで超長期を要する林業経営にとって伐採時期と償還時期を一致させることが必要であり、こうした実態に合わせた融資制度を創設していただこうというものでございます。また、償還期間が延びることに伴い利子がふえるということになりますので、その間の利子負担の軽減を、あわせてお願いしております。  私も林野庁長官と直接お会いし提案をいたしましたが、平成18年度に補助制度の拡充と地方財政措置の拡大という一定の措置をし、また、金融の常識からいって現状でも55年融資という超長期的な、あり得ない措置がなされている中で、これ以上は難しいという林野庁長官の回答でありました。この要件は、伐採収入をもって償還するという公社造林の本来あるべき姿を維持するためには必要最低限の条件であります。国の政策のもとで拡大造林を推進してきた経緯から、何とか支援を実現されるよう強力に国にお願いしてきたところでございます。  3点目の農林漁業金融公庫に対する対応でございますが、両公社は、平成17年度、18年度の2年間、公庫から償還猶予を受けております。このように2年間も、元利償還とも猶予するという、一般的な金融の常識では考えられない寛大な措置を公庫がおとりになったのは、本県公社が関係機関と協議しながら公社問題の抜本改革に真摯に取り組んでいることなどに対する御理解があったものと推察いたしております。しかし、2年目でございました昨年度の猶予措置に当たって公庫は、本県が平成19年度中に公社の抜本改革の方向性を示すことを条件に猶予に同意したという経緯がございます。そういう意味では、本年度、県が償還財源を予算化していないことから、まさに抜本改革の答えを見つけ出さなければならない局面に立ち至っているものと認識いたしております。  今後、最悪の場合、公庫から公社に対しての一括償還請求あるいは県に対しての損失補償請求など、厳しい対応を迫られることも十分想定されますが、公庫には県の厳しい財政状況を御理解いただきながら、県民に過度な負担が生じないよう、よりよい方向を目指して、粘り強く協議を重ねてまいりたいと考えております。  4点目の造林公社の抜本改革についてでございますが、先ほどの本県の政策提案が仮に実現したといたしましても、現在の木材価格や債務残高の現状からいたしまして、伐採収入をもってすべての債務を償還することはかなり厳しいであろうと認識しております。そこで、公社の抜本改革の課題といたしましては、まず、両公社合わせて約2万ヘクタールの森林について、伐採時期が来るまでの適正な管理体制の確立と、もう一つは、両公社が抱えております巨額な債務の処理方策であります。  特に債務処理方策につきましては、現時点において精度の高い予測値など、可能な限り客観的な情報をもとにして長期収支の見通しを立て、その上で一定の段階で債務を確定する必要があります。また、この巨額な債務を圧縮することにも努力をしなければなりません。その結果、伐採収入が債務額に満たない場合には、本県が農林漁業金融公庫に損失補償を行っていることや、県からの貸付金ならびに下流社員からの貸付金の取り扱いにおいて、債権者の皆様を初め、県民に御負担をお願いする必要も出てくるものと認識しております。  造林公社問題の5点目の質問でございますが、解決に向けた決意とそのめどについてでございます。  孫子にツケを残すことがないようにすることは当然のことであり、私がいつも申し上げていることでもございます。なかなか明るい展望が見出せない状況ではありますが、ひるむことなく、今まで以上に関係機関と協議を進め、公社の抜本的な改革方向をより早急に取りまとめて、皆様に御報告いたしたいと存じております。  これも私の就任当初からの言葉でございますが、できるかできないかではなく、やるかやらないかでございます。この問題は、早急に解決する必要がある問題でありますことから、よりよい方向へ終結すべく、執行部としては不退転の決意で臨む覚悟でございます。この公社問題においては、なかなか我々執行部だけでは解決困難なことも多々ありますことから、今後、議員の皆さん方を初め、県民の皆さんの御理解と多大な御協力が不可欠でございます。ぜひともよろしくお願い申し上げます。  次に、医師および看護師の確保対策についての御質問のうち、まず、医師の確保対策について2点の御質問にお答えいたします。  医師不足についての私の認識と基本的な考え方という1点目の御質問でございますが、県内の医師不足につきましては、地域偏在が強まり、また、産科医、小児科医などの特定診療科での偏在も見られ、依然として厳しい状況にあります。医師確保については、県民が心安らかに暮らしていける医療を提供できる体制を確保する上で大変重要で差し迫った課題であると認識しておりまして、私といたしましては、医師不足対策に全力を挙げて取り組むべきと考えております。  次に、2点目の今後の県の取り組みについてでございますが、県でできることややるべきことは県で、国のすべきことは国でとの考えのもとに、厚生労働省や関係機関へ要望を行っているところでございます。  まず、県といたしましては、既に平成19年度予算で医師確保総合対策事業を9,600万円で実施することにしております。既にこの4月には、医師確保事業を総合的に行うため、滋賀県医師確保支援センターを設置したところでございます。また、若手医師の定着を図るため、先日も、新臨床研修の1年目研修医に、先輩医師が後輩医師を育てるとのテーマで県医師会が研修を開催いたしました。私もこの新任研修医の研修に出向き、臨床研修医の皆様に直接に滋賀の魅力や、行政として責任ある支援を行うことを訴えてきたところでございます。このような中で滋賀への定着を図っていきたいと願っております。  こうした中、県内の医師不足は4月以降になっても改善の見通しが見えず、長期化する傾向が見えてきましたことから、早急にさらなる医師確保対策を講じる必要が生じております。こうした状況に対応するため、平成18年度2月補正予算において設置した滋賀県医師確保対策基金を活用し、在宅女性医師の臨床現場への復帰を直接的に働きかけることや、医学生への就学資金貸し付け等、2,500万円余りの医師確保対策のための補正予算を今議会にお願いしているところでございます。  また、国に対しましても5月下旬に、勤務医と開業医の待遇の格差是正、勤務医の過重労働軽減のための医療秘書の制度化と財源の確保、さらに、女性医師を支援するためのきめ細やかな対策の確立などの7つの項目について政策提案を行ったところでございます。  今後も厳しい状況が予測されますが、県といたしましても最大限の努力を行い、市町や病院関係者の皆様とともに、この困難な状況を乗り越えてまいりたいと考えております。  次に、看護師の確保対策についての2点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の看護職員の確保状況についてですが、滋賀県ナースセンターが本年4月の採用状況について、県内全61病院に対して行った調査結果によりますと、新規採用者は前年度と比べ66人増の767人であり、そのうち528人が新卒者でありました。その結果、病院に勤務している看護職員は前年に比べ約300人増加の約8,900人となっておりまして、県全体としては看護職員数は着実に増加しております。しかしながら、県内においても7対1看護体制を目指す病院がふえたことにより、新規募集総数は前年度より240人増加し、1,038人となっております。これに対し、約270人が確保できておらず、引き続き看護職確保が厳しい状況にあると認識いたしているところであります。  県といたしましても、今後ともその確保に向け最大限の努力を行ってまいりたいと考えております。  次に、2点目の離職防止についてであります。  先日、私自身も成人病センター等を訪問し、また、県看護大会に出席し、看護職の皆さんと直接お話をする中で、出産・子育て期における就労環境の整備がいかに大切であるか、また、新人の看護師の方にとっては仕事への不安や人間関係の悩みなど精神的なサポートが必要であるということを改めて考えさせられたところでございます。  病院に就職した新卒者だけをとりましても、昨年1年間で76人の方が何らかの理由により離職されており、資格取得までの経済的、時間的コストを考えますと、個人的にも社会的にも大変もったいないことでございます。  そこで、これらを踏まえた離職防止対策についてであります。出産や子育て期をサポートするための病院内保育所につきましては、61病院中34病院で実施されており、その実施率は全都道府県の中で最も高い状況にあります。先日の看護職の皆さんとの話し合いの中でも、この病院内保育所が魅力で滋賀県内の病院に就職していただいたという方もおられました。今後とも、この方面について積極的な支援に努めてまいりたいと考えております。さらに、今回、カウンセラーによる相談事業を7月から開始することといたしており、新人看護職員へのきめ細やかな個別相談などに応じていくことといたしております。  また、モデル事業として、4病院に看護管理等に精通したアドバイザーを派遣する事業や、若手看護職員による協議会の設置による離職防止の支援なども検討していくことといたしております。  これら事業の効果的な展開によりまして、県内の看護職員確保定着につなげ、県民が安心して暮らしていける地域医療体制の確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、滋賀県経済の活性化と企業立地についての2点の御質問にお答えいたします。  まず、第1点目の企業立地の新たな戦略についてでありますが、本県では、名神高速道路を初めとする高速交通網やJR琵琶湖環状線などのインフラ整備を進めてまいりました。また、これまでの大学誘致によりまして、理工系を初め、医療や環境、バイオ、さらには芸術やスポーツなど幅広い分野の大学立地が進み、企業の創造的な活動を支える基盤という点でも他県をしのぐすぐれた立地環境をつくってまいりました。さらに、新名神高速道路の開通を来年春に控え、本県の立地環境は一層向上するものと考えております。  こうした中、経済産業省が毎年実施しております工業立地動向調査によりますと、昨年の企業立地件数は県全体で44件と、過去10年間で最高となりました。甲賀地域や東近江地域を中心に、県全体といたしましても順調に増加しており、近年の景気回復とあわせ、本県の立地環境の優位性に支えられたことが大きな要因であると考えております。  それだけに、これまでのすぐれた立地環境に甘んずることなく、企業の設備投資が好調なこの時期を逃さず、大学を核とした産学官金連携基盤の有効な活用を図りながら、地域の未来のために、後世への投資という視点に立って企業誘致に積極的に取り組んでいかなければなりません。  そこで、企業立地の新たな戦略でありますが、まずは新技術や新製品を生み出す研究所や、研究開発機能を併設した事業者、いわゆるマザーファクトリーをターゲットといたしまして企業誘致に重点を置いていきます。企業の国内投資が高機能、高付加価値製品の開発生産拠点へとシフトしております中、環境やバイオ、ITといった今後の成長が期待される分野を中心に、このようなマザーファクトリーを集積することによりまして、地域の中小企業を含めた産業クラスターを形成していきたいと考えております。  次に、その具体的な手段といたしまして、本年度新たな助成金制度を創設いたしました。名づけて創造型モノづくり企業立地促進助成金でございます。企業の頭脳とも言うべき研究開発拠点の設備投資に対して支援を行うもので、既に実施しております県版経済振興特区制度の立地支援とあわせまして、本県の企業立地の大きなインセンティブになるものと考えております。  さらに、立地いただく企業に対しては、行政の熱意と、迅速かつきめ細やかな対応が重要であると考えております。このため、本年5月より、開発等の許認可事務を担当する職員を企業誘致推進室の兼務職員とすることにより、行政手続の一元化、迅速化に全庁挙げて取り組んでおります。  また、企業の経営トップの皆様などとさまざまな場面で出会い、新たな企業立地に当たっては企業の従業員だけでなく家族の方々の暮らしを大切にすることが大切であると私自身理解いたしております。そのような点から、本県の琵琶湖を含む自然豊かな伝統、芸術・文化、さらには公教育の充実などの教育環境なども含め、滋賀の魅力を広く発信してまいりたいと考えております。これまで同様、今後とも、私自身も全国にアンテナを高く掲げ、県の熱い思いを直接企業のトップに訴えてまいりたいと考えております。  次に、2点目の企業立地促進法を活用した取り組みについてでございます。  この法律は、地域の強みを生かし、企業立地の促進に主体的かつ計画的に取り組む地域を、1つには、企業のヒト・ワザの強化とコスト低減、2つ目には、迅速できめ細かい企業立地、3つ目として、頑張る地方自治体への支援という3つの切り口から国が総合的に支援していこうとするものです。企業誘致をてこに地域の産業振興を進める本県にとりまして、この法律は強力な後押しになるものと考えております。  立地企業にとりましては、建物および機械の特別償却や工場立地法上の特例が認められるなどのメリットもございます。また、企業誘致を行う県や市町にとりましても、地方税を減免した場合、地方交付税上の支援措置が用意されるなど有効な企業立地促進策が盛り込まれていることから、この法律を活用することにより効果的かつ効率的に立地環境の整備を進めることができると考えております。  現在、この法律を積極的に活用すべく、関係市町と共同で、法に基づく基本計画づくりを進めております。その推進に向けましては全庁挙げて取り組むこととし、さまざまな支援措置との相乗効果を図りながら、企業の新規立地や増設を一層推進してまいりたいと考えております。  次に、新農政のスタートに当たっての課題と対策についての御質問のうち、資源作物として水稲栽培を行うことの可能性についてお答えいたします。  資源・エネルギー対策や地球温暖化対策の立場から、世界的にバイオエタノールの活用が注目され、各国で生産の拡大に向けた取り組みが本格化しており、その一方で、国際的な農産物需給の逼迫から食料価格の上昇といった影響も懸念されております。こうした中で、現在我が国におきましても、バイオマス・ニッポン総合戦略として、資源作物や未利用バイオマス等を原料とした国産バイオ燃料の大幅な生産拡大の方針が打ち出され、具体的な取り組みが始められたところであります。今後、多収品種の育成や、効率の高いエタノール変換技術の開発、そして、バイオ燃料を利用するための仕組みづくりなど、資源作物としての水稲栽培からバイオエタノールの利用に至る、経済性のある全体のシステムの構築が進められていくこととなっております。  本県におきましても平成16年に、しが新エネルギー導入戦略プランを策定し、太陽光発電の導入とあわせて、路線バスや「うみのこ」での利用など、バイオ燃料であるBDFの導入等の取り組みを進めているところでございます。  しかしながら、40%という我が国の食料自給率の低さや、米からバイオエタノールを生産するコストの高さとともに、これまで主食用として米づくりをしてきた農家の思い入れや、米の生産調整作物として県が麦、大豆の作付を推進してきた中、取引業者への安定供給等を踏まえますと、現時点ですぐさま水稲を資源作物として栽培するには幾つかの問題を抱えているものでございます。とはいうものの、議員御提案の水稲資源作物として栽培することにつきましては、耕作放棄地の解消や水田の維持、保全とともに、米という農産物の新たな市場創出にもつながり、ひいては温室効果ガスの削減による地球温暖化の防止等に寄与することから、農業という産業の未来にも大きな可能性をもたらすものとも考えております。  県といたしましては、こうした国の動向や海外の情勢等を見据えながら、長期的に見て本県農業の振興および環境の保全を推進する上で重要な課題として位置づけ、関係機関とも連携しながら、情報収集とともに調査研究を進めてまいりたいと考えております。  次に、淀川水系河川整備基本方針と河川整備計画に対する県の対応について、5点の御質問にお答えいたします。  1点目の淀川水系河川整備基本方針において、特に注視して調整していくべき点についてであります。  さきの5月28日に国土交通省で開催されました淀川水系河川整備基本方針検討小委員会におきまして、淀川水系河川整備基本方針の素案が示されました。この基本方針は、治水、利水や環境の観点から、百年の計とも言える長期的な視点に立った河川整備の基本的な方針を決めるものでございます。今日までの小委員会での審議におきましては、特に治水について、流域全体の治水安全度の向上を図るとの新しい認識のもと議論がなされてきました。今後、治水の観点からは、従来より滋賀県での懸案でありました瀬田川洗堰全閉操作の解消、および滋賀県に大きな水害をもたらした明治29年の洪水などの対応について、基本方針の中でどのように記述されるのかを確認していきたいと考えております。また、環境保全の観点から、瀬田川洗堰の操作につきましては、琵琶湖の生態系、特に固有種の繁殖などにも配慮した操作の方向性が示されるかどうかも確認してまいりたいと考えております。  次に、2点目の河川整備基本方針検討小委員会において滋賀県の立場を理解していただくことについてであります。  淀川の整備方針については、滋賀県の立場を伝えつつ、運命共同体として下流府県とともに考えてまいりたいと思います。瀬田川洗堰の全閉操作解消については、前回の河川整備基本方針検討小委員会の席上において、滋賀県としても宇治川などの下流において全閉操作解消の条件整備が必要なことは理解していると発言いたしました。下流府県が全閉操作解消に対して不安に感じていることについては、滋賀県といたしましても、その趣旨を引き続き小委員会などの場で伝えていくことも必要と考えております。  次に、3点目の淀川水系河川整備計画について、特に注視して調整していくべき点についてお答えいたします。  河川整備計画の内容につきましては、時間軸を伴った具体的な整備の計画が示されるものであり、基本方針が策定された後に議論されるものと理解しております。この中で、今回、基本方針で示された方向がどのような対策で具体化され、どれだけ早く実現できるかの視点からしっかり確認していきたいと考えております。特に瀬田川洗堰全閉操作解消の条件とされる整備については、できるだけ早く実現していただきますよう国に伝えてまいりたいと思います。  次に、4点目の個別ダムに対する考え方については、大戸川ダムについては6月4日の提案説明で表明したとおりでございます。国が河川整備計画の案を作成される段階について、具体の計画として国より提案していただきたいと考えております。その際には、大戸川ダムの利水者がすべて撤退するのであれば、幾つかのダムの具体の検討をし、住民対話のプロセスを経ることをお願いします。その後に県として環境保全、地域整備、さらには財政上の問題などの視点を踏まえた上で方針をまとめていきたいと考えております。  また、丹生ダムにつきましては、国においてダムのタイプごとに比較検討を行っていただく、ここも住民対話のプロセスを展開するようお願いしたいと考えております。  次に、渇水問題についての御質問にお答えします。
     1点目の現在の渇水状況についてでございますが、本日午前6時の琵琶湖水位はマイナス15センチメートルであります。平成4年以降の本日の水位の平均がマイナス5センチメートルでありますので、これより10センチメートル低い水位となっております。本年は3月以降、例年にない低水位が続いたことから、特にこの時期に産卵時期を迎えます固有種であるコイ科魚類の産卵などへの影響が懸念されるところでございます。また、主な農業用ダムの平均貯水率は6月4日現在62%で、平年の80%と比べて少なくなっております。現在、4つの農業用ダムにおいて隔日送水などの節水対策が講じられているところでございますし、高時川頭首工では平日の60%程度しか出水できないため、琵琶湖からポンプで余呉湖へ揚げ、足りない水を補って対応されているところでございます。  2点目の今後の見込みについてでございますが、この4月のように降水量が少ない場合には、琵琶湖水位は夏季の水需要期を迎えてさらに低下するおそれがあります。また、農業用水の不足による干ばつ被害などのおそれがありますことから、状況を注意深く見守っているところでございます。  3点目の渇水状況に対する対応についてでございます。  県では昨年11月17日に、庁内に水位低下連絡調整会議を設置し、影響の把握やその対応に努めてまいりました。今回の低水位を受けて、昨年11月13日に引き続き、今年5月1日に国土交通省近畿地方整備局に対しまして、洗堰のきめ細やかな操作、ダムの連携操作による琵琶湖の水位低下抑制などを要請したところでございます。これを受けて国土交通省では、瀬田川洗堰について、1トン単位できめ細やかな操作を行うとともに、同じ淀川流域であり木津川上流にあります高山ダム等から優先補給することにより、琵琶湖の水位低下抑制に努めていただいております。  県としましても、今後も引き続き琵琶湖水位やダム貯水率などの動向を注視しながら、水位低下連絡調整会議を通して影響の把握と必要な対策を講じるとともに、国に対しても適切な対応を求めてまいりたいと考えております。  以上、自由民主党湖翔クラブ、蔦田議員の代表質問への答弁とさせていただきます。 ◎総務部長(谷口日出夫君) (登壇)税源移譲についての3点の御質問にお答えします。  三位一体改革に伴います税源移譲でございますが、県や市町が自主的な判断で住民に必要な行政サービスを効率よく行えるようにするため、納税者の方に新たな負担が生じないようにしつつ、税率を変更することにより、国税である所得税の一部を減らし、その分、住民税をふやすというものであります。  まず、1点目の税源移譲による本県分についてでありますが、個人県民税で約200億円、個人市町民税で約100億円の合計約300億円が、移譲により増額になるものと見込んでおります。このことによりまして、本県の個人県民税の今年度予算は、昨年の2倍に近い約476億円となったところであります。  また、これまで住民税だけ納めていた低所得の方でも税負担は変わらないのかとの御質問でございますが、配偶者控除や扶養控除など、さまざまな人的所得控除には、所得税と住民税に控除額の差がありますことから、低い所得の方の中には、所得税は課税されないが住民税は課税されるといった方がおられます。この場合でも、住民税が増額とならないよう、新たな調整控除が設けられており、税負担は基本的には変わらないものであります。  2点目の納税者への周知でございますが、所得税においては、本年1月から住民税に先行して減税が始まっておりますことから、昨年の年末調整や本年2月からの確定申告時を通じまして、国、県、市町が連携しながら周知に取り組んでまいりました。1月にはパンフレットの全戸配布をしたのを初め、公共機関等でのポスター掲示や新聞、テレビ、ラジオなどマスメディアを使った周知活動を図ってきたところであります。  特に納税者の皆さんにとっては、この6月に送付されました住民税の納税通知時や、サラリーマンの給与支払い時に税の増が実感として伝わりますことから、これらの際に、税源移譲の趣旨や税負担は変わらないこと、また、昨年度に引き続き定率減税や老年者非課税措置の廃止、縮小の影響があることなど、できるだけわかりやすく記載したチラシを同封していただき、納税者の皆さん一人一人にお知らせができるように、各市町や特別徴収義務者に依頼したところであります。  3点目のこれまでの取り組みの効果と今後の市町への徴収支援策についてでありますが、県ではこれまでからも、税事務所において市町への積極的な徴収支援を講じてまいりました。平成17年度には、税源移譲に伴い未納額の増大が予測されますことから、滞納整理特別対策室を設置し、市町への支援に取り組んできております。主な取り組みといたしましては、特別対策室が中心となり、住民税を市町にかわって直接徴収しておりまして、この2年間で延べ33市町で約3億2,000万円、1,000人を超える高額滞納者などを対象に滞納整理を進め、納税意思の乏しい悪質滞納者には徹底した差し押さえ処分を実施するなど、その約9割に当たる2億8,000万円を整理したところでございます。  このような取り組みの効果もありまして、平成17年度の個人県民税は、徴収率が全国平均を1.6ポイント上回る93.1%と、8年ぶりにアップし、徴収率の全国順位も前年度の10位から7位に上昇したところでございます。また、平成18年度につきましても、まだ決算途上でございますけれども、徴収率が平成17年度を上回るものと見込んでおりまして、市町みずからの徴収努力とともに、特別対策室を設置して取り組んだ効果が着実に出ているものと判断いたしております。  また、今後の市町への徴収支援策については、これまでの徴収支援策を継続して実施してまいりますとともに、本年度からは、新たな取り組みといたしまして、本県税務職員を6カ月間、市町に派遣し、住民税などの共同徴収を実施することとしており、上半期は2市1町で取り組みを進めているところであります。市町の職員と一緒に滞納整理を行うことで、収入未済額の縮減を図るとともに、実践を通して徴収技術の向上を支援することとしております。今後、これらの取り組みの効果や市町の要望等を見きわめながら、引き続き市町みずからの徴収強化につながる効果的な支援に努めてまいりたいと考えております。 ◎農政水産部長(但馬甚一君) (登壇)新農政のスタートに当たっての課題と対応策についての御質問にお答えいたします。  まず、1点目の品目横断的経営安定対策における担い手の確保についての現在までの状況と今後の見通しについてであります。  御指摘のとおり、米は本県農業の基幹作物であり、麦、大豆は米の生産調整の主要品目でもありますことから、県、市町、JAなどの関係機関・団体で構成します担い手育成総合支援協議会を中心に、それぞれの組織が役割を分担しながら、より多くの農業者が本対策の支援を受けられるよう積極的に担い手の育成に取り組んでまいりました。  その結果、ことし3月末現在では、認定農業者が1,675人、特定農業団体等が428団体となり、国の対策を踏まえて、しがの農業・水産業新戦略プランで平成22年度の目標値としております担い手数を既に上回っております。これにより、この6月に収穫されます麦の約7,000ヘクタールや、これから作付が見込まれます大豆の約4,000ヘクタールのほとんどが国の支援対象となる見込みでありまして、今日までの農家や農業団体などの関係者の努力が実を結んだものと思っております。  しかしながら、こうした担い手が農業として自立できるかとの観点から見ますと、経営規模が小さい認定農業者であるとか、米の生産調整作物の麦、大豆のみの経営となっています経営基盤の弱い集落営農が多いといった課題もございます。  このため、県におきましては、市町や農業団体などと連携いたしまして、担い手の農地が面的な広がりを持って効率的な経営が展開できるよう、認定農業者への農地の利用集積を進めますとともに、集落営農におきましては、米を含めた経営規模の拡大や法人化のためのリーダー養成などにより経営者意識が高められるよう支援してまいります。  このような取り組みを着実に進めますことによりまして、次代を担う若い農業者が夢を持って農業経営に取り組めるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策についての御質問にお答えいたします。  まず、進捗状況についてでございますが、本対策は、農地や農業用水などを集落が一つになって保全する共同活動と環境こだわり農業を一体的に実施する仕組みになっております。本県では、この対策を、これまで取り組んできたみずすまし構想や環境こだわり農業をより一層推進するよい機会でありますことから、昨年の秋以来、市町や関係団体とともに多くの集落で説明会を重ね、また、県や市町の相談窓口での個別指導など、集落へのきめ細かな支援を行ってまいりました。  こうした支援を行ったことにより、共同活動につきましては、県内の農業集落1,400余りのうち約900集落、農振農用地面積の3分の2に相当する約3万3,000ヘクタールで、また、環境こだわり農業につきましても、当初の予想を上回ります約8,900ヘクタールで実施される見込みとなるなど、本県の取り組みは全国の中でもトップクラスのものとなっております。現在、これらの集落では、田んぼから水を漏らさないための水路や、あぜの補修など、集落ぐるみで共同活動に取り組まれています。また、去る4月23日には県内の全市町を初め、県、滋賀県土地改良事業団体連合会や滋賀県農業協同組合中央会などの関係農業団体で組織をします滋賀県世代をつなぐ農村まるごと保全地域協議会が設立されました。  県といたしましても、これと協力、連携し、各集落において活発な活動が展開されるよう支援を行っているところでございます。  次に、本対策を進めていく上での課題と対応策についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、短時間での地域全体の合意形成の難しさなどから、積極的な気持ちを持ちながらも参加に至らなかった集落もございますし、実施される集落におきましても、準備期間が短かったということから、事業期間である5カ年間、持続的な取り組みができるのかという不安を感じておられる集落もあるように聞いております。  今後の持続的な取り組みに不安を抱いておられます集落につきましては、引き続ききめ細かな巡回指導を行いますとともに、地域リーダーを育成する研修会の開催、また、活動の参考となる暦の作成や配布、優良計画地域を発表し表彰するフォーラムの開催など、支援に努めていきたいと考えております。  なお、参加に至らなかった集落につきましては、国に対して、その状況を説明し、より一層、県内の広い範囲で取り組めますよう働きかけてまいります。  また、環境こだわり農業につきましては、要件を満たせず、国の制度を活用できない取り組みが約1,300ヘクタールございます。これらの取り組みにつきましては、2年間、県単独で支援を行うこととしておりますが、できる限り国の制度の対象となるよう、市町と連携をしつつ、関係集落に働きかけてまいりたいと考えております。  県といたしましては、農地や農業用水などがきちんと守れて、人も生き物も元気で、自然豊かな、心安らぐ、持続可能な農業、農村の実現を目指し、本対策を有効に活用していただけるよう、積極的に推進する所存であります。 ◎教育長(斎藤俊信君) (登壇)教育問題についての御質問にお答えいたします。  まず、学校におけるいじめの実態についてでございますが、昨年11月に県内全公立小中学校および県立学校の教員を対象として、いじめの実態調査を実施いたしました。調査に際しましては、いじめだけでなく、いじめが心配されるものも含めて実施しましたところ、小学校で626件、中学校で501件、県立学校で80件の、合計1,207件の報告がありました。その後、本年の3月にも同様の調査を実施いたしましたが、新たに懸念される事例や、指導によって解決に至った件数を相殺いたしまして、引き続き注意を要する事例が683件ございました。  この調査は、いじめが心配されるものも含めまして、いわゆる総ざらい的にチェックいたしました本県独自の調査でありますが、これらの結果からも、半減してはいるものの、いじめは依然として大きな課題の一つであると受けとめております。  次に、早期発見、早期対応についてどのように取り組んできたのか、また、その成果はどうであったのかとのことでありますが、各学校では、担任が中心となって積極的に子供たちに声かけや個別面談を行うとともに、日ごろから保護者との連携を緊密に図ることにより、子供たちの小さなサインも見逃さないように努めております。  一方、県教育委員会といたしましても、担当指導主事などが県内すべての教育委員会や県立学校を訪問し、早期発見のための体制づくり等について徹底した指導を行うとともに、昨年11月には、いじめ対策チームを立ち上げ、いじめの早期発見のための方策やいじめ問題の対応策について、子供や現場の声を生かしながら取り組んでいるところであります。  また、いじめは、子供たちにとって身近な人には相談しづらいという傾向がうかがえますことから、昨年末には、夜間も相談できる子どもナイトダイヤルを開設し、24時間、いつでもいじめの電話相談ができるようにするとともに、学校や教育委員会との連絡体制を整えるため、本年度から学校いじめ対策コーディネーター1名を配置し、迅速な対応が行える体制を強化したところでございます。  さらに、本年度は、警察官OBと教員OBの2名をいじめ緊急特別指導員として委嘱し、いじめが発生した場合、緊急にその学校へ赴き、いじめの早期解消に向けた支援に当たれる体制も整えたところであります。  このように、さまざまな施策に創意工夫を重ねながら必要な対応を講じているところであり、こうした取り組みの成果によりまして、いじめは、先ほど申し上げましたように、全体的には減少傾向がうかがえます。  最後に、いじめ撲滅に向けての決意でございますが、私は、いじめは絶対に許されない行為であり、何としてもなくさなくてはならないと強く思っております。そのためには、いじめを絶対に許さない、いじめられている人を守り通すという姿勢を教員みずからが示し、子供たちや保護者に向かって力強く宣言することが大切だと思い、校長会等を通じて、そのことを訴えてまいったところであります。  また、地域の目でも子供を見守り、地域で子供を育てる機運が高まるよう、家庭や地域にも強く働きかけ、学校、家庭、地域が一体となって、いじめのない明るい教育環境づくりに努めていきたいと考えております。  次に、不登校児童生徒の状況と対策についてでありますが、本県の不登校児童生徒数は平成14年度をピークに毎年減少しており、全国の状況と同じ傾向であります。しかしながら、平成17年度の児童生徒数は1,743人に上り、小中学校での不登校児童生徒の在籍率は依然として全国平均を上回っておりまして、大きな課題の一つととらえております。  具体的な対応策といたしましては、子供たちと年齢の近い大学生を学校や家庭に派遣し、不登校児童の話し相手や勉強相手となることで問題の解消に向けた大きな成果を上げ、全国的にも注目されております本県独自のスクーリングケアサポーター事業や、子供や保護者の悩みの相談に応じる小学校オアシス相談員派遣事業、さらには、小学校や県立学校に臨床心理士などを配置するスクールカウンセラー配置事業等に加え、本年度から新たに訪問指導員として、引きこもりの傾向にある子供の家庭を訪問するなどの取り組みも始めたところであります。  また、学校内において不登校対応の中心となり、コーディネーターの役割を担う教員を養成する研修や、小学校5校、中学校10校に、別室の指導に当たる専任教員を置き、教室復帰に向けた個別の支援を充実させるなどの取り組みを進めております。  次に、本県における虐待等を背景にした不登校との関係についてでありますが、本県では不登校は減少傾向を示しておりますものの、保護者の教育に関する無理解、無関心といったネグレクト等の虐待による長期欠席児童生徒が増加しておりまして、客観的な分析は十分できていないものの、こうした状況の中では不登校との相関関係も一定程度の推測ができるのではないかと考えております。  このような状況を踏まえた対策についてでありますが、不登校や長期欠席の原因を本人の心の問題としてとらえるだけではなく、その子を取り巻くさまざまな環境にも目を向け、専門的な視点での分析も必要であると考えております。  そこで、昨年度より全国に先駆けて、県内小学校20校で社会福祉士などのスクールソーシャルワーカーの協力を得て、子供を取り巻く環境の調整、改善を図り、不登校を解消するといった取り組みを実践的に展開しております。この取り組みにより保護者の意識が変わり、そのことで子供の昼夜逆転の生活が一変し、ついには学校復帰が果たせたという例もあり、その成果を受け、本年度は対象校を40校に広げて実施しているところでございます。  もとより教育におきましては、人間としてどう生きるのかといった生き方の根っこを考える教育が何より重要でありますことから、学ぶことの喜びや知ることの喜びが得られる授業、自然のすばらしさや仲間とともに取り組む感動体験や人間関係づくりなどが、いじめや不登校の未然防止につながるものであると考え、学校のあらゆる教育活動においてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、教員の人材確保についてお答えいたします。  まず、近隣府県が教員の大量採用をしている中、本県が人材を確保していけるのかとのことでありますが、昨年度、特に小学校教員の定年前退職が多数であったことや、35人学級を小学校3年生へ拡大したことにより、臨時講師で対応していた人数を専任化する必要があるため、来年度の採用予定数を大幅にふやしたところでございます。このため、一定の志願者倍率による選考のもとで優秀な教員を確保するためにも相当数の受験者を確保する必要がありますことから、できるだけたくさんの教員志望者に応募いただきますために、募集要項の発表時期や出願の受け付け開始時期を早めたり、県内はもとより各県の教員養成の大学に出向いて採用説明会を開催し、滋賀の教育のよさをPRするなど、受験者の確保に努めているところでございます。  また、優秀な人材をできるだけ幅広く確保し、即戦力として活躍願うため、教諭経験のある人の受験年齢の上限を40歳から45歳まで引き上げますとともに、他府県で3年以上教諭として活躍しておられる方には採用選考試験の一部を免除するなど、多様な人材確保に努めているところであります。  次に、採用する教員の質が低下しないかということでございますが、教員採用試験に当たっては、特に人物重視の観点から、滋賀の教員としてふさわしい人材を十分見きわめて選考してまいりたいと考えております。また、本県教員の年齢構成からも、今後退職等に伴う相当数の採用が見込まれ、教員を目指す有能な人材を早期に確保していくことが必要でありますことから、本年度より、大学生や大学院生を対象とした「滋賀の教師塾」を開設することといたしました。これは、本県で教師になりたいという意欲と情熱を持った学生に対して、実践的指導力や教師観を身につけるための多様なプログラムを用意し、まずは本年度100人程度を募集し、本年10月に開校いたします。あわせて、教職を目指す近隣の大学の学生が学校現場での実践を通して、さまざまな教育課題に対応する力をつけていただくため、スクールサポーター派遣制度の仕組みも整えてまいりたいと考えております。  また、採用いたしました後につきましても、まず初任者研修から始まり、本県独自の2年次研修、5年、さらに10年経験者研修により、指導力の向上に努めているところでございます。  すぐれた教員の人材確保につきましては、子供たちに質の高い滋賀の教育を提供できる十分な環境を整える上で非常に大切な課題でありますので、今後、教員を養成していただく大学とも連携を強めながら、滋賀の教員としてふさわしい人材の確保、養成を図ってまいりたいと考えております。  次に、特別支援教育についての御質問にお答えいたします。  まず、障害のある児童生徒の現状についてでありますが、県内の特別支援学校14校に在籍する児童生徒数は、この5月1日現在1,476人であり、10年前と比較しますと約1.7倍となっております。また、小中学校に設置されています特別支援学級の児童生徒についても、この5月1日現在の在籍数は1,763人で、10年前と比較しますと約1.9倍となっています。このような特別支援学校や特別支援学級の児童生徒の増加は、全国的な傾向であります。  さらに、小中学校の通常学級には、これまでから発達障害のある児童生徒が在籍しておりましたが、法改正によりまして、本年4月より新たに特別支援教育の対象となりました。この発達障害のある児童生徒は、昨年9月の調査で、県内には4,430人が在籍しているとのことであり、小中学校に在籍している児童生徒の3.52%となり、各教室に1人か2人が在籍しているということになります。  次に、このような現状から、どのような対策を進めているのかとのことでございますが、施設面におきましては、特別支援教育の現状を踏まえ、現在肢体不自由の八幡養護学校を知的障害との併置とし、野洲市に新築移転するとともに、知的障害の八日市養護学校を改修し、肢体不自由との併置として、いずれも平成20年4月に新たにスタートいたします。あわせて、軽度の知的障害のある生徒につきましては、職業自立を目指し、高等養護学校を、昨年度開校した長浜高等養護学校に次いで、本年4月に甲南高等養護学校を甲南高校に併設する形で開校いたしました。また、ほとんどの授業を通常の学級で受けながら、障害の状況等に応じた指導を行う通級指導教室は、発達障害の児童生徒にとって、その果たす機能は大きいことから、今年度、4つの教室をふやしまして、29教室を設置しております。  特別支援教育の対象者が広がったことで、これからの特別支援教育は、従前のように小中学校の担当教員だけが行うということではなく、すべての教員が行うこととなり、学校全体で進めていくことが必要であります。このため、校長のリーダーシップのもと、校内委員会を設けて、全教職員が支援のあり方について情報を共有し、協力し合い、学校全体としての対応を進めるため、現在、校内での連絡調整の役割を担う特別支援教育コーディネーターの養成研修を進めております。  また、対象の児童生徒の個別の指導計画を作成し、全教職員が児童生徒の特性を理解し、継続的に学校全体としてきめ細かな指導を行うことが大切であることから、個別の指導計画の作成方法や活用についても研修を実施しております。  県としましては、本格的な特別支援教育のスタートに当たり、県内14校の特別支援学校がそれぞれの地域における各種の相談や研修を支援するセンター的機能を発揮し、市町との連携の上で、すべての学校で対象児童生徒に、より一層きめ細かな対応ができるよう取り組んでまいります。 ◎警察本部長(安森智司君) (登壇)初めに、着任に当たっての所信について御説明いたします。  私は、5月10日付で警察本部長に就任いたしました。琵琶湖と周囲の山並みなど、まさに山紫水明と言える自然環境に恵まれ、歴史と文化にはぐくまれた滋賀県のために仕事ができますこと、大変光栄に思っております。と同時に、治安維持の責任者として、その責任の重大さに身の引き締まる思いであります。  滋賀県警察におきましては、県民の期待と信頼にこたえる力強い警察を運営指針に掲げ、総力を挙げて、安全、安心の滋賀実現を目指しておりますが、それを進めるに際しましては、何より県民の目線で実直に仕事をし、その期待、信頼にこたえなければならないと考えております。  議員御指摘のとおり、平成15年に「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり条例が制定され、行政、企業、県民が一体となった犯罪抑止活動を行ったことにより、刑法犯の認知件数がピーク時に比べ4割減少いたしました。まさに県民の理解と信頼、そして、協力をいただければ非常に大きな力になることを実証していると思っております。同時に、力強い警察も必要であると考えます。この力強さには、悪に対する強さ、正義の体現、さらには、弱者への優しさなど、いろいろな意味が含まれておりますが、特に、悪に向かっていささかもひるまない力強い警察は、県民の強く求めるところであろうと考えております。現在の県内における治安状況から見ると、治安再生の曙光が見え始めたとはいえ、県民が治安の回復を実感できる水準には至っていないのが現実であろうと思われます。県民の目線に立ち、犯罪抑止のための力強い警察活動を推進し、我々の世代だけでなく次の世代にも安全、安心の滋賀を残してまいりたいと考えております。  次に、犯罪情勢と犯罪抑止に向けた取り組みについての御質問にお答えいたします。  昨年は刑法犯認知件数をアンダー1万7,000件と目標設定し、県民総ぐるみによる犯罪抑止活動に取り組んできたところでございますが、達成に至らなかったことから、本年も再チャレンジとしてアンダー1万7,000件を目標に設定したところでございます。  犯罪情勢は、10年前と比較して、凶悪犯は約1.4倍、議員御指摘の来日外国人犯罪の検挙件数も19倍と増加しており、また、刑法犯認知件数は、先ほど申し述べましたように減少傾向にあるものの、質的には、忍び込み等の侵入窃盗の増加、コンビニ・路上強盗などの凶悪犯罪の発生は高原状態にあるなど、県民の体感治安の改善にはまだ至っていないという状況にあると認識しております。  そこで、県警といたしましては、次の取り組みにより犯罪抑止を推進したいと考えております。  その1つは、各警察署におけるアクションプログラムの設定に基づく抑止活動の推進であります。これは、犯罪情勢に基づきパトロールの強化、検挙活動の推進を中心として、各所の実情に応じた犯罪抑止対策を講じる活動でございます。  取り組みの2つ目は、地域住民や自治体等関係機関との連携による犯罪抑止活動の推進であります。県下の自主防犯活動団体は、現在161団体結成されております。実に1万5,000人余りの方が安全活動に携わっていただいておりますが、機会あるごとに警察もこういったボランティア団体の方と協働しての防犯パトロールや、子供の見守り活動等を実施しているところでもあります。さらに、防犯アドバイザー3人を配置して、安全なまちづくり活動に対する助言、指導と地域防犯活動に対する支援を実施しているところであります。  取り組みの3つ目は、犯罪情勢の発信活動であります。警察本部では、県警ホームページに、路上強盗、ひったくり、空き巣、声かけ事案等の発生状況を、犯罪発生マップとして掲載しているほか、携帯電話により犯罪発生状況を提供できる犯罪発生マップシステムを運用しております。また、県との協働により、「なくそう犯罪」防犯情報メールで、強盗事件やひったくり等の犯罪情報をあらかじめ登録している方々の携帯電話に提供するなど、発信活動を推進しております。  昨年12月に内閣府広報室が治安に関する国民の意識調査を実施して結果を公表しておりますが、その中で、警察に特に力を入れて取り締まってほしい犯罪はという問いに対しまして、殺人、強盗などの凶悪な犯罪と答えられた方が63.6%でありました。この結果からも、今後は県民に身近な乗り物盗などの街頭犯罪の抑止は当然のことながら、県民に強い不安を感じさせている凶悪犯罪の予防、検挙という、質の面をより充実させた犯罪抑止活動が必要と考えているところであり、引き続き、県、市町との連携により県民総ぐるみによる活動をより充実させ、犯罪の抑止に向けて努力してまいる所存であります。  最後に、犯罪抑止の観点からの警察署統廃合および駐在所の統廃合、交番化についての御質問にお答えいたします。  まず、警察署の統廃合につきましては、さきの市町村合併に伴い、行政区域と警察署の管轄区域の不一致から生じる問題を解消するとともに、警察力の集約化による体制強化と再配置による効率化を図るために行ったところであります。  また、駐在所の統廃合による交番化につきましては、夜間における事件、事故の増加に対応するための体制強化、地域住民からの交番設置要望等の対応を目的として、本年3月に県内3エリアの9つの駐在所を統廃合し、24時間体制の3交番を新設したところであります。  今後の警察署のあり方につきましては、犯罪や事故の発生状況、市町合併の動向、さらには、警察署が設置されている地理的な必要性など総合的な観点から検討してまいりたいと考えております。また、交番、駐在所につきましては、地元住民の方々の意向を踏まえながら、真に駐在所の必要な地域あるいは交番の必要な地域を慎重に見きわめつつ、統廃合について検討してまいりたいと考えております。 ○議長(出原逸三君) しばらく休憩いたします。   午後0時44分 休憩    ────────────────   午後1時32分 開議 ○議長(出原逸三君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、41番西川勝彦君の発言を許します。 ◆41番(西川勝彦君) (登壇、拍手)民主党・県民ネットワークを代表して質問をします。  4月に行われました滋賀県議会議員選挙では、時代の流れとしての大きなうねりを感じさせられることとなりました。いわゆる「対話の会」からの公認・推薦を受けた方々の当選や、私たち民主党公認・推薦候補の躍進が県政の流れを大きく変えました。滋賀県民の思いがそれを望み、投票行動につながったものだと思います。そして、5月11日の臨時議会では、長い県政の歴史の中で初めて自由民主党系ではなく民主党籍を持つ出原議長を誕生させることができました。  出原新議長におかれては、わずか1票差で当選した議長ということで心労も大きいかとお察ししますが、県民にわかりやすい政治、開かれた議会を目指し、議会改革をしていくという初心を忘れず、頑張っていただきたいものであります。  滋賀県や滋賀県議会が抱える諸課題については、一生懸命訴え、議論をすることによって、必ず道は開け、解決するものと確信しています。出原議長選出の後、図らずも会派代表を仰せつかることになった不肖私、西川勝彦はもちろんですが、議長出身会派の一員として、我が会派のメンバーは全員一丸となって議長を支える決意であります。  さて、民主党公認、推薦で選挙を戦った私たちは、まず、議会改革を訴えてきました。この任期の間、県民にわかりやすい政治、開かれた議会を目指し、議会改革に取り組んでいきます。また同時に、「子育て環境日本一宣言」と銘打ったマニフェストを提示し、県民皆さんに訴え、支持をお願いしてきました。この4年間にそれらの施策を実現すべく、県当局に対して政策提案を重ねながら頑張ってまいります。  そういう観点から、また、二元代表制の中で知事や県当局とは、是は是、非は非の立場で、子や孫の時代を見越した県民福祉の向上に努めてまいります。そのことこそが議会を活性化し、滋賀県を滋賀県らしくするものと考えます。今後とも御理解、御協力、御支援をお願いし、質問に移ります。  まず、行財政改革の取り組みについて、知事および関係各部長に質問します。  平成19年度県政運営の基本方針の中で、開発を基本として量的な拡大を目指す社会から、生活の質的な向上に重きを置いた成熟社会へ移ってきているとの認識が示されています。量から質へ、成長から成熟へということはかねてから言われてきましたが、環境や資源、エネルギーの面から、人類の生存のための地球の限界が実感される時代を迎え、従来の成長路線からの大きな転換が余儀なくされています。県民が知事選挙において、「もったいない」という生活哲学を掲げた嘉田知事に多くの共感を示し、また、今回の統一地方選挙においても、その方向性に対して支持が集まりました。まさに時代の大きな転換期にいることを多くの県民が実感していることを示しているものと考えます。今こそ国も地方も行財政運営のあり方について大きく変革することを迫られており、そのことを改めて感じさせられたところであります。  さて、本県では今年度、新しい行政改革の方針策定と新しい財政構造改革プログラムの策定が予定され、来年度からの新たな行財政改革の推進を実施するとされています。質的な豊かさを求め、高度化、多様化する行政への県民ニーズが拡大する一方で、国も地方も、それにこたえるための財政事情は極めて厳しい状況に置かれています。こうした中で、知事は、任期中において目指している本県の行財政はどのような姿であるべきと想定されておられるのかを、まず伺います。  江戸時代が260年以上続いた要因の一つは、徹底した地方分権、住民自治という、小さな政府とも言うべき制度にあったと言われています。こうした小さな政府、そして自律型社会により、政府に頼らず自分たちの力で身の丈に合った豊かさを求めるというのも一つの選択です。他方、人々に必要な負担を求めながら、政府が積極的に人々の求める豊かさの実現のために機能するという姿も一つの選択です。  いずれの方向を選択するにしても、現状を変えることには非常に大きなエネルギーを必要とします。転換期にふさわしい思い切った行財政改革を進めるためには、知事が明確な目標を指し示すことと、強いリーダーシップ、そして、地方政府の役割と行財政の現実の姿を県民と共有することが必要であると思いますが、知事に、新たな行財政改革への基本的考えについてお伺いします。  さて、鳴り物入りで行われた今回の施策・事業仕分けですが、目標を掲げないまま要不要の検討をしたため、期待されただけの結果が出なかったように感じます。本来ならば、歳入を常に念頭に置きながら、望ましい施策の優先順位を考えるべきであると思いますが、知事のお考えを伺います。  さきにも申し上げましたが、行財政改革を進めるためには、地方自治の現状、現在の滋賀県の行財政の事情を県民と共有することが大切です。また、新たな行財政改革においては、これまで以上に大胆な取り組み方策についての検討も必要と思います。そのためには、県下各地での住民討論会や、インターネット等を活用した電子会議室の活用、また、大胆な改革案を積極的に採用するなど、県内外の知識や見識の結集を図り、改革に向けて県民を巻き込んだ思い切った取り組みを進める覚悟が必要だと思われますが、知事の御所見を伺います。  次に、新財政構造改革プログラムの策定についてお伺いします。  平成19年度予算は、県税収入は伸びているものの、非常に厳しい歳入の状況となっています。そのような中で、辛うじてプライマリーバランスは確保したものの、退職手当債や建設中の施設整備に係る事業費、また、義務的経費などの増加により予算規模も前年度を上回り、県債残高も増加する結果になっています。来年度以降、県税収入が今年度と同様、また、それ以上の伸びが期待できる保証はなく、ここ当分の間の退職手当の増加などを考えると、本県の財政状況は余り明るい展望が見出せないと考えられます。  そこで、本県の財政状況の認識について、総務部長に伺います。
     財政構造改革プログラムは今年度中に策定し、平成20年度から新たな行財政改革の推進を始めることとされていますが、通常、次年度の予算編成は、毎年10月ごろの予算編成方針の発表から、その作業が始まります。となりますと、10月までには新しい財政構造改革プログラムの策定のめどがついている必要があると考えられ、現時点からですと、作業期間は4カ月程度しかありません。このような短期間のうちに抜本的な財政構造改革プログラムの策定が可能なのでしょうか。その策定スケジュールおよび作業内容について、総務部長に伺います。  入るをはかり、出るを制すというのは財政運営の基本でありますが、入るをはかるには困難が多い中で、まず出るを制すことに全力を傾注しなければなりません。本県においても、今日までさまざまな歳出の見直しの努力が重ねてこられました。しかし、今まで以上の改革を進めようとすれば、むしろ歳出削減に向けた具体的な数値目標や、歳出削減の方策についての明確な戦略を提示するという従来のボトムアップ型の歳出見直しのやり方ではなく、トップダウン型の見直しが不可欠ではないかと考えます。知事の、歳出削減についての基本的な考え方をお尋ねします。  また、入るをはかることは難しいとはいえ、これからの地方自治体が必死に知恵を出す必要のあるテーマであると考えます。平成19年度においても、歳入確保のための企業誘致策の取り組みが予算化されていますが、新たな歳入確保の戦略づくりをどのように進めておられるのか、総務部長にお尋ねします。  滋賀県においては、県税収入は伸びているものの、地方財政計画による地方交付税の減少により、結果的に厳しい歳入状況になっています。地方交付税が歳入に占める割合が高いという我が国の地方財政において、地方交付税をどのように財政構造改革プログラムの中に組み入れるかは非常に難しい問題ですが、総務部長の考え方を伺います。  次に、財政健全化と新たな基本構想についてお伺いします。  滋賀県の長期計画は、高度経済成長が始まったころの全国総合開発計画を受ける形で策定されてきました。この全国総合開発計画が一つの時代的役割を終える中で、長期計画、基本構想と呼ばれるものも、その役割を変化させつつあると思います。生活インフラや生産インフラの整備に重点が置かれた時代にあっては、計画の方向も、大規模な公共投資に向けられがちでした。しかも、形あるものをつくるということで、その政策効果の判定もわかりやすいものがありましたが、人々のニーズの多様化する時代における基本構想に対しては、今までとは違った形でのさまざまな期待があります。  こうした中で、量的拡大から質的向上へと変化する中での基本構想の役割というものを、知事はどのようにとらえておられるのか、これまでの基本構想とはどのような違いがあるべきとお考えなのか、お伺いします。  基本構想は、既に昨年11月に審議会が設置され、今年度後半の策定に向けて作業が進められていると伺っています。一方で、総務部長にお尋ねしたように、新しい財政構造改革プログラムの策定は、まだ策定スケジュールが公表されていない状況です。しかし、財源的裏づけ、財源の見通しを伴わない基本構想というものは考えられません。どれほど魅力的な構想であっても、それを実現していくためには予算的裏づけ、財源見通しが必要です。基本構想策定において財政とのリンクはどのように考えておられるのか、基本構想の進捗状況とあわせて、政策調整部長に伺います。  次に、新幹線新駅問題について、知事に質問します。  昨年の7月議会で知事は次のように述べておられます。新幹線新駅につきましては、限りなく中止に近い凍結の方向に県民の意思が示されたという選挙結果を厳粛に受けとめ、その実行に向けて取り組ませていただきますと表明されるとともに、関係者との対話を尽くし、凍結に向けて合意を図るという方向性を示されました。9月には、地元栗東市への現地訪問や関係者との話し合いを経て、促進協議会正・副会長会議を設置されました。さらに、新駅の需要予測や経済波及効果、税収予測、法的責任の範囲等について具体的な数値を示されました。また、昨年末には、本年3月末までに今後の進め方について地元合意に至らない場合、または新駅設置工事を中止することとなった場合は、平成19年3月末をもって工事費の清算を行うという条項が盛り込まれた覚書について合意がなされました。ただし、本年2月に栗東市長の要望もあって、地元の最終判断の期限を10月末までJR東海に延期してもらうようになりました。  平成19年度滋賀県当初予算には、新幹線新駅設置工事費負担金が盛り込まれず、また、JR東海が3月末をもって現地の工事体制を解除された今、県として栗東市や周辺関係市、土地区画整理事業に関係する238名の地権者、県民初め、多くの関係者に対する説明責任を果たす必要があります。  去る4月23日の正・副会長会議において、地元での協定類の履行の諾否の期限は10月末、協定類を履行することで合意すれば、開業時期や費用について協定を修正する。中断や凍結を含む、いわゆる中止で合意した場合は、その時点で協定類履行の合意に至らなければ、10月末で協定類は終了するという覚書の内容について合意し、翌24日に締結されています。  しかし、地元栗東市では、現在も推進の立場を崩さず、来る6月9日には新幹線(仮称)南びわ湖駅早期開業推進協議会の通常総会が予定されており、同時に、若手経営者を中心に新駅誘致に向けての寄附金募集を続けておられます。一方、昨年10月の栗東市長選挙、この4月に行われた滋賀県議会議員選挙、栗東市議会議員選挙の結果を見たとき、地元ですら市民の民意は二分されているようで、凍結中止を望む人と推進を掲げる人がほぼ拮抗した状況にあります。  現実問題として、起債に対する裁判の流れなども、推進側には向かっておらず、今後は凍結への決断をだれがいつするかにかかっているように感じます。このことを見るとき、知事の、あくまでも関係者の合意による凍結を実現するの一言のみで軟着陸ができるのか、懸念されるところであり、促進協議会会長としてどのようにこの問題に対応していかれるおつもりなのか、知事にお伺いします。  地元栗東市民および地権者のいろいろな経済的損失と精神的不安を払拭する必要があります。10月末を待つだけでなく一日も早く解決することが、関係者にとってもよりよい対応となるはずです。そのためにも、県は栗東市とともに早急に地域振興策を含めた新駅凍結後の具体的利用方法を検討し、あわせて新駅にかわる県南部地域の活性化への中長期的ビジョンなどを示すことが必要です。現段階での具体的対応について、知事に伺います。  次に、農政問題について、農政水産部長に質問します。  戦後60年余りが経過し、国民の豊かさは食の面にも及んできています。世界では食にありつけない飢餓状態の国がある中で、日本では飽食の時代となり、食べ残しによる食品廃棄物も年々増大してきています。これこそまさにもったいないということではないでしょうか。一方で、中国からの、基準値を超える残留農薬が検出される野菜の輸入や、今も安全性についての議論がある遺伝子組み換え作物の輸入など、海外からの食料の安全性に対する消費者の不安がさらに拡大している状況にあります。  加えて、中国が食料輸出国から輸入国にかわった今、国際的にも大きな変化が起こり、日本の食料事情は今後深刻になっていくことが予測されます。現在の日本の食料自給率40%の状況では、将来世代における食料の確保の面からも安心できる状況ではありません。今後ますます日本の農業は大きな方針の転換を余儀なくされることとなります。  農業政策の抜本的転換と言われる品目横断的経営安定対策の運用が今年度から始まりました。この品目横断的経営安定対策の最大のポイントは、面積要件によって担い手を絞り込み、経営規模拡大、構造改革を強力に推進しようとするところにあります。しかしながら、担い手の対象から外れた小規模農家などを考えたとき、補助金の対象外となることから、今以上に耕作放棄地がふえるのではないかとの懸念もあります。このことについての認識を、農政水産部長に伺います。  また、集落営農は将来的に法人化を目指すこととなっています。今回の集落営農組織の発足では、品目横断的経営安定対策に対応するために急づくりとも言える状況となっています。また、その多くが、集落に従来から存続している農業組合組織が母体となっており、そのリーダーの多くは兼業農家の方々が担っています。ボランティアとして経理の一元化等に対応しているのが現状で、法人化に向けて中心的に担っていくはずの後継者の不足が現実問題としてあります。  集落営農の組織化とあわせ、法人化に向けてのリーダー養成への県の対応について、農政水産部長に伺います。  品目横断的経営安定対策は、担い手を認定農家や集落営農に絞り込み、農地の集積化を進めるもので、そのことが結果として農業従事者を減少させることとなります。このことから、経営安定対策と車の両輪として、国では農地・水・環境保全向上対策を、本県ではさらに、環境保全活動に子供たちが参加することを奨励するなど「世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策」として進めており、農地や農業用水などの維持、保全を集落ぐるみで行っていこうという趣旨です。  しかしながら、農業従事者が減少する中で、思いは理解できるものの、事務手続の煩雑さもあり、非農家の協力が不可欠でもあります。さらに、用排水路の改修など、多額の費用を必要とする時期を迎えている施設も多くあります。大規模な改修となれば、耕作者と地権者に費用負担をお願いしていくなど、多くの理解と協力が必要になります。  こうしたことへの対応について、県としてはどのように考えておられるのか、農政水産部長にお伺いします。  次に、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題について、知事ならびに琵琶湖環境部長に質問します。  知事は昨年7月の県議会所信表明で、廃棄物行政について、「私は、21世紀のこれからの大きな課題である環境問題、ごみ問題については、ごみゼロ社会を目指して取り組んでまいりたいと考えております。物を大切にし、廃棄物の排出を少なくするような行動が実践される社会、言いかえると、「もったいない」を生かす社会に変えていきたいと思います。栗東市の民間処分場につきましては、県としての役割を踏まえ、国の支援を得ながら、栗東市や地元住民の皆さんと十分協議を進めつつ、地元の皆さんの御了解の得られるような問題の解決に当たります」と述べられました。  現在の廃棄物処理計画に新たに資源化のための施策を位置づけた大いなる見直しと、循環型社会の構築に向けての宣言は、7年半にもわたってアール・ディエンジニアリング最終処分場問題にかかわった多くの県民や栗東市民を中心に、近隣住民、地域住民にとって、解決に向けての一筋の光が見えた瞬間でした。  以来、最終処分場特別対策室を設置し、専門部会を含めた対策委員会を中心に御苦労をいただいており、そのことに関しては一定評価をしています。ただ、現在に至っても、処分場の管理主体を含めた根本的な解決に向けての対応策が見えてきません。  そのような中、先月には、国の基準の280倍もの総水銀や鉛、砒素などが検出され、住民の不安は日々募るばかりです。このことに対し、緊急対策と同時並行的に恒久対策についての議論を至急に進めるべきであると考えますが、現段階での現場での対応状況も含め、琵琶湖環境部長に伺います。  対策委員会で明らかになったPCB検出の問題について、処分場の土壌が汚染されていると判断されれば、改善計画の策定から実作業まで、それに要する時間と労力、そして、その費用は莫大なものが予想されます。県として、現時点でこの問題についてどのように考えておられるのか、琵琶湖環境部長に伺います。  アール・ディエンジニアリング最終処分場問題は、問題の発生から現在に至るまで、さまざまな課題を抱え、これらの課題を早急に解決していかなくてはなりませんが、どのように対応しようとされているのか、知事に伺います。  また、我々が周辺住民に聞き取り調査をしたところ、問題を起こしたアール・ディエンジニアリング社の責任は明確化されていないという意見が寄せられています。県は、企業責任を追及する際に、当時の排出業者や元従業員からの聞き取りを含めて、その内容について住民に明らかにしていくべきだと考えますが、知事のお考えを伺います。  次に、医師の確保対策について、健康福祉部長に質問します。  過疎地を初めとした地方での医師不足は以前から深刻な問題でした。加えて、数年前から地方中核地域や都市部でも医師不足が指摘されてきました。ただし、それもすべての診療科に関してではなく、小児科と産科に限ったものでした。その原因として、子供の病気や分娩などには不測の事態が発生しやすく、医療事故につながりやすいことなどから、そのリスクを避けたいという意識がある一方で、十分な診療報酬を受けにくいという現実があります。つまり、小児科や産科は、煩わしくリスクも大きいのに報われにくいということになります。  さらに、ここ二、三年で急速に医師不足が深刻化してきた理由として指摘されているのが、2004年に改正され、スタートした、大学医学部の研修制度です。それまで、医学部を卒業した研修医は、各大学医学部に所属して、まず附属病院で研修を受けた後に一般医療機関に派遣される形でありました。研修医を管理する医局、教授などの権限で、批判はあったものの、各地域の医療システムを破綻させない役割を担ってきました。ところが、医師研修制度が改正され、研修医は自分の意思で研修場所を選択することが可能となり、大学病院だけでなく一般の医療機関でも研修が受けられることとなりました。そうなると、当然ながら、研修医の多くは、収入が多く、医療環境のよいと言われる中央の有名病院に集中し、収入も少ない大学の附属病院で研修を受ける医師が減ってしまいました。その結果、大学病院の医療が成り立たなくなるところも出始め、大学が各地の派遣先病院から医師を呼び戻すという現象が起こり、たちまち地域の中核病院での医師不足が顕在化し、残された中堅の医師に負荷がかかり過ぎることとなりました。  開業などの形で医療機関から医師が離れ、結果的に中核病院は次々と診療科を減らし、病院自体が閉鎖に追い込まれる例も全国的には幾つかあります。医師不足によって実質稼働していない診療科を持つ病院もふえてきているようですが、本県の実態について、健康福祉部長に伺います。  こうした背景から、国では、診療報酬の見直しや拠点病院からの医師派遣、医師確保法の制定など具体的な検討が行われています。一方、滋賀県においても、滋賀県地域医療対策協議会において種々検討が行われ、総合的な医師確保対策として医師確保システムの構築、魅力ある病院づくり、女性医師の働きやすい環境づくり、積極的な医師の養成、働く意欲を引き出す職場環境整備などの事業が予定されており、今6月定例議会に医師確保総合対策事業費の補正予算が提出されたところです。  医師の養成ならびに確保は、一朝一夕にできるものではなく、相当の時間を必要とするものであることは十分理解できますし、そうだからこそ、一日も早い対応が求められることになります。病気やけがはいつどこで発生するのか、予見することは難しく、発生してからの時間経過が生死を分け、あるいは回復への勝負だと言われています。今回の対策は、いずれも相当の時間を要するものであり、医師の減少傾向が著しい地域の県民にとっては実に深刻な問題であります。命にかかわる地域間格差は絶対にあってはならず、即効ある対応策を講じる必要があると考えます。  今回、県が医師確保のための対応策をとられることについて、県の特徴的な対策も含め、健康福祉部長の所見を伺います。  次に、教育問題について、教育長に質問します。  教育関連3法案が衆議院を通過し、現在、参議院で審議中ですが、政府案は、教育再生とは名ばかりであり、この法案で教育現場がよくなるとは決して思えません。とりわけ、3法案の中の教育職員免許法改正案は、最も大切な教員の資質や能力の向上を図る養成課程には手をつけず、教員免許に10年間の有効期限を設け、10年ごとに30時間の免許更新のための講習を行うだけの内容であり、免許所持者のデータの維持管理など事務的負担だけでなく、講習の間の教師のやりくりなど、学校現場が疲弊するおそれがあります。教育長も、先月の定例記者会見でこのことに対する懸念を示されました。  また、他の2法案についても、その内容は、地方の教育現場を萎縮させ、国の統制だけを強めようとするものであり、地方分権時代に逆行しているのではないかという印象があります。今、教育格差の問題を初め、いじめや不登校、中途退学、未履修問題、学力低下など、学校現場にはさまざまな課題がありますが、こうした課題解決のためには、教員の資質・能力向上を図るための教員の養成課程や研修制度の充実を図ることこそが必要であると考えます。  さて、滋賀県では、「未来をつくる心豊かでたくましい人づくり〜みんなで支えあい自らを高める教育の推進」をテーマに、学校教育の推進や安全、安心な学校、地域づくりなど7つの分野で重点施策を推進されているところですが、学校現場を活性化し、学校教育力の向上を目指すためには、教職員に質の高い人材を確保するとともに、教職員の資質の向上を図るため、研修の一層の充実を図る必要があります。そして、心豊かな人づくりを進めるためには、教職員としての専門的な知識だけでなく、子供の関心や保護者のニーズなどを敏感に感じ取れる能力が必要と考えます。  こうした教職員の資質向上のために県として具体的にどのような取り組みをされているのか、また、現在の教育改革の議論を踏まえて、今後どのような取り組みをされるのか、さらに、今後、教職員の退職補充や35人学級の実施に伴い新規に採用する教職員の数も多くなることが予想されますが、そのことも踏まえて、教育長の所見を伺います。  また、最近の傾向として、義務教育の期間中に多くの児童生徒が塾通いをしているという現状があります。その結果、学習塾に通わせることができる家庭の子供と通わせられない家庭の子供の間に学力の差ができる、つまり所得の格差が教育の格差につながるようなことがあってはならないと思います。塾通いをしなくても、すべての子供に確かな学力が身につくように教育の機会均等を保障できる質の高い公的な教育体制の整備が必要であります。塾通いの状況が子供たちの学力を大きく左右しないためにどのような取り組みが必要であると思われるのか、教育長に伺います。  学校の教育力とあわせて家庭の教育力の向上が重要であるのは言うまでもありません。家庭は社会の基本的構成単位であり、親や保護者は家庭の中で基本的な生活習慣やしつけを身につけさせるとともに、思いやりの心、社会的なマナー、コミュニケーション能力などをはぐくんでいかなければなりません。しかし、家族形態の多様化やライフスタイルの変化により家庭の教育力が低下し、個々の家庭だけで家庭教育を担うことは難しくなっているという現実があります。また、昨今、ライフスタイルが夜型になっている傾向があることから、子供が朝食を食べずに登校したり、就寝時間が非常に遅い子供がふえているなど、子供たちの望ましい基本的な生活習慣を育成し、生活リズムを向上させることが急務となっています。これらの状況を踏まえ、家庭教育について、どのように考え、今後どのような取り組みをされていくのか、お伺いします。  学校の教育力、家庭の教育力に加え、地域の教育力の向上も大きな課題です。昨今、子供たちが地域の大人から伝統文化を学んだり、生活習慣や社会のルールを学ぶといった機会も少なくなってきているように思います。このような状況の中で子供たちが豊かに育つためには、地域の強力な支えが必要であり、それぞれの地域で大人から子供たちが学べる場や機会をふやすことが大切であると考えていますが、このことについての認識と具体的な取り組みについて、教育長に伺います。  次に、銃犯罪について、警察本部長に質問します。  この4月には東京都町田市で暴力団員が仲間の組員を射殺し、都営住宅に立てこもった事件がありました。また、選挙運動中の長崎市長が暴力団幹部に背後から銃撃され死亡するという衝撃的な事件も発生しました。そして、その恐怖がさめやらぬ中、5月には愛知県長久手町の住宅街で元暴力団組員が元妻を人質にとって自宅に立てこもり、自分の子供2人と警察官を撃ち、愛知県警特殊部隊員の巡査部長が銃弾を浴び死亡するという残念な事件が起きたばかりです。いずれも、庶民が普通に生活している町中で銃口を向ける事件であり、まさに安心・安全を根底から揺るがす事件であると考えます。  去る4月25日、政府は銃器対策推進本部会議を開催し、本年度の銃器対策推進計画では、銃器摘発体制の強化や取り締まり期間の連携強化、そして、水際対策としての的確な対応を掲げています。一方、銃器は国内で5万丁が違法に保管されていると推計されており、その実態が年々見えにくくなってきている現状にあります。警察庁からの取り締まりの徹底の通達にもかかわらず、銃器の押収量は減ってきているようで、このことは潜在するけん銃による脅威の高まりにつながっているものと言えます。  以下、警察本部長に伺います。  まず、本県における銃器による犯罪の実態ならびに違法に保管されていると予測される銃器などの状況について伺います。  また、潜在化、巧妙化、分散化する銃の取り締まりについては大きな御苦労があるかと推察しますが、こうした銃器の犯罪から県民を守るためにも徹底した取り締まりを望むものです。警察庁の通達を受けての本県での今後の対応について伺います。  一方、去る5月24日、宇都宮市内で2002年に起きた散弾銃殺傷事件をめぐる訴訟で、銃の所持許可の業務の不備が問われ、県への損害賠償の支払い命令がありました。猟銃による殺人事件も毎年起こっている中、全国で所持が許可されている猟銃は、2006年末現在で30万5,179丁となっております。法のもとにしっかりと判断され許される猟銃であっても、許可業務においては一層厳しい目を持つ必要があると考えます。本県の実態ならびに猟銃の所持許可についてどのような対策をとられているのかを伺います。  最後に、議員の口ききの文書化について、知事に質問します。  私たち民主党・県民ネットワークに所属している議員は、さきの県議会議員選挙において、びわこマニフェスト2007「子育て環境日本一宣言」と銘打って、県民の皆様に政策を提示し、子供を産み育てるなら滋賀県が一番と言っていただけるような県を目指したいと訴えてきました。このマニフェストの10の政策の中で、信頼される政治を目指し、議会改革の中でも議員の口ききの文書化を掲げました。議会と行政の不透明な関係に不信感が高まっている現状から、議員と行政との癒着や不正な口ききを排除することにより、議場外での議員と職員とのやりとりをガラス張りにし、閉ざされた議会を見える議会に変え、議会改革の一歩としたいと考えています。  本県では平成15年8月に、前県議会議員と当時の現職県議会議員がパチンコ店増改築の建築確認に絡むあっせん収賄の容疑で逮捕され、建築確認を不正に許可した県職員ら5人も都市計画法違反容疑などで書類送検されるという事件が発生しました。職員は職務の遂行に当たり、公正な職務の遂行を損なうおそれのある行為を求める要求に応じてはならないことが職員倫理規程に定められていますが、この事件の反省に立ち、適正な行政判断等を妨げるおそれのある外部からの執拗な要求等があった場合の対応方法についてルール化し、組織として公平、公正な事務処理ができるようにとの趣旨から、平成16年4月に、職務に関する働きかけについての対応要領が施行されました。  この要領では、対象者については特に限定するものではなく、職員以外の者としており、対象行為は、長時間にわたるもの、繰り返し行われるもの、威圧的な言動を伴うものとなっています。記録については、要求の内容を文書化し、原則として相手方の確認を求めるものになっており、この記録は情報公開条例にいう公文書として公開請求の対象となるものです。  この要領施行以来3年が経過していますが、今日まで記録票が発行された実績はゼロのようです。この実態についてどのように考えておられるのか、知事にお伺いします。  私たちは、議員から県職員への働きかけ、いわゆる口ききは、すべて文書として記録、保管し、公開すべきだと考えています。口ききすべてが悪いとは考えていませんし、よい口きき、すなわち建設的な提言があることも事実です。鳥取県では全国に先駆けて4年前から口ききの公開を始めています。その結果、やましい口ききはなくなり、よい口ききはどんどん議場でやるようになり、議会の議論が活発になったとも言われています。  滋賀県の現在の職務に関する働きかけについての対応要領には、対象行為を限定することや、文書化に際しては相手方の確認を求めるなど、現場の職員にとって非常に使いにくい内容になっており、抜本的に改善すべき課題があるものと考えますが、知事の所見をお伺いし、民主党・県民ネットワークの代表質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(出原逸三君) 41番西川勝彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)民主党・県民ネットワークの西川議員の代表質問にお答えをさせていただきます。  まず、行財政改革の取り組みについての5点の質問にお答えいたします。  1点目の目指すべき行財政の姿についてであります。  今後とも厳しい財政状況が見込まれる中ではありますが、福祉や教育、子供の幸せといった、県民の皆さんの生活や暮らしをしっかりと支えていける安定的な財政基盤を確立することが、まず大切です。それと同時に、社会経済情勢の変化に即応した新たな発想と工夫で、滋賀のさらなる活力を創出していけるような行政運営の仕組みを確立していかなければならないと認識しております。  次に、2点目の新たな行財政改革の基本的な考えについてでございますが、市町村合併の進展や地方分権改革に向けた動きなど、本県を取り巻く状況は大きく変化してきており、こうした時代の変化に的確に対応していくためには、地域や個人がみずからの役割を認識し、主体的に行動するとともに、さまざまな協働を図っていくことが重要であると認識しております。そのためには、県といたしましては、これまでのお任せ型県政から、過程が見え、かかわりが持てる参加・協働型県政に転換し、県民の皆さんの思いを十分に受けとめることのできる、対話と共感の自治を築いてまいりたいと考えております。  このため、今後の新しい行政課題に的確に対応するには、安定的な行財政基盤の確立が不可欠であります。そうした意味で、公債費という形で将来の世代の負担となる県債残高の増加を極力抑制することが重要であると考えております。  次に、3点目の事業仕分けに関する御質問にお答えさせていただきます。  今回実施いたしました施策・事業の仕分けにつきましては、個別の事業自体の趣旨や目的、内容に着目し、事業の必要性や適切な実施主体、効果的な実施手法等の観点から整理していただいたもので、県の政策方針や実施主体の財政状況等からの施策の優先順位づけまでは御判断いただいておりません。仕分けの結果とともに、いただいたコメントや検討過程での意見については、予算編成や新しい財政構造改革プログラムの策定の中で、職員の気づきに生かし、県としての見直しを行ってまいりたいと考えております。  次に、4点目の行財政改革を進めるに当たって県民を巻き込んだ思い切った取り組みが必要との点でございます。  厳しい財政状況が今後も予想される中、将来を見据えた大胆な行財政改革に取り組んでいくに当たっては、県民の皆さんや市町への影響も考えられますことから、その過程において、何よりも県民の皆さんの御理解と御協力が必要であると考えております。  こうしたことから、御質問の中でいただきました、住民討論会やインターネットの活用などの御提案の内容も参考にさせていただきながら、今後、県民の皆さんや市町との情報の共有化を図り、本県行財政の現状について御理解いただくとともに、今後の方向について、ともに知恵を絞れるような努力をしてまいりたいと考えております。  次に、5点目の財政構造改革プログラムの策定における歳出削減についての基本的な考え方でございます。  新たな財政構造改革プログラムを策定する際の前提であります今後の収支の見通しにつきましては、経済情勢等、さまざまな変動要因が複雑に影響し合いますことから、明確な見通しを立てることは非常に難しいところであります。しかしながら、現下の国および地方の財政状況を勘案しますと、歳入面では地方交付税の抑制基調が続くことが考えられますとともに、歳出面では、社会保障関係経費や公債費、退職金の増加などが見込まれますことから、引き続き、大きな財源不足が生じる大変厳しい財政状況が続くものと認識しているところでございます。  こうした認識のもと、今後は、収支を見きわめた上で、財源不足に対応するため、経常的な内部事務費の見直しや人件費の削減による行政のスリム化はもちろん、先ほども申し上げました、施策・事業の仕分けの成果を生かしながら、福祉や教育関係経費なども含めた、すべての事務事業につきまして、その必要性あるいは効率性、効果性などの面について、ゼロベースでの見直しを行います。  また、提案説明の冒頭に申し上げましたように、今後の行政運営に当たりましては、補完性、近接性の原理に従い、基礎自治体を優先するとともに、より一層の受益と負担の明確化により、県民の皆さんが主体的に施策の選択と決定に参画することができるよう努めてまいります。さらに、情報公開を徹底し、行政の透明性を向上させることにより住民本位の行政を実現してまいります。  今回の新たな財政構造改革プログラムの策定に当たりましては、子や孫にツケを残さないよう財政の健全化を目指すことは、今の私たちに課せられている責務であるとの認識のもとに、私を先頭に全職員が一丸となって取り組む覚悟でございます。  さらに、量的拡大から質的向上へと変化する中での基本構想の役割についてとの御質問でございます。これまでの基本構想とはどのような違いがあるべきと考えるかということでございます。  先日発表されました国立社会保障・人口問題研究所の都道府県別将来人口では、滋賀県も2015年から2020年の間に人口減少に転じること、今後急速に高齢化が進むことを予測しています。また、地球環境問題の深刻化や厳しい財政状況といった要素も加わり、さまざまな制約の中で、これまでの暮らしぶりや社会の仕組みの見直しを迫られています。さらに、地方分権が進展する中で、地域のことは地域みずからが考え、みずからの責任で地域づくりを進めていかなければなりません。  これからの基本構想の役割は、これまで滋賀の豊かな自然や歴史の中で培われてきた知恵や文化を生かし、また、これまで整備してきた社会資本を有効に活用することによって生活の質の向上を大切にし、将来にわたって豊かさや幸せを県民の皆様自身が実感できる社会を目指していくことだと考えております。  また、厳しい財政状況とさまざまな制約を受ける中で、県民の皆さんのニーズや価値観の多様化とともに、社会参加の意識の高まってきていることも踏まえ、多様な地域の担い手が行政とともに地域づくりに参画し、自立した地域社会づくりを目指していくための、県、市町、県民の共通の指針として役割を果たすものでありたいと考えております。  次に、これまでの基本構想との違いについてですが、かつての長期計画や基本構想においては、事業の量的な拡大による生活の質の向上を目指すものであり、行政が事業を積み上げ、その着実な推進を図ることを主眼に策定するものでありました。しかし、今日、いわばハードの時代からソフトの時代に転換しつつある中にあっては、今まで以上に県民の皆さんの暮らしの視点に立って、県民の参加と協働を前提に皆でともにつくり上げていかなければならないと考えております。また、コーディネーターとして県の役割を踏まえながら県全体の施策や計画を統合して、県政全体としての方向性をより鮮明に示すものとしなければならないと考えております。  そこで、今回の基本構想の策定に当たりましては、県民の皆さんや各種団体、民間企業などと共有する指針となるよう、皆さんからの意見募集、さまざまなところで活躍されている方によるワークショップ、職員による訪問対話、あるいは自治創造会議において市町長の方から意見をいただきながら進めてまいりました。構想の枠組みについては、2030年の長期的な展望に立って、「明日を拓く共生社会へ」という理念を掲げ、今何が大切かを考える中で、「人の力を活かす」「自然の力を活かす」、そして、「地と知の力を活かす」という方向性を打ち出し、これを戦略として基本構想の柱に位置づけるとともに、今後4年間に重点的に取り組む施策や政策について審議会で議論いただいているところでございます。  今後も、県議会の皆さんはもちろん、広く県民の皆さんと情報を共有し、対話の機会を設けることなどによりまして、皆さんとともに滋賀の未来を開いていくための構想を策定してまいります。  次に、新幹線新駅問題についての御質問にお答えいたします。  1点目の促進協議会会長としてどのようにこの問題に対応していくつもりなのかとの御質問でございます。  私は、これまで新駅問題については、県民にとって最もよい解決方法を関係者の皆さんと議論しながら結論を出すことが重要であると考えてまいりました。そのため、対話と共感を基本姿勢として、新駅設置の凍結という立場をしっかりと主張させていただきながら、合意による結論を目指して、東海道新幹線(仮称)南びわ湖駅設置促進協議会正・副会長会議において議論を重ねてきたところでございます。  そうした中で、正・副会長会議は虚心坦懐に、凍結を含む幅広い議論をする場であることを踏まえまして、県の方から新幹線新駅の需要予測、波及効果の再検証調査結果や新駅凍結に伴う県の法的責任の範囲など、検討に必要な材料を提供し、御議論いただいてきたところでございます。  現時点において、栗東市は、依然、現行協定の覆行を主張されており、正・副会長会議における結論まで至らない状況にあります。新駅をめぐる世論の動きなど諸般の状況はありますものの、促進協議会の会長として、関係者の合意のもと、最終結論が得られるよう努力することが私の使命であり、期限である10月末を必ずしも待つことなく、引き続き促進協議会で議論を進めていきたいと考えております。  あわせて、栗東市とこれからの諸課題への対応について協議が必要と考えているところでございます。  2点目の地域振興策を含めた新駅凍結後の具体的な利用方法と、新駅にかわる県南部地域の活性化への中長期的ビジョンなど具体的な対応についての御質問でございます。  新駅の凍結を関係者の合意により実現するためには、凍結に伴う諸課題への対応や県南部地域の振興策の検討が重要でありますが、新駅凍結に伴う具体の対応策を県が一方的に示すものではなく、地元関係市と十分な調整が必要であると考えられます。また、新駅に期待され、新駅の設置に御協力いただいてきた地元自治会や地権者の皆様からは、凍結によって発生するさまざまな課題あるいは現下における問題等についての不安や御心配の声を伺っております。こうした新駅凍結に伴う土地区画整理事業にかかわるさまざまな課題への対応につきましては、県としても大変重要と考えており、もとより第一義的には事業主体である栗東市の判断ではありますが、県としても市が講ずる対応策に対して適切な支援を検討する必要があると考えております。今後、栗東市と十分に協議してまいりたいと考えているところでございます。  また、県南部地域の活性化への中長期ビジョンについてでございますが、県南部地域の振興については、促進協議会の幹事会において、対象を土地区画整理事業区域とするのか、より広い県南部地域とするのか、また、計画の具体性などについて県と関係市で考え方の違いがあり、県としてこれを正・副会長会議に提案することを見送った経緯がございます。県南部地域は、製造業が多く集まり、近年、大学が集積するなど、県内でも最もポテンシャルの高い地域であり、その振興は本県経済の活性化のためにも重要な課題であると認識しております。県南部地域の振興について促進協議会正・副会長会議でも議論し、関係市とも十分話し合って、長期的な視点も含めた効果的な振興策を見出すなど、努力してまいりたいと考えております。  さらに、県北部、西部を含め、県下全域の交通体系や企業立地など、バランスある地域振興を同時に進めるべきことは言うまでもございません。  次に、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題についての2点の御質問にお答えします。  1点目の早急な解決のための今後の対応についてですが、昨年10月に公表しましたアール・ディエンジニアリング最終処分場問題の解決に向けた県の対応方針で、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題対策委員会や行政対応検証委員会の報告書をもとに、県として、住民の方々を初め、皆さんの御理解や御協力を得て対策実施計画書を策定し、着実に対応いたします。  この対策実施計画書には、次の3つの内容を盛り込むこととしております。1つには、生活環境保全上の支障を除去するための、効果的、合理的かつ経済的にもすぐれた対応策、2つ目には、事業者等に対する責任追及の措置、3つ目は、行政対応の検証評価と再発防止策でございます。  アール・ディエンジニアリング問題は、発生から7年が経過し、一日も早い解決が強く求められており、平成20年度中には対策実施計画書に基づく対応策に着手したいと考えております。
     2点目の企業責任を追及する際の内容を住民に明らかにすべきとの質問についてでございますが、アール・ディエンジニアリング社や同社元社長は自己破産の申し立てを行っているという大変困難な状況にありますが、企業や個人事業主などの責任追及につきましては、不適正な処分等を行ったものを可能な限り特定することにより、廃棄物処理法に定める措置命令を発し、是正を命じます。万一、その是正命令に従わず、是正が行われない場合は、行政代執行を行った上で、その経費を求めることになります。  こうした一連の手続によって責任の所在を明らかにすることになりますが、その結果、住民の皆さんには情報を十分お伝えできることになると考えています。  次に、議員の口ききの文書化についての御質問でございます。  県民に信頼される県政を実現する上で議会と行政との関係には常に緊張感が必要であります。議会におかれては、平成15年10月に議員の政治倫理に関する条例を制定され議員みずからがその使命と高い倫理的義務を自覚されて議会活動をしておられると認識しております。一方、行政においては、過去の苦い経験をもとに、平成9年10月に職員倫理規程を、また、平成16年4月に、職務に関する働きかけについての対応要領を定めて、公平、公正な職務遂行に努めてきたところでございます。  まず、第1点目の質問についてですが、この3年間に、対応要領に基づいて職員への働きかけを記録した文書が一件もないということについてであります。  要領の施行以降、職員に、義務のない行為を要求したり、公正な職務遂行を損なわせるような働きかけはなかった、あるいは、本人から取り消す旨の申し出があって記録には残らなかったということであると解釈をしております。つまり、この要領が、いわゆる働きかけに対する大きな抑止力になってきているものと理解しております。  次に、現行要領について、対象行為の限定や相手方の確認行為など、現場で使いにくい内容を抜本的に改善すべきとの御提案であります。  確かに、議員から職員への働きかけのすべてを文書化して公開するというのも、不当な働きかけを防止する上で有効な方法の一つかと存じます。しかしながら、議員と職員との日常のやりとりにおける働きかけのとらえ方や文書化の作業など具体の課題もありますし、逆に議員活動を制約することにならないか、そのような懸念もございます。  一方、議員の働きかけに関しましては、本県には議員の政治倫理に関する条例が既に制定されております。その中で、議員は、財産上の利益を得ることを目的として、許認可や建設工事等の請負契約等に関し特定の者に有利または不利になるような働きかけをしてはならない、あるいは、その権限または地位による影響力を及ぼすことにより公務員の公正な職務の執行を妨げる等不正な行為をしてはならないと、議員みずからの行動について厳しく律していただいております。このように、議員側、職員側、双方の行動基準が整備されることによって、滋賀県独自の不当な働きかけへの対応制度となっているものと理解しております。  こうしたことから、まずは議会、行政、それぞれが条例や規定を設けて取り組んでいることを念頭に置いて、お互いにその適正な運用を心がけることが大切であると考えております。とはいえ、今後、これらを運用する中において、必要があれば議員の皆様の御意見をお聞きしながら対応要領等の改正も検討すべきものと考えております。  以上、民主党・県民ネットワーク、西川議員の代表質問にお答えをさせていただきました。 ◎政策調整部長(橋本俊和君) (登壇)行財政改革の取り組みについての御質問のうち、基本構想策定における財政とのリンク、基本構想策定の進捗状況についての2点の御質問にお答えします。  まず、1点目の基本構想の策定における財政とのリンクについてであります。  今般の基本構想は、従来のような事業を積み上げる計画ではなく、県政全体としての方向を示すものであり、また、今後4年間の重点的な政策、施策を戦略として示すという、県行政の指針を考えております。また、多様な地域の担い手が県とともに参画しながら地域づくりをしていくための、県民や事業者、団体、市町が共有する指針でありたいと考えております。こうしたことから、この基本構想は、その方針に基づいて、県の各分野の計画や施策を点検、見直し、再構築しながら実現していきたいこと、また、地方分権を初めとした情勢の変化や、地域づくりへの担い手との協働のあり方に応じて柔軟に対応できるものにしたいと思います。  一方で、議員御指摘のとおり、財政的な裏づけも重要なことでありますので、この構想の実現には、今後の厳しい財政フレームの中で、政策、施策の優先度に応じ、選択的、重点的に進めてまいりたいと思います。このため、今後策定される財政改革を含む新しい行政改革の方針に沿って、毎年度の予算編成の中でその具体化を図ってまいりますとともに、重要な政策、施策につきましては、財政面での見通しを立てながら、これをしっかりと進めるための仕組みを検討したいと考えております。  次に、2点目の基本構想策定の進捗状況についてであります。  昨年11月に滋賀県基本構想審議会に諮問して以来、5回にわたって審議をいただいてきました。この間、現状と時代の潮流、基本理念、2030年ごろの将来の望ましい姿、今後4年間の戦略について個別に審議いただき、先般の第5回審議会では、それら全体をまとめた基本構想の骨格案についても御意見をいただきました。  今後の予定でありますが、今月下旬に第6回の審議会を開催し、基本構想全体について御議論の上、答申をいただこうと思っております。この基本構想は、議決案件でございますし、また、今年度からを計画期間としておりますことから、この答申を早急に議会に御説明し、御議論をいただきながら、県民政策コメントの実施、9月議会には策定経過を報告し、12月議会に上程、御審議の上、策定したいと考えております。 ◎総務部長(谷口日出夫君) (登壇)行財政改革の取り組みのうち、新しい財政構造改革プログラムの策定に係る4点の御質問にお答えします。  まず、1点目の本県の財政状況についての認識でありますが、本県ではこれまでから、歳入に見合った歳出の原則のもと、財政構造改革に積極的に取り組んできたところでございます。しかしながら、バブル経済崩壊後の国の経済対策等に呼応し、補正予算債を活用して社会資本整備を進めてきたこと、さらには、近年は地方交付税の振替である臨時財政対策債を発行していることなどによりまして、一般会計の県債残高は平成18年度末で約8,929億円と過去最高の残高見込みとなったところでございます。このうち半分以上は後年度に地方交付税で措置されることなりますものの、その償還費である公債費が増加傾向にあり、県財政の圧迫要因となっております。さらに、平成10年度以降の財政構造改革の取り組みを進める中にあっても、県民福祉の向上に必要な行政需要にこたえるため、不足する財源を財政調整基金や県債管理基金の取り崩しにより対応してきたことから、基金残高は大幅に減少しております。  平成19年度におきましても、財源調整のための取り崩しを予定しておりますことから、これら財政調整的な2つの基金の現時点における平成19年度末残高見込みは約116億円と、残りわずかになるなど、今後の財政運営が大きく制約される状況となっております。  また、県の歳入におきまして県税とあわせて大きなウエートを占めております地方交付税でありますが、三位一体の改革前の平成15年度決算額と平成19年度当初予算額とを比べてみますと、地方交付税と、これの振替である臨時財政対策債を合わせた額は約680億円の大幅な減少となっておりまして、この間、県税収入が、税源移譲分を除きまして約291億円しかふえておりませんので、差し引き約389億円の一般財源の削減という厳しい現実が残されました。  今後とも、地方交付税の抑制基調が見込まれる一方で、扶助費などの義務的経費は増加しており、県財政の置かれている状況は大変厳しい状況にありますことから、より一層、行財政の改革を進めていかなければならないとの認識をいたしているところであります。  次に、2点目の財政構造改革プログラムの策定スケジュールおよび作業内容でございます。  現在、プログラム策定の前提となります平成20年度以降の収支見通しについて、内閣府が試算している名目成長率や過去の伸び率等を参考に作業を進めているところであります。今後は、収支を見きわめた上で、全事業についてゼロベースでの見直しを進め、来年度予算編成作業に入る秋ごろには取り組みの方向性などについて明らかにしてまいりたいと考えております。  次に、3点目の新たな歳入確保の戦略づくりについてでございます。  歳入の確保対策といたしましては、特に歳入の大宗を占めます県税収入について、企業誘致と産業の振興策を適切に講じるなどにより、将来にわたって安定的な税収確保につなげていくことが不可欠であります。本県では、産学官の連携等による新商品開発や高付加価値化など、新事業の創出の支援に力を注いでおりますが、今後とも、企業の主体的な取り組みを適切にサポートする施策や、本県の魅力を十分に発信できる施策の推進に努めてまいります。  しかしながら、こうした取り組みは、すぐにその効果があらわれるものではないため、これらにあわせて、早期に効果が期待できる歳入確保策として、平成17年度から滞納整理特別対策室を設置し、県税収入未済額の縮減に努めるとともに、将来にわたって利用計画のない県有地について、市町や民間に有効活用していただくよう計画的な売却に努めているところでございます。今後は、県有施設のネーミングライツ販売の導入可能性などについても検討を進めますとともに、考えられるあらゆる方策を講じながら、歳入確保に向けて最大限の取り組みを進め、歳入、歳出一体としての改革をしてまいりたいと考えております。  次に、4点目の地方交付税をどのように財政構造改革プログラムに組み入れるかについてでございます。  先ほども申し上げましたように、三位一体の改革などにより地方交付税の大幅な削減という厳しい現実が残され、地方財政を取り巻く状況は一層厳しさを増しております。そのような中、今後の地方交付税の推計をどのように見込むかについてであります。  議員御指摘のように、非常に難しい問題でございますが、今般国において地方交付税総額の予見可能性を高めるため、地方交付税の算定基礎であります基準財政需要額の全国平均伸び率を試算されましたので、こういった伸び率等も参考にして本県の地方交付税を推計してまいりたいと考えております。現時点では内容的には相当厳しくなるものと予想しておりますが、県財政の大きな財源でありますことから、できる限り高い精度での推計を行い、財政構造改革プログラムに反映してまいりたいと考えております。 ◎琵琶湖環境部長(山仲善彰君) (登壇)アール・ディエンジニアリング最終処分場問題についての御質問にお答えいたします。  第1点目のアール・ディエンジニアリング問題の緊急対策や恒久対策の議論を至急に進めることについてでありますが、的確な対応策を一日も早く講じ、アール・ディエンジニアリング最終処分場から生活環境保全上の支障を除去していくことが、住民の皆さんの心配にこたえる県の責務と考えております。  アール・ディエンジニアリング最終処分場の対応策につきましては、これまで、改善命令に基づく是正工事をアール・ディエンジニアリング社に実施させるとともに、緊急的な対応として、硫化水素ガスの監視、地下水汚染の影響が心配される処分場下流域の家庭用井戸の飲用使用の自粛などを栗東市とともに行ってまいりました。  今後の対応につきましては、知事から答弁がありましたように、地元市、住民の代表、学識経験者などで構成するアール・ディエンジニアリング最終処分場対策委員会の議論を経て、恒久的な観点からの対策を含む対策実施計画書を今年度内に策定し、平成20年度中にはこの計画に基づく対応策に着手したいと考えております。  次に、現場での対応についてでありますが、県と栗東市で設置していますアール・ディエンジニアリング問題対策県市連絡協議会で緊密な連携を確保して課題解決に当たっております。また、対応策に必要となるデータを把握するため、先月から処分場および周辺におけるボーリング調査などの追加調査を実施し、その調査結果については8月中に取りまとめた上で、対策委員会で議論いただく予定です。  2点目のアール・ディエンジニアリング最終処分場のPCBにつきましては、既に平成12年度以降の調査の結果、判明したその都度、公表してきております。具体的には、廃棄物土中の濃度を図るための含有試験では、処分場敷地内のおおむね40カ所で採取した49検体中27検体から1キログラム当たり0.02から1.2ミリグラムの範囲で微量に検出されております。しかし、廃棄物土中に含まれているPCBがどの程度溶け出しているかをはかるための溶出試験では、PCBは検出されておりません。また、処分場の周辺の定期的な地下水モニタリング調査においても検出されていない状況であります。  そこで、御質問にあります5月17日の対策委員会で御報告したPCBにつきましても、ただいま申し上げた溶出試験の結果から、PCBが検出されていないため、これまでと同様、現在のところ周辺の生活環境保全上の支障はないものと考えているところでございます。  しかしながら、PCBが低濃度ながら含有されておりますことから、今後、対策を検討する上で課題となる可能性があるため、対策委員会において、その必要性が認められれば、対策実施計画書において対応策を盛り込んでいきたいと考えております。 ◎健康福祉部長(馬淵義博君) (登壇)医師の確保対策につきましての2点の御質問にお答え申し上げます。  まず、1点目の本県における実態についてですが、二次医療圏7つのうち、大津地域、湖南地域を除きます5つの地域で医師の地域偏在の傾向が強まっております。特に湖西地域、伊香郡を初め、湖東地域などでは周産期医療や救急医療への影響が出ている状況でございます。また、特定診療科の偏在も進んでおりまして、産科では、この4年間に分娩を取り扱う病院が20から15病院に減少し、小児科では、この4年間に3病院で常勤医がいなくなってきております。全国に見られますような病院の閉鎖といった状況はないものの、県内の医師不足は大変厳しい状況にあると認識いたしているところでございます。  次に、2点目の医師確保総合対策事業についてでございますが、県では昨年9月に、各方面の委員から成ります滋賀県地域医療対策協議会を設置いたしまして、地域特性を踏まえた医師確保対策についてのまとめをいただき、それをもとに医師確保総合対策事業として、即効性があり、かつ確実性の高い事業から順次取り組みを進めてきているところでございます。  具体の展開に当たりましては、地域の状況などを考慮しながら、医師確保システムの構築などの5項目の総合的な取り組みを進めることとしておりまして、中でも本県としての特色のある事業の一つといたしまして、臨床研修医の県内定着を目的といたしまして、研修医確保定着事業の一環事業とする、1年目の研修医を対象に、「先輩医師が後輩医師を育てる」をテーマにいたしました、県医師会と共同での研修会を今月初めに開催したところでございます。この取り組みにつきましては、全国的にも初めてとなる研修会でございまして、県内の他の病院で研修中の研修医とのつながりができ、連携が密になったことや、滋賀県で働きたいなどの感想を寄せていただく研修医もあり、特色を出せたと考えているところでございます。  2つ目には、平成18年度2月補正予算におきまして設置をいただきました3億円の滋賀県医師確保対策基金でございます。全国でも初めてでございまして、関係者からの高い評価を得ているところでございます。  3つ目といたしまして、女性医師の離職防止を図りますための女性医師保育支援事業でございます。休日、夜間の出勤時に子供の保育費の一部を補助する事業でございまして、ベビーシッターの活用を含んでおりまして、極めてユニークな取り組みとなっております。  4つ目に、働く意欲を引き出す職場環境づくり事業でございます。医師確保および離職防止を図りますため、病院での医師が働きやすい職場環境づくりなどの取り組みを支援するものでございまして、病院サイドの自主的な取り組みを引き出すユニークな取り組みでございます。  こうした事業を早期に具体的に展開することによりまして、県民の皆さんが安心して暮らしていただける医療体制の確保に、県といたしまして精いっぱいの取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◎農政水産部長(但馬甚一君) (登壇)農政問題についての御質問にお答えいたします。  まず、1点目の小規模農家が担い手の対象から外れることにより耕作放棄地がふえるのではないかとの懸念についてでございます。  もとより農業は、安全、安心な食料を将来にわたって安定的に供給するという使命を担っておりまして、そのためには、優良農地の適正な管理と、意欲ある担い手の育成が重要であります。本県では、今般の国の品目横断的経営安定対策の実施をにらんで、認定農業者や特定農業団体などの担い手の育成に努めてきたところであります。平成22年度には水田の約7割をこれらの担い手がカバーできますように、精力的に関係団体とともに取り組みを進めているところであります。  こうした中、小規模農家や兼業農家が耕作している農地の保全対策について、将来どうしていくのかという課題があるということも事実でございます。国の施策が公表されて以来、多くの集落では、将来を見据えた幅広い議論をしていただいてきたところでございますが、それぞれに複雑な事情を抱え、合意形成があと一歩進まず、集落営農としてまとまらなかったという実情がございます。したがいまして、こうした集落の営農を継続し、農地などを維持していくためには、当面、次の2つの方面からの支援を考えております。  まず1つには、集落の中で5年後あるいは10年後の集落の姿を見据え、改めて幅広く議論をしていただきまして、合意形成を図っていただくこと、そして、認定農業者への農地の集積や、小規模な農家を含めた集落営農への組織化の可能性など、引き続き検討をしていただくことであります。  2つには、認定農業者などの担い手が不足する地域では、小規模な農家や高齢化した農業従事者の農作業をサポートする受託組織などを設立し、営農活動の維持、継続を図ることであります。  幸い本県の耕作放棄率は全国で2番目に低い4.3%でありますことから、こうした対策によりまして、認定農業者などの担い手との連携、協力を図りながら、農地の有効利用に向けた取り組みのすそ野を広げていくことが、本県の農業、農村の維持、発展とともに、耕作放棄地の発生防止にも役立つものと考えております。  2点目の集落営農組織の法人化に向けてのリーダー養成への対応についてであります。  営農組織の法人化は、社会的信用度の向上とともに経営体としての永続性が確保されるものであり、これを担うリーダーの養成が大変重要なことと認識をしております。このため、現在、県下各地域では普及指導員が中心になり、法人化や簿記、経理の研修会、相談会などを開催するとともに、法人化が具体化した場合には、公認会計士や税理士など、現地に派遣いたしまして、また、個別の相談活動を行い、県内のJAにおける経理支援相談員の設置とあわせまして、集落営農組織の法人化を着実に進められるよう支援してまいりたいと考えております。  次に、3点目の農業従事者が減少する中での農地や土地改良施設の維持、保全への対応についてお答えをいたします。  本年度から始まりました「世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策」の実施率は全国でもトップクラスと見込まれていますが、この対策が持続的で、より効果的な取り組みとなるためには、御指摘のとおり、まず非農家の参加や事務手続への支援をより一層進めることが必要であると考えております。県といたしましては、さまざまな機会を活用して、事務手続を含めた日々の普及活動や個別相談を実施したり、一連の事務作業が簡単にできるようにひな形を示すなど、各集落に対して引き続き支援してまいりたいと思っております。  また、本県における用排水路などの土地改良施設は老朽化が進んでおりますことから、その保全や更新を、農家の皆さんの負担軽減を図りながら円滑に行うことが大変重要であります。このため、琵琶湖からの逆水かんがい施設や幹線的な用排水路などの基幹水利施設につきましては、今年度からストックマネジメント手法の考え方を取り入れた機能診断等の調査を開始することとしております。  この考え方は、機能診断結果に基づき、それぞれの施設について、いつ補修や補強あるいは全面的な改修を行うのが最も適しているのか、また、施設の管理や対策にかかる費用は幾らかなど総合的に検討し、経済的に最も有利となる方法を選択して実施するものであります。こうした手法によりまして、大規模な改修に当たっては、農家負担の軽減を図り、農家の皆さんに御理解と御協力をいただけるよう努めてまいります。  こうした対策と、末端施設を維持、保全する「世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策」をうまく組み合わせまして、農家と地域の皆さんと連携を図りながら、今後も農地や用排水路など土地改良施設の機能を適切に維持、保全し、農業、農村を支える基盤として、健全な姿で次の世代に引き継いでいく所存であります。 ◎教育長(斎藤俊信君) (登壇)教育問題についての御質問のうち、まず、1点目の教職員の資質向上についてでありますが、学校現場を活性化し、学校の教育力を向上させるためには、教職員の資質の向上を図ることが何よりも重要でございます。そこで、具体的な取り組みとして、法律で定められている初任者研修、10年経験者研修のほか、本県独自の2年次研修、5年経験者研修などにより指導力の向上に努めているところでございます。  5年経験者研修におきましては、昨年度から、専門的な知識だけでなく、社会の一員としての視野を広げ、児童生徒への指導に反映させることができるよう、5日間の職場体験研修を設けております。また、今年度から総合教育センターにおいては、自主研修として土曜セミナーを設けまして、さまざまな今日的課題について教員みずからが積極的に学ぶことができる取り組みを始めております。また、昨年度より、すべての公立小中学校、県立学校におきまして試行しております新しい人事評価制度によって、各学校の教育目標の達成に向け、それぞれの教職員がみずから目標を設定し、自己評価や校長との面談を通じ、みずからの力量を自覚し、授業力を初めとする能力のさらなる向上を図っております。  また、頑張っている教員を評価するため、昨年度から、日ごろの教育活動ですぐれた実績を上げた教員を表彰する制度を創設いたしました。また、不適格教員は教壇に立たせないという方針のもとで、平成14年度から、指導力に課題を有する教員につきましては総合教育センターでの長期研修を命じ、研修を受けてもなお指導力の回復が認められない教員に対しましては、分限免職等の措置をもって対処しているところでございます。  次に、今後の取り組みについてでございますが、人材の育成に加え、多様な人材の確保もまた学校教育の質を高めるため、非常に重要な要素でございます。小学校教員の来年度の採用予定数につきましては、35人学級の拡大への対応や退職者の増加に伴い大幅にふやしたところでございますが、優秀な教員を幅広く確保するため、県内外の教員養成系の大学に直接出向いて採用説明会を開催するなど、受験者の確保に努めているところでございます。  さらに、即戦力として活躍してもらう優秀な人材を確保するため、教諭経験者には受験年齢の上限を引き上げることや、現職教員には試験の一部を免除するなどの工夫を図っているところであります。また、将来教師を目指す大学生や大学院生を対象に、その実践的指導力や教師観を育成するため、今年度から新たに、滋賀の教師塾を開設し、10月の開校に向けて準備を進めております。  今後とも、滋賀の教員としてふさわしい優秀な人材を十分見きわめて確保するとともに、教職員研修のさらなる充実など、教員の資質向上に取り組んでまいる所存でございます。  次に、通塾の状況が子供たちの学力を左右しないための取り組みについてお答えいたします。  今日、塾に通う子供たちは決して少なくない状況にありますが、議員御指摘のとおり、私も家庭の経済状況によって子供たちに学力の差がつくようなことは望ましいことではないと考えております。公教育を担っております県教育委員会としましては、知徳体のバランスのとれた人づくりを目指すことが重要でありますことから、塾通いをしなくとも、どの子供にも確かな学力が身につけられることが大切であろうと考えております。  そのため、少人数学級編制や複数教員による指導、あるいは少人数指導を取り入れ、子供たちの学習状況に応じた、きめ細かい指導が重要でありますことから、本年度は35人学級編制を小学校の3年生まで拡大したところでございます。中でも、子供たちの習熟の程度に応じた指導を工夫し、学習の理解に時間のかかる子供たちに対しては、具体的なものを利用した指導や体験的な学習、あるいは反復学習を行うなどして、基礎基本の確実な定着を図っているところであります。また、理解ができている子供たちに対しては、みずから探求的に取り組む学習を組み込むなどして、思考力や創造力を重視し、発展的な学習に取り組むなどの工夫も必要であると考えております。  今後も引き続き、習熟度に応じた指導の拡充を図るなどの取り組みをしてまいりたいと存じます。そして、公教育が保護者や県民の皆様の期待や信頼にきちんとこたえていけるよう、すべての子供たちが確かな学力を身につけることができるよう、県教育委員会といたしましてもしっかりと責任を持って取り組んでまいりたいと考えております。  次に、家庭教育についてどのように考え、今後どのような取り組みをしていくのかについてでありますが、御指摘のとおり、今の時代は、かつて我々が育ってきた社会とはさま変わりし、特に子供を取り巻く家庭や地域の環境が大きく変わってきております。そこで、本県では、家庭教育はすべての教育の原点であるとの認識を持ち、市町はもとより、PTA、学校、地域、企業などと連携し、社会全体で子供の育ちを支え合う環境づくりに取り組んでいるところであります。  例えば、市町では、公民館など身近な施設で紙芝居や絵本の読み聞かせなど、親子が触れ合う活動を実施し、子育ての不安や悩みをひとりで抱え込まずに相談し合い、親同士が支え合うという関係づくりを進めております。  さらに、幼稚園や学校では、PTA活動において子育ての悩みや喜びなどの経験を気軽に語り合い、支え合う親同士のネットワークづくりを目指し、子育て学習会などを開催しております。  そうした学習支援のほか、県教育委員会では、子供たちが学習や読書、外遊び、スポーツなど、さまざまな活動に生き生きと取り組めるよう、早寝・早起き・朝ごはん県民運動を展開し、家庭やPTA、学校、地域が一体となって、この運動を進めることによって、子供を取り巻く課題の解決に向けた一つのきっかけにしたいと考えております。  一方、昨年度より「家庭教育に企業の力を」というスローガンのもと、家庭教育協力企業協定制度を設け、参観日や学校行事等へ参加しやすい職場づくり、また、従業員の方が家庭教育について学ぶ家庭教育講座の職場での開催、中学生、高校生の職場体験の受け入れなどに御協力をいただけるように働きかけ、これまでに170社を超える企業や事業所に協定を結んでいただいております。  県教育委員会としましては、今後ともこうした取り組みをさらに充実し、市町やPTA、学校、企業と連携し、家庭の教育力の向上に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、子供たちが地域で学ぶことについてでありますが、子供たちにとって地域が育ちの場、学びの場、活動の場として大きな役割を担っていると認識しております。そこで、本県では各市町に、PTAや自治会、団体など、地域で活躍している方々をメンバーとした子供たちの体験活動を企画、推進する地域教育協議会の設置を働きかけているところであります。  この地域教育協議会におきましては、例えば、自治会館や公民館等で、地元の小学生、中学生の異年齢の子供たちが一緒に一定期間寝泊まりし学校に通う通学合宿を実施し、子供たちが夕食づくりや洗濯などをみずから行うなどの活動を通して、基本的な生活習慣や社会のルールやマナーを身につける取り組みを進めております。そのほか、地域の大人の人たちとともに琵琶湖の水生生物調査や里山体験などの自然に親しむ活動や、ヨシ細工、和太鼓など伝統文化を学ぶなどの幅広い活動を展開しております。  また、今年度から「地域の力を学校へ」という事業を立ち上げ、学校支援ディレクターを1名採用し、地域の方々が学校での授業や学校の活動を支援する仕組みづくりに取り組んでいるところでございます。  県教育委員会といたしましては、学校、家庭、地域、企業等との連携のもと、引き続き地域の教育力の向上に取り組みますとともに、県民の皆様一人一人が教育に関心を持っていただき、それぞれの立場で子供たちの育ちを支える機運を高め、体制整備を図ってまいりたいと考えております。 ◎警察本部長(安森智司君) (登壇)銃犯罪に対する3点の質問についてお答えいたします。  1点目の銃器犯罪の実態、ならびに違法に保管されているとされる銃器などの状況についてお答えします。  まず初めに、銃器犯罪の実態につきましては、県内では過去10年間で14件発生しております。そのうち、けん銃の発砲事件が8件、うち7件を検挙しており、いずれも暴力団員によるものであります。近年では平成15年が一番多く、暴力団同士のトラブルから発砲事件が3件発生しております。その後、平成16年4月の暴力団員によるけん銃発砲事件を最後にして、発生はしておりません。  また、本県の過去10年間のけん銃押収数は58丁であります。このうち、暴力団関係者からの押収は42丁でございまして、全押収けん銃の72%を占めております。  次に、違法に保管されていると予測される銃器などの状況についてお答えします。  県内の違法に所持、隠匿されている銃器の数については、予測することは困難でございますが、過去の摘発事例を見ますと、海外から港や空港を経由するなどして密輸されているものがほとんどであります。その密輸には暴力団等の犯罪組織が関与して、国内に拡散しているものと考えられます。  これらの銃器は、暴力団関係者等の親族が経営する会社や倉庫など、さまざまな場所に巧妙に隠匿され、ますます潜在化している状況にあり、こうした暴力団等が組織的に管理している銃器の実態解明に努めたいと考えております。  2点目の警察庁の通達を受けての本県の今後の対応についてお答えいたします。  長崎県を初め、東京都、愛知県において暴力団組員らによる殺人事件や立てこもり発砲事件等の銃器犯罪が連続して発生し、国民に大きな不安を与えたことから、警察庁の指示を踏まえ、本県警察も銃器対策および暴力団対策の徹底を図っているところでございます。  今後の対応につきましては、暴力団の交遊者、関係者等に対する幅広い情報収集を強化するとともに、クリーン・コントロールド・デリバリー、通信傍受等、あらゆる捜査手法を駆使して銃器の発見、押収に努めてまいるほか、引き続き暴力団関係者による違法事案を徹底して検挙し、幹部組員への突き上げ捜査を強力に推進していく所存でございます。  さらに、暴力団排除活動を積極的に推進するとともに、平成11年に設置しております、知事を本部長とする滋賀県銃器対策推進本部の関係機関・団体と連携を密にして、広報・啓発活動を推進し、県民ぐるみの銃器撲滅運動を展開してまいりたいと考えております。  3点目の許可猟銃の実態、ならびに所持許可に対する対策についてお答えします。  本県における許可猟銃は、平成18年末で2,905丁になっております。その内訳は、散弾銃が2,178丁、ライフル銃が727丁でございます。10年前と比較しますと、猟銃人口が減少したことに伴い、339丁の減少になっております。また、猟銃の所持許可者は、平成18年末で1,360人、男女別で申し上げますと、男性が1,338人、女性が22人、平均年齢は56.6歳となっております。  こうした猟銃の所持許可に係る対策につきましては、銃砲刀剣類所持等取締法第5条に許可の基準が規定されております。例えば、集団的または常習的に暴力的不法行為等を行うおそれのある者、アルコール、覚せい剤等の中毒者など11項目に該当する人については許可しないこととされております。  具体的には、猟銃を初めて所持しようとする人が受ける猟銃初心者講習受講時の考査や所持許可申請時における調査を厳正に行い、不適格者を排除することとしております。また、所持許可後におきましても、年に1回、警察署で実施する許可証に記載されている銃と所持猟銃の照合検査を実施しているほか、3年以上、許可の用途目的に使用していない猟銃の廃棄や譲渡の指導を行い、平成18年中は95人の所持許可証の返納、許可銃138丁を廃棄、または銃砲店等に譲渡させているところでございます。  今後も、銃器犯罪根絶のため、総合的な対策を推進して、県民の安全、安心の確保に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(出原逸三君) しばらく休憩いたします。   午後3時25分 休憩    ────────────────
      午後3時46分 開議 ○議長(出原逸三君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  最後に、12番清水鉄次君の発言を許します。 ◆12番(清水鉄次君) (登壇、拍手)県民の皆様に、私たち会派、対話の会・びわこねっとの紹介をさせていただきます。  このたび4月の統一地方選挙におきまして、滋賀県民の多くの支持をいただき、対話の会・びわこねっとが誕生いたしました。私たちの会派、対話の会・びわこねっとは、県民党の立場に立ち、「もったいない」を生かす滋賀県勢発展のための知事と協働して積極的に活動する、滋賀県ならではの地域会派であります。さらに、子や孫にツケを残さない健全財政実現を目指すとともに、いつまでも美しい琵琶湖の環境を守るために活動していきたいと考えております。  全国でも知事の「もったいない」精神は注目され、対話でつなぐ県政の考えは全国に広がりました。私たちのもとへは、知事とともに生活者のための政治を目指してほしいとの声が多く集まり、県民の立場で県民のための政治を目指していきたいと考えております。  また、臨時議会直前の5月9日には、アメリカ総領事フィリップ・カミングスさんと秘書の天野さんが、全国的に有名になった知事の「もったいない」県政を支援する、対話の会・びわこねっとの皆さんと交流を深めたいと、わざわざ神戸市より尋ねてこられ、1時間半にわたり、琵琶湖の環境問題を中心に意見交換をいたしました。アメリカ政府も環境問題について情報交換をしていきたいと言っておられ、これからも定期的に交流会を持ちたいと要請を受けました。  今回の県議会議員選挙は、昨年夏の知事選挙に続いて、対話の会公認ならびに推薦候補者の多くが、県民から大きな支持を受けました。このことは、私たちに課せられた責務は重大であり、嘉田マニフェストの実現のため、全力で取り組まなければなりません。私たちの会派は、小会派であっても一致団結して、対話でつなぐ県政の理念をベースに、子や孫が生きる20年後、30年後を見据えた政策、施策を展開していきたいと考えています。  以下、通告に従い、質問をいたします。  まず1番目、新幹線新駅についてお伺いいたします。  新駅設置に向けたこれまでの経過を振り返ってみますと、昭和63年2月に、当時の栗東町を初め、関係市町により東海道新幹線(仮称)栗東駅設置促進協議会が設立されて以降、平成14年4月の基本協定の締結、平成17年12月の工事協定の締結を経て、昨年5月には工事が着手されたところであり、現在に至るまで20年近くに及ぶ期間をかけて新駅設置に向けた取り組みがなされてきたわけであります。  しかしながら、現行の新駅計画を凍結することについては、昨年7月の知事選挙、また、先般の県議会議員選挙の結果を見ましても、多くの県民の皆さんの強い意思であるものと考えます。知事は、こうした選挙結果を厳粛に受けとめ、マニフェストに掲げられた方針どおり凍結の方向に向けて、栗東市を初めとする関係市との合意形成に精いっぱい努めておられるところであります。  一方で、新駅が凍結となれば、地元の皆さんにも説明し、理解を得ることは必要でありますし、新駅設置のためにこれまで実施されてきた事業を見直すということになれば、さまざまな課題が考えられます。知事の方針にある、凍結を早期に実現するためにも、次のステージとしてこうした課題への対応や地域の振興をどうすべきかについては、県もかかわっていただきたいと思います。  こうした私どもの思いを述べさせていただき、以下2点のことについて、知事に質問します。  まず1点目、凍結の考えについてであります。  さきの県議会議員選挙においても、新幹線新駅の凍結や中止の実現を期待する声を多く聞いてまいりました。知事は、「もったいない」として新幹線新駅の限りなく中止に近い凍結を主張されてきておりますが、県民の皆さんに説明するためにも、なぜ凍結するのか、今ここでその考えについてお伺いいたします。  2点目といたしまして、新幹線新駅が凍結となった場合に予想される懸案についてであります。  例えば、今後の県南部地域の振興や栗東市が事業主体となって238人に上る地権者の皆さんの協力を得て着手された土地区画整理事業への対応をどうするのかといった課題が挙げられます。去る4月24日には、県、栗東市、東海道新幹線(仮称)南びわ湖駅設置促進協議会およびJR東海の四者で「東海道新幹線新駅設置工事に係る協定類に基づいた履行の諾否の期限及び解除の猶予などに関する覚書」が交わされたところであり、覚書には、県、栗東市、促進協議会が平成19年10月31日までに協定類の内容どおりの履行の合意に至らない場合は、同日をもって協定類は終了するものとすると明記されてあります。  このように新幹線新駅が近々にも限りなく中止に近い凍結となる状況も考えられるわけですが、知事は「もったいない」精神を基盤としつつ、凍結に伴う課題について、まずは、栗東市を初め、関係市と一緒になって考えることが基本であると受けとめますが、知事はどのように考えておられるのか、お伺いします。  次に、治水政策の推進について御質問します。  私たちが初めにどうしても知事のお考えを直接明らかにしていただきたい問題として、治水政策があります。時代の要請にこたえられるだけの琵琶湖政策が求められているというマニフェストの認識は、全く同感するところですが、知事の2月の記者会見から、2月定例議会の答弁にかけて、ダムを有効な計画としての対話を進め、その後、河川整備計画をつくると述べられている点において、知事の本意が変わってしまったのか、懸念をしています。議会での答弁でなく、県のホームページで公開されているとはいうものの、情報格差も大きく、現段階では不十分です。そこで、以下6点について、知事に質問します。  まず第1に、治水政策は、自然の猛威から生命や財産を守るため、時代が変わっても為政者にとって最大の難関であったことは否めません。知事の治水政策の基本的な考え方を問うものです。  第2に、現在生きている私たちの生命や財産を守ることと、将来の人々にとっても安心して暮らせるよう、両立するための治水政策の理想的なあり方に関する考えをお聞かせください。  第3に、ダムに関する具体的な課題は、治水ダムの流域にあります。流域住民にとっては、国営、県営の区別よりも、窓口となる、嘉田知事を初めとする県の職員や機関が、まず現状をよく酌み取ってくれるか、積み残している課題をどうしようとするのか、誠意を感じられるような説明と対話が展開されねばなりません。流域ごとの説明責任と対話の進め方や現状、今後の取り組みについて問うものです。  第4に、選挙の際にも出会った方々から何回も訴えられました。安曇川流域の住民の皆さんが普通に希望されていることは、目の前につながっている堤防を頑丈にしてほしいという点です。山奥に建設される大規模なダム本体は、住民みずからが欲した事業ではなく、国策としてもたらされたことが多いと仄聞していますが、流域住民の皆さんの声を率直に受けとめて、真に住民が求めている治水対策を早急に進めていくことが必要と考えます。大規模なダム本体には事業費の2分の1が国庫補助金で賄われていますが、残りは一般財源として確保する必要があります。これらの財源を、まずは流域住民が希望される堤防補強に充てて、ソフト対策とあわせて当面の治水対策の充実を図ることも方策の一つと考えられますが、知事はこれら流域住民の声に対してどのように責任を持って対処されようとしているのか、また、どのように理解を求められているのか、お伺いします。  第5に、私の地元であります北川第一ダム予定区域内にクマタカの営巣地が確認されております。県では、生き物実態調査を繰り返し行い、保全の必要性を県民に働きかけてこられたところですが、県の大規模な事業で、レッドデータブックに記載されている希少な生物を消滅させる方に加担してはいけないと思うのです。クマタカの営巣地が確認され、現在進めている工事について今後どのように対応するのか、今後の計画について答弁を求めます。  最後に、国が淀川水系河川整備計画を立てる前に、その方針を策定する会議に知事は臨時委員として、県民の願いを一身に背負って参画されています。去る5月14日に特別委員として会派を代表して上京し、国土交通省での会議を初めて傍聴し、知事の職責の広さを目の当たりにすると同時に、県議会議員としての責務の重大さに身の引き締まる思いがいたしました。  古来から琵琶湖の恵みに生かされてきた先人は、繰り返される大水にも困り果て、我がふるさとの藤本太郎兵衛翁ら先達が身分も顧みず命がけで幕府に直訴し、南郷掘削などへの道を開いた偉業は、御承知のとおりです。  治水の面から見れば、往々にして取水量が優先されるかもしれませんが、水質の保全や生態系に関しても視野に入れていかなければ、本当の社会資本整備にはならないと考えます。上下流の連携を図る上でも環境派知事として、県民を代表する発言はその都度意義のあるものと期待するところですが、知事の基本姿勢を伺い、次の質問に移ります。  次に、廃棄物行政に関する質問に移ります。  まず最初に、嘉田知事はマニフェストで、大量廃棄の発想から脱却していない滋賀県の廃棄物行政を見直し、地域循環社会の仕組みを確立すると述べられています。そこで、まず、知事の目指す地域循環社会とはどのような社会であるのか、その所見について質問します。目標とすべき、あるいは見習うべき先進地域、モデルなどがあるのであれば、その事例を交えながら具体的に答弁をお願いいたします。  次に、知事はマニフェストで、旧志賀町栗原地先に建設を予定されておりました産業廃棄物、一般廃棄物をあわせた焼却処理施設の建設計画の凍結を掲げられました。この問題につきましては、知事就任以降、本県議会におきましても、各会派議員からさまざまな意見が述べられ、活発に議論されてきたところでございますが、改めて、本焼却処理施設計画の現状について、現段階でどのような状況になっているのか、県民にわかりやすい答弁を知事に求めるものであります。  また、今後の方向性につきまして、凍結という方向性でよいのか、あるいは別の形があるのか否か、現時点での知事のお考えをお聞かせ願います。  ところで、凍結という方針の場合、計画予定地の利用が問題となってまいりますが、もともと旧志賀町がゴルフ場跡地の有効利用を県に求めたというのが本計画の発端でもありますので、計画凍結の場合の予定地利用について具体的にどのような方策があるのか、あわせて知事にお伺いいたします。  また、計画凍結の場合、産業廃棄物の処理施設整備について、公共関与の必要性がうたわれております。昨年6月策定の第2次滋賀県廃棄物処理計画との整合性を今後どのような形で図っていくのか、具体的な説明をお願いいたします。  3点目に、産業廃棄物処理についてお伺いいたします。  先ほど述べました、昨年6月に策定された第2次滋賀県廃棄物処理計画におきまして、県は資源化されない産業廃棄物の排出量と最終処分量を平成22年までに平成9年度実績の3分の1にすることを目標に掲げられております。そこで、事業者から、産業廃棄物の資源化など、廃棄物の減量を目的として、地方分権一括法の施行以後可能となった法定外目的税の創設制度により、本県においても平成15年3月、滋賀県産業廃棄物税条例が制定されたところであります。これは、経済的インセンティブによって事業所からの廃棄物の排出抑制、減量、再資源化を目指すものですが、この廃棄物税の導入に至る経過について、すそ切り500トンの設定根拠も含めて、答弁をお願いいたします。  また、同様な産業廃棄物税を導入している他県の事例との比較における本県の産業廃棄物税の特色、ならびに、税導入以降、現時点でのごみ削減効果および将来見通しについて、琵琶湖環境部長に具体的に答弁をお願いいたします。  このように本県におきまして経済的手法の導入により産業廃棄物の排出抑制が図られているところでありますが、一方、現状において再資源化できない廃棄物の処理または最終処分の多くを県外に依存している状況を改善するとして、甲賀市に管理型最終処分場であるクリーンセンター滋賀の建設が進められているところであります。本年度末には稼働開始となるこの最終処分施設ですが、先般5月19日付の新聞記事にありましたとおり、本計画の策定根拠である2000年度県内産業廃棄物最終処分量が建設リサイクル法の制定や事業所の削減努力により2004年度には半減したため、当初計画どおりの処分量を受け入れられるのか、処分料収入は予定どおり確保できるのかというように、事業主体である財団法人滋賀県環境事業公社の経営危機が懸念されております。  産業廃棄物最終処分量が、各種法律の制定により、また、排出事業所側の努力によって削減傾向にあること自体は非常に喜ばしいことであり、評価できるものであります。しかしながら、新聞報道にもあるとおり、公社は独立採算制をとるものの、県は公社の損失補償をしており、公社の経営状態によっては新たな県民負担がふえることが懸念されます。したがいまして、事業運営に関し、しっかりとした将来見通しが必要であり、クリーンセンターの稼働開始を前にして、環境事業公社の理事長でもある嘉田知事より県民に対して、この処分場の経営見通しについて、きちんとした答弁をお願いいたします。  4点目に、栗東市のアール・ディエンジニアリング社の最終処分場問題についてお伺いいたします。  アール・ディエンジニアリング最終処分場問題については、周辺住民はもとより、多くの県民がその動向を注視し、また、早期解決に向けて期待をしているところであります。これまでの過程を振り返りますと、平成11年の硫化水素検出に始まる問題発覚以降、平成13年に県による改善命令が出され、その後、アール・ディエンジニアリング社による是正工事が平成17年6月に一たん終了いたしました。しかしながら、その後、同年9月以降にアール・ディエンジニアリング社により新たに違法なドラム缶などの埋め立て事実が発覚いたしました。これに対し県は、昨年4月にアール・ディエンジニアリング社に再度改善措置命令を発したところでありますが、アール・ディエンジニアリング社は同年6月に経営破綻し、ドラム缶などの撤去については未了となっているところです。  こうした状況の中、先日、周辺部地下水から基準値を大幅に上回る水銀が検出されるなど、住民不安は一層拡大し、また、土壌・地下水環境も悪化の一途をたどっていると推察されます。原因者が経営破綻した現状の中、汚染原因の除去などには行政対応が極めて重要となり、県としても昨年秋、対応方針を公表され、以後、対策委員会にて対応策が検討されているところであります。  住民の不安を解消し、周辺部を含めた土壌・地下水汚染の拡大を防ぐためにも、行政代執行による対策実施までの道筋──対策実施計画書の取りまとめから対策実施までの工程表およびこうした問題に対処するための、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法による財政支援の仕組みについて、知事より県民にわかりやすく答弁をお願いいたします。  また、アール・ディエンジニアリング問題を契機に、今後、アール・ディエンジニアリング問題と同様の事態が起こり得る不適正処理箇所が現在県内に存在するのか否か、また、先日、大津市内における硫酸ピッチの不法投棄に対する行政代執行のニュースが大きく取り上げられました。この大津市硫酸ピッチ問題や不法投棄箇所が現在県内にまだ複数存在するのか否か、不法投棄の防止対策についても、あわせて琵琶湖環境部長に答弁をお願いします。  続きまして、行財政改革について質問します。  子や孫にツケを残さない健全財政を訴えられた嘉田知事は、当選されて間もなく1年を迎えられます。本年度予算編成は、平成19年度までの行革プログラムの枠に嘉田カラーを加味したものでしたが、今年度は新しい行政改革方針を示すとともに、新しい財政構造改革プログラムを策定するとのことです。いよいよ、子や孫に借金を残さない財政改革に着手されるわけで、知事の手腕の見せどころ、県民は大きな期待を寄せております。そこで、3点にわたり、知事の考え方を質問します。  1つ目、行財政改革では新たな観点として行政サービスに経営感覚が必要だと言われてきました。住民すべての福祉や生命、財産を守るために、行政サービスは公平性や平等性を旨としてきましたが、それに加えて経営感覚が要るというのです。しかし、行き過ぎた合理化や効率の追求は、強者に温かく弱者に冷たい政治になりかねず、県民や自治体の格差を拡大しないかと危惧するのですが、今まで取り組んでこられた行財政改革における経営感覚に関してどのようにとらえているのか、知事の思いを伺います。  第2に、ほとんどの県民は現役世代も年金世代も可処分所得が減少し、今後の暮らしに不安を抱いています。さらに、税源移譲によりことしの6月から住民税の税率が高まっている分、県民にとって納得のできる行政サービスを推進し、県民の今と将来の幸せづくりに向けた取り組みを着実に進めなくてはなりません。そのためにも、県民の期待に的確にこたえながら、知事を先頭に全職員が知恵を絞って行財政改革に取り組むと同時に、しっかり説明責任を果たすべきと考えますが、知事の所信をお聞かせください。  第3に、財政事情について、滋賀県では毎年5月と11月に公表されてきました。これまで行財政改革を進めているにもかかわらず、公債費負担比率は、警戒ラインと言われる15%を8年連続超えており、危険ラインである20%近くに達しつつあり、新たな改革の最初から難題が突きつけられていると言っても過言ではありません。また、普通会計だけでなく、滋賀県造林公社およびびわ湖造林公社の債務合計が約1,000億円にも上る問題も、県にとっては深刻な課題であると思います。  知事は、現時点における県の財政状況についてどのように認識しておられるのか、また、新しい財政構造改革プログラムの策定に当たって、どのような方針のもとに策定しようとされているのか伺い、次の質問に移ります。  地域間格差について、特に基礎自治体間の財政力格差に焦点を絞り、お尋ねします。  去る5月18日の夜、NHKが行った自治体アンケートの結果が放送されていましたが、その一部をここで御紹介しますと、財政力において地域間格差を感じるかという問いに対して、96%の自治体が地域間格差は現存していると答えています。また、この財政力格差は将来さらに拡大すると予想されるとも答えています。なお、心配なことに、もろもろの報道機関の将来見通しを集約すると、財政力の弱い自治体は、住民が一番心配しているサービス面、いわゆる医療、福祉、教育、交通機関などにしわ寄せがいく傾向にあると報じています。夕張市の財政破綻を初め、余呉町の高レベル放射性廃棄物処分場の誘致問題など、自治体の財政力の地域間格差が大きな要因であると考えます。  そこで、知事に3点お尋ねします。  まず1点目、県内の自治体の平成15年度から平成17年度までの3年間の平均財政力指数は、最上位が栗東市の1.182、2位が竜王町の1.106、3位が草津市の0.949です。一方、下位から見ると、余呉町の0.190、西浅井町の0.271、木之本町の0.334となっています。財政力指数だけで見ても、このような自治体間格差がある現状をどのように認識されているのか、その所見をお伺いします。  また、仮にもし財政破綻が心配されるような自治体があれば、その自治体に対し県としてどのような手を差し伸べるべきであるのか、破綻に至らせないための支援策など、どのようにお考えなのか、お伺いします。  次に、一昨日の本県議会提案説明の冒頭で知事は、政府の地方分権改革推進委員会が取りまとめられた「地方分権改革推進にあたっての基本的考え方」に触れられました。私たちももちろんこの考え方に意見を同じくするものであります。中でも、地方の税財政基盤の確立、とりわけ地域間の財政力格差の縮小を図り、どの地域に暮らしていても勇気と希望がもたらされる豊かな自治が実現される仕組みにするとともに、税源配分の見直しを初めとする地方税財政全体の抜本的改革を進めるべきとの方向は、ぜひとも実現してほしいものです。自治体財政に関する格差の問題は、滋賀県だけで解決できるものではないのは当然です。  そこで、知事は国に対し、市町の財政力格差解消のための制度面や財政支援などの拡充について、いかなる行動を展開されるおつもりでしょうか、お伺いします。  最後に、地方交付税制度が見直される中、各自治体の道路、福祉、教育、医療等の水準はさらに格差が広がることが予想されます。県としては、費用対効果のみを重視するのではなく、効率のよいところは民間に、効率の悪いところは公でという考え方も、県民の行政サービスの平準化という観点から、自治体間格差を少しでも緩和するためにも重要な観点であります。  昨年10月の地方分権推進対策特別委員会が参考人としてお呼びした大阪市立大学大学院経済学研究科の長沼進一教授は、地方分権化するに当たり、行政のよって立つべつ視点は弱者の視点であり、市場原理の視点は強者の論理で、両立は困難であると述べておられます。貴重な県民の税金を使って事業を行うのですから、費用対効果の視点は重要であることはもっともなことですが、余りに過度にこれを重視すると、行政としての本来の役割を見誤ることになるのではないかと大変危惧しております。  本年度、新しい行政改革の方針を策定されるとのことですが、このことについて知事はどのようにお考えでしょうか、お伺いします。  すべての県民が安心できる医療政策の展望について質問します。  対話の会・びわこねっとは、常に現場の意見や県民との対話を重視し、現場主義として活動しております。5月18日に滋賀県の各自治体病院のうち3カ所を政務調査で回り、それぞれの自治体病院の状況を調査してまいりました。滋賀県下の医療の現状につきましては、昨年7月議会から本年2月の議会の会議録を見せていただきますと、多くの議員から質問されているところでありますが、特に滋賀県の医療体制におきまして、すべての県民が医療サービスを地域格差なく受けられる環境になっているかといったことを改めて考えますときに、どうしても地域格差がないとは言えないのが現実であります。県民の一人一人がどの地域で病気になったときにも、いつでも近くに病院があり、安心・安全な医療が受けられて、初めて滋賀県民のすべてが格差のない医療サービスを享受できるものと確信しています。  滋賀県が本年度から取り組まれる地域医療政策について、命を守る安心の医療体制づくりのための最重要課題として医療確保のため、次のことが示されています。  安定した医師確保のための仕組みづくり、滋賀で働きたいと思える魅力ある病院づくり、女性医師の働きやすい環境づくり、医師の積極的な養成、働く意欲を引き出す職場環境づくりなど5項目を掲げられ、当初の予算として9,600万円を計上されています。また、医師確保対策の取り組みに3億円の基金を創設されています。このことは、対話の会・びわこねっととしましても一定の評価をするものでありますが、全国的に医師不足が大きな課題となっている中で、医師確保に対する考え方および今後の取り組みについて、知事にお尋ねします。  以下の質問に対しては、健康福祉部長に答弁をお願いいたします。  去る2月議会の医師確保についての質問に対して健康福祉部長は、医師を県職員として採用し、医療機関に派遣することや、地域医療に目を向けた医師を養成するための大学寄附講座の設置、産科、小児科などを目指す専門研修医に対し就学資金を貸与し、研修修了後一定期間、指定医療機関へ勤務する制度の創設などの答弁がございました。そこで、医師確保対策は緒についたばかりでありますが、その後、県はどういう取り組みを具体的に進めておられるのか、健康福祉部長にお伺いします。  5月18日の新聞記事によりますと、医師不足が心配されていた京都府北部に新たに9人の医師が加わった。崩壊寸前とまで指摘された地域医療の水準を維持できたのは朗報。その対策の一つとして、府中北部に赴任した医師を医師バンクに登録し、研修・研究費を支援する方式を導入したと報道されていました。この京都府の取り組みである医師バンク制度に類似した制度を滋賀県においても導入する計画をお持ちかどうか、部長にお伺いします。  また、週刊東洋経済の記事によると、医師の6人に1人が女性で、その割合は10年前に比べて1.6倍となり、2007年度国家試験合格者のうち3人に1人が女性となっています。平成16年度の統計によると、産婦人科が24.8%、小児科が31.2%、内科が14.8%など、女性医師が占めています。こうした状況を踏まえ、女性医師の離職防止策や復帰促進策が重要な課題であります。今議会でも補正予算案が提案されておりますが、女性医師の確保対策の内容について、健康福祉部長にお伺いします。  次に、看護師確保の件について、なぜ看護師不足が起こるのか。その大きな原因は、平成18年度4月診療報酬改定によると、過去最大となる3.16%もダウンしています。急性期病院は診療報酬の基本点数の高い7対1看護配置の確保へとつながる看護師採用増へと走らざるを得ず、その結果、看護師不足が顕著にあらわれました。そのため、看護師も医師同様、過酷な労働条件を突きつけられ、ほとんど休みなく30時間近く働く日勤・深夜があり、7割以上の看護師が退職を考えたことがあると切実に訴えられておりました。  そこで、対話の会・びわこねっとは、5月12日は看護の日として平成19年度滋賀県看護大会に出席し、テーマとして、「看護師が働き続けられる環境とは」の講演をお聞きしました。内容は、1つ、働きながら育児、介護を体験する看護職の悩み、2つ、新人看護職の教育の現状と課題、3つ、職場復帰や再就職への環境、4つ、働き続ける看護職を支える夫からの提言などで、現場で働いている看護師さんや御家族の方の生の話を聞くことができました。  そこで、健康福祉部長に3点お伺いいたします。  まず1点目、5月12日の滋賀県看護大会のシンポジウムのパネリストの方の話ですが、看護職場への復職を考えていたところ、たまたまナースセンターの前を通りかかり、その存在を知り、再就職の相談をする中で、離職者を対象とした研修会に参加し、それを契機に復職を果たされたと報告がありました。このように、一度退職された看護師が復職をされるためのナースセンターの役割は非常に重要であると考えます。そのため、ナースセンターの事業の周知やPR、事業の充実を図るべきではないかと考えますが、この点はいかがでしょうか。  2つ目、各自治体病院の院内保育や夜間保育の実施状況や県の支援状況はどうなっているのでしょうか。  3つ目、新人看護師の1年以内の離職率が高いと仄聞いたしますが、その問題についてはどう対処されようとしておられるのか。  以上、この項の質問を終わります。  最後の質問に入らせていただきます。快適で衛生的な生活環境の保全対策についてでありますが、高島市今津町酒波地区で大阪府の動物愛護団体アーク・エンジェルズが多数の犬を飼養しようとしていることがマスメディアで大きく報道されました。地域地元住民は、生活環境やブランド農産物の売り上げに大きな影響が出かねないとして、高島市に対して施設の建設と飼養に対して反対の意思を明確にされているところであります。環境こだわり米の生産にいち早く取り組んでおられる地域でもあり、今回のこのような犬の多頭飼養がなされた場合、県下の多くの環境こだわり農業の崩壊にもつながりかねない事態であると、住民のすべてが危惧している状況にあります。  近江米どころでの農業用排水路は生活用水ともなっており、汚物の流出や水質悪化を考えると、生活用水の保全の面からしても今後の生活に支障が出る可能性があると、大変心配しておられます。また、多頭飼養となると、鳴き声による騒音、ふん尿による悪臭、洗浄による汚物、毛の飛散、ネズミ、ハエなどの害虫、犬やネズミの死体処理などがどのように処理されているのか、大きな不安であります。それにも増して、人に感染するおそれがあるブルセラ症の犬が多頭飼養されるならば、流域住民は大きな不安と、断固反対の意思を表明されています。  動物愛護の観点からは、同じ命のあるものを救うことは何事にもかえがたいものでありますが、子々孫々引き継がれてきた伝来の静かな自然環境を守り、安心した暮らしをしていける人々の生活圏が最優先されることは言うまでもありません。現行の動物の愛護及び管理に関する法律第7条には、動物の所有者または占有者の責任として、「動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない」、また、第25条においては「都道府県知事は、多数の動物の飼養又は保管に起因して周辺の生活環境が損なわれている事態として環境省令で定める事態が生じていると認めるときは、当該事態を生じさせている者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要な措置をとるべきことを勧告することができる」とありますが、根本的に動物の多頭飼養を規制できるものではなく、また、滋賀県迷惑行為等防止条例においても、現行法では同様に何ら規制できない状況であります。  現在、動物愛護団体アーク・エンジェルズに対して進出反対の署名活動が行われて、その署名者の数は、周辺集落を含め6,070名もの反対署名が集められたとして、去る5月21日に同団体進出反対期成同盟会会長が知事あてに署名簿を提出されたことは御承知のとおりであります。高島市に対しても、5月25日、7,800名もの署名を添えて嘆願書を提出されています。  そこで、健康福祉部長にお尋ねいたします。  まず、新聞でも報道されているように、大阪府のブルセラ症に感染した犬が高島市で飼養されていることにより、人への感染を地域住民が危惧されていますが、ブルセラ症とはどのようなものか、お尋ねいたします。  さらに、動物は命あるものであり、動物の愛護及び管理に関する法律の趣旨から、それらの犬を救済することに何ら異論を挟むものではございませんが、地域住民の今後の生活に支障が出る可能性があると、大変心配し、不安を感じておられます。そこで、先般の進出反対の署名活動を踏まえて、県といたしましても、このような問題に対しましてどのように対応できるのか、お尋ねいたします。  以上、会派、対話の会・びわこねっとの代表質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございます。そして、誠意ある答弁を期待しております。(拍手) ○議長(出原逸三君) 12番清水鉄次君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)清水議員の対話の会・びわこねっとの会派代表質問にお答えさせていただきます。  最初に、新幹線新駅についての御質問にお答えいたします。  まず、1点目のなぜ凍結するのかについてでございます。  現行の新駅設置計画については、県の財政状況が非常に厳しいこと、利便性が低く必要性が低いこと、他の請願駅に比べて著しく事業費が高いことの3つの課題があることから、私としては凍結すべきと、かねてより主張してきたものでございます。その中で、県が昨年10月に実施した新幹線新駅の需要予測、波及効果の再検証調査の結果、利用者数、経済波及効果、ともに当初見込みから大幅に減少することが明らかになっております。また、県の財政は今後も厳しい状況が続くと考えられます。さらには、栗東市における新駅整備にかかわる仮線事業費のうち、道路事業と位置づけられた部分を対象とした起債行為差しとめ請求控訴事件が大阪高等裁判所で棄却された状況もあります。  私は、今回の新駅の設置が、県民の多くの方が支持されていないプロジェクトであり、この非常に厳しい財政状況のもとで、あえて多額の税金を使うものではないと考えております。県においては、過去最高となる約8,900億円もの県債残高を抱える状況において、新たに策定する、新しい行政改革の方針および財政構造改革プログラムに基づき、一層の財政の健全化に取り組もうとする中で、将来にわたって県民の負担を軽減するため、ここで改めて、新駅は凍結すべきということを申し上げたいと思います。  次に、2点目の凍結に伴う課題について、栗東市を初め、関係市と一緒になって考えることが基本との御質問についてであります。  県といたしましては、促進協議会正・副会長会議において虚心坦懐に、凍結を含む幅広い議論を重ねております中で、まだ凍結の合意が得られておらず、それに伴う具体の課題を協議するには至っていない状況にございます。そういう中で、県南部地域の振興については新駅の凍結が前提となること、土地区画整理事業区域なのか、さらには、より広い県南部地域の振興策なのかなど、県および関係市で地域振興策についてさまざまな考え方があり、共通認識のもとで議論することは困難な状況にあったことから、県としては、これを正・副会長会議に提案することを見送った経緯もございます。  もとより県南部地域は、人口や産業、大学が集積するなど、県内でも最もポテンシャルが高いところであり、その振興は本県経済の活性化のためにも重要な課題でありますことから、いわゆる地域振興策については、新駅周辺の土地区画整理事業区域のみならず、県南部地域全体の振興について、関係市の意向も踏まえ、幅広い視点からの検討が必要になってまいります。今後とも、促進協議会正・副会長会議でも議論し、関係市とも十分話し合ってまいりたいと考えております。  とりわけ、栗東市が事業主体として既に事業に着手しておられる土地区画整理事業への対応が大変重要であると認識しております。この問題の対応につきましては、第一義的には、事業主体である栗東市の判断が重要でありますが、県といたしましても、直接影響を受ける地元自治会、地権者の皆さん方の御理解がいただけるよう、市が講ずる対応策に対して適切な支援を検討する必要があり、今後、栗東市と十分に協議してまいりたいと考えております。  新駅問題につきましては、関係者の合意のもとに最終結論を得るため、目先の損得でなく、後世の利益を損なわないためにも、「もったいない」の考えを生かして凍結の立場をしっかりと主張しながら、県民負担の将来的な最小化を目指し、促進協議会で真摯に議論していく所存であります。県議会の皆さんとも十分御相談し、滋賀県と県民の皆さんの将来に責任を持つ知事として、期限である10月末を必ずしも待つことなく、誤りのない判断をしてまいりたいと考えております。  次に、治水政策の推進について、6点の質問にお答えいたします。  1点目の治水政策の基本的な考え方についてであります。  河川の治水政策の基本的考え方は、洪水に対して、絶対に人の命を失ってはいけないということと、さらには、床上浸水であったり家が壊されたりするような、水害から立ち直れないほどの壊滅的被害を起こしてはいけないということでございます。  そのためには、治水責任者として、河川環境にも配慮しながら、速やかで、かつ効率的に川の治水安全度を引き上げることにあわせて、河川の整備水準以上の洪水が発生した場合にも流域での被害を最小にするための減災措置として、流域治水の対策をとることが必要と考えております。
     この治水政策は、住民の方々の治水への理解のもと、ハード対策とソフト対策を組み合わせることが必要であり、住民参加や市町などとの連携を含めた、住民と行政との協働型治水として取り組むことが重要と考えております。  次に、2点目の治水政策の理想的なあり方に関する考え方でございます。  平成9年に河川法が改正され、住民意見の反映が位置づけられました。この背景は、多面的機能を有する河川の整備の内容を定めるのは、行政だけで全うできるものではなく、流域の住民参加による政策形成の必要性を訴える時代的背景を反映したものと理解しております。  滋賀県の治水政策の理想的なあり方は、行政が持っている広域的で科学的な情報と、流域住民の人たちが持っている伝統的、属地的な経験、知識を発掘し、それを広く地域で共有しながら、住民参加のプロセスを公開し、次の世代に引き継げる自助、共助を含めた県民参加協働の滋賀モデルが私の理想と考えております。  なお、水害はいつ起こるかわからない。例えば、この梅雨から夏、台風、ことしの目の前の課題さえあるわけでございます。計画上の理想を目指すばかりでなく、ともかく今できること、必要なことから速やかに対応していくことが、知事としての責務と考えております。  次に、3点目のダムにかかわる流域ごとの対話の進め方や現状、今後の取り組みについて、お答えさせていただきます。  まず、対話の現状につきましては、北川第一、第二ダムの安曇川について、平成13年度に3回の川づくり会議を行い、平成18年11月より流域での水害学習を既に10回実施しております。また、さきの3月11日には、福井水害の学習などを含め、水害に強い地域づくりに向けてのフォーラムを地元で行い、地域との対話を進めさせていただいております。また、芹谷ダムの芹川につきまして、芹川川づくり会議を平成13年から14年にかけまして6回実施しており、本年には2月25日および6月3日に開催、さらには6月10日にも予定しております。この川づくり会議を通じまして、芹川の治水について十分に住民の皆様方と対話を行い、相互の理解を深めつつあるところでございます。  丹生ダムにつきましては、平成17年7月に国より5ダムの方針が示される前までに、滋賀県が主催する姉川・高時川川づくり会議を6回、国が開催する丹生ダム対話討論会を7回開催してきたところです。その後、淀川水系の5ダムの方針が国において示されましたが、まだ具体のダム計画の見通しが立っていない状況であり、その状況下で流域の方々と2月12日および4月13日に意見交換をする場を設けさせていただきました。  また、大戸川につきましても、5月17日に地元の皆さんと意見交換をさせていただいたところです。  国等のダムにかかわる流域においては、また、ダム計画そのものが国において検討されている段階であり、県としても、ためる等の流域治水の可能性について検討してきたところでありますので、意見交換の形で対話を進めさせていただきました。今後、その検討が深まれば、この2つの流域においても、国とも連携しながら相互理解を深めさせていただきたいと考えております。  次に、4点目の流域住民の声に対してどのように責任を持って対処するのか、また、どのように理解を求めていくのかという御質問でございます。  滋賀県では、昭和28年9月の洪水に代表される過去の大きな洪水に対して、多くの河川でまだ十分に安全な河川整備が行われた状況ではありません。堤防強化だけでは洪水を流す能力がふえるものではないことから、本県では、洪水調節施設や河川改修により洪水をため、とどめて流す能力をふやすことが引き続き必要と考えております。  また、県としては、常々申し上げておりますように、財政は大変厳しい状況であり、現行の国の補助制度を活用し、県の負担をできるだけ少なくする中で、早く治水効果の発現できる手法として、洪水調節施設や河川改修などの対策を組み合わせて治水対策を進めていくことが重要であると考えております。  ダム建設の予算を堤防補強に充てるという御意見ですが、安曇川における川づくり会議が平成13年度において3回行われ、その当時に住民の皆様から大きな声があったとは認識しておりません。しかし、これから川づくり会議をさらに進めさせていただく中で、機会を見てさらに深く流域の皆さんの声を伺っていきたいと考えております。  河川改修事業を国の補助事業や県単独事業において実施している中で、国の補助事業は、全国で水害が多発し、それらの河川が優先して対応されることになっております。安曇川など、過去数十年間大きな水害が発生していない河川は、その採択の優先度が低く、新規に補助事業実施河川として採択されるのは難しいと言われております。県単独事業も相当程度予算を縮小している状況であります。なお、堤防の状況によって緊急的な補強が必要と判断された場合には、順次堤防補強を進めてまいりたいと考えております。  流域の方々には、このような状況をお伝えする中で、今後も川づくり会議等の場を活用しながら、流域住民の方々と各河川ごとのあり方を定めてまいりたいと考えております。  次に、5点目の北川第一ダム予定区域内でクマタカの営巣地が確認されたことから、現在進められている工事について今後どのように対応するのかとの御質問でございます。  北川第一ダム予定区域内では、地域生活や防災上必要な主要地方道小浜朽木高島線のつけかえ工事を進めているところでありますが、現場周辺において、滋賀県レッドデータブックで絶滅危惧種として選定されている猛禽類のクマタカの巣をことし3月に確認したところであります。このため、当該工事を中断して、つがいの行動範囲について調査を行っているところであります。  今後、この調査結果に基づき、工事が繁殖活動に与える影響を予測評価し、滋賀県環境審議会自然環境部会イヌワシ・クマタカ小委員会に諮り、専門家の助言を受けながら保全対策を検討してまいりたいと考えております。既に6月4日にも御意見を伺ったところであります。このようなプロセスを経た保全対策を実施することにより、生物環境に十分配慮していく所存でございます。  最後に、6点目の水質や生態系保全も視野に入れた知事発言についての基本姿勢に関するお尋ねでございます。  御承知のとおり、現在、国土交通省では、淀川水系河川整備基本方針の策定に向け、社会資本整備審議会河川分科会淀川水系河川整備基本方針検討小委員会において審議を重ねられております。清水議員も御参加いただいたとおりでございます。私も臨時委員として本年1月12日に初めて参加して以来、これまで、都合3回の審議において、滋賀県を代表して意見を述べてまいりました。琵琶湖の治水に関しては、江戸時代の庄屋太郎兵衛の瀬田川ざらいに代表される苦難や、琵琶湖の水位が3.76メートルにも達し、二百数十日もの間水が引かず、ついには多くの県民が海外移住を迫られた明治29年洪水という過酷な歴史を本県は有しております。さらに、明治38年に完成した瀬田川洗堰によって洗堰の全閉操作が制度化され、100年後の現在に至るまで、今なお引き継がれておりますことから、この全閉操作の解消が本県の最大の課題の一つとなっております。  こうしたことから、基本方針検討小委員会において、瀬田川洗堰設置前に流れ出ていた自然流量は洪水中にあっても下流へ流すことができるよう、今回策定予定の河川整備基本方針にその旨を明記することを強く発言してきたところでございます。  その上でさらに、議員御指摘のように、上下流の水質や生態系、さらには文化の再生に関し、琵琶湖、淀川の将来ビジョンという形で5つの提案をしたところでございます。  1つには、琵琶湖は自然の雨を受け、周辺の河川と毛細血管のようにつながりながら、琵琶湖自身がまさに心臓のように鼓動する生きた水系であり、単なる下流の水がめではないこと、2つ目には、その生きた水系の中で多くの命をはぐくむ豊かな生態系が保たれ、その上で湖と人々が生き生きとかかわっている、いわば生命と文化の複合体であり、そのような生き生きとした姿で未来に引き継いでいかなければならないこと、3つには、それと同じように淀川の下流部の水と生き物の環境も大切であり、淀川の河川水維持流量をカットしたりして痛めつけてはならないこと、4つには、暮らしに根差した水文化や、河川や地下水利用など、地域の個性的な文化を重要視し、人々の意識の中でそれらが生き続け、住民の主体的な水辺再生の思いが未来に引き継がれること、5つには、上流と下流と、あるいは川の右岸左岸など、地域的な立場の違いを乗り越えて互いに助け合い、同じように命と暮らしの安心が守られるという運命共同体としての一体感を自覚すること、以上を1月12日に開催されました淀川水系河川整備基本方針検討小委員会で申し上げたところでございます。  その結果、5月28日に開催された同検討小委員会においては、淀川水系河川整備基本方針素案が示され、瀬田川洗堰の全閉解消方針とともに、治水、利水への影響を考慮した上で、生物の生息、生育環境を形成してきた琵琶湖本来の季節的な水位変動に努めることや、淀川の河川環境の保全再生、さらには、個性ある水文化や、古くから琵琶湖淀川流域に形成されてきた歴史、風土を生かすことなどが明記されたところであります。  いずれにいたしましても、議員御指摘のとおり、淀川水系河川整備基本方針の策定に当たっては、治水はもちろんのこと、琵琶湖を初めとする淀川水系全体の水質や生態系保全、環境保全も大変重要でありますことから、今後も機会あるごとに、こうした基本姿勢のもと、引き続き発言をしてまいりたいと考えております。  次に、廃棄物行政に関する御質問にお答えいたします。  まず、1点目の地域循環社会についてであります。私の目指す地域循環社会は、これまでのライフスタイルや経済活動を見直し、物を大切にし、環境への負荷を考慮する意識が根づき、地域社会における循環の仕組みが機能し、廃棄物の排出を少なくする行動が実践されている社会、「もったいない」が生かされている社会であります。こうした社会の実現に向けては、市町におけるごみ減量の取り組みとしまして、例えば横浜市や名古屋市では、市民、事業者、行政の協働によって分別品目を拡大するなど、大幅なごみ減量を実現した例がございます。また、県内におきましても、例えば甲賀市や米原市などでは生ごみの堆肥化の取り組みが地域ぐるみで行われております。このような先進的な事例を大いに参考にしながら、県内各地において地域特性を生かした自主的な取り組みが進められ、それが広がり、さらに根づいていくことによって、本県が循環型社会のモデルになることを目指して、県民の皆さん、市町の皆さんとともに取り組んでまいりたいと考えております。  2点目の旧志賀町栗原地先の焼却処理施設計画についてであります。  まず、計画の現状と今後の方向性についてですが、昨年7月に知事就任以来、循環型社会づくりの推進に優先して取り組む方針のもと、大津市栗原地先の焼却施設の建設計画につきましては凍結しているところでございます。  そもそもこの焼却施設は、県内で発生する産業廃棄物を県内で適正に処理するために、財団法人滋賀県環境事業公社を事業主体として進めてきたものでございます。この施設で処理しようとしている廃棄物は、県内で発生する産業廃棄物のうち、可燃性でありながら熱利用されずに焼却されたり埋め立てられたりしているものであります。そうした廃棄物は、建設計画を表明した平成12年度には約10万トンありましたが、産業界における自主的なゼロエミッションの取り組み等により資源化が相当進んでおり、直近の平成17年度におきましては約7万トンに減少してきております。このような現象は大変ありがたいことと考えております。  さらに、最近では民間施設において木くずや廃プラスチック類などから固形燃料をつくるRPF化などの新たな取り組みも進められており、当初計画と同規模での施設の必要性は薄らいでいるのではないかと考えております。  しかし、この7万トンの中には、当面は資源としての利用が進みにくい品目もありますので、県としましては、これらの資源化などについて関係事業者の皆さんと一緒に協議、検討を進めるとともに、民間での動向も見きわめて最終結論を取りまとめてまいりたいと考えております。  また、一般廃棄物につきましても、まず、ごみの減量化を進めるため、県民の皆さんと意見交換を行い、既に行われている、あるいは行おうとしている自主的、積極的な取り組みを伸ばしていくとともに、処理主体である市町との検討の場を設け、発生抑制、資源化の課題を整理し、推進方策の検討を進めてまいります。  こうした取り組みの進捗状況や廃棄物量の推移、処理の実態等を踏まえて、財政的な視点も含め、栗原での施設の今後の方向性について今年度内に最終的な判断ができるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、予定地利用の具体的な方策につきましては、ただいまお答えしましたとおり、現在は建設計画を凍結し、まず廃棄物の発生抑制、資源化のための施策を進め、施設のあり方について見きわめていこうとしている段階でありますので、まだ今後の新たな土地利用について模索する時期ではないものと考えております。  次に、第2次滋賀県廃棄物処理計画との整合性を今後どのように図っていくのかとの御質問でございます。  廃棄物処理計画は、長期的な視点に立って、本県における今後の目指すべき社会を示し、取り組むべき施策の方向性などを総合的に定めたものでございます。その見直しに当たっては、今後の経済社会情勢の変化や法制度の改正等によって行うものであり、個別具体的な施策の進捗等を直ちに反映させるという性格のものではないと考えているところでございます。  3点目の産業廃棄物処理のクリーンセンター滋賀の経営見通しについての御質問にお答えいたします。  甲賀市に建設中のクリーンセンター滋賀は、県内で発生する産業廃棄物の適正処理体制を確保し、産業立地基盤の整備を図るため、公共関与により環境事業公社を事業主体として、平成4年に事業に着手しました。地元の皆さんの御理解と御協力をいただきながら、来年3月の開業を目指して整備に取り組んでいるところでございます。  この施設は、産業廃棄物管理型最終処分場として、15年間で計100万トン、年平均6万7,000トンを埋め立てる計画となっております。しかしながら、県内で発生した産業廃棄物の最終処分量は、産業界における自主的なゼロエミッションの取り組み等により、平成9年度が38万8,000トンであったものが平成12年度には28万6,000トン、平成17年度では14万2,000トンと減少してきております。また、この14万2,000トンのうち、約8割に当たる11万3,000トンが県外で直接埋め立てられたり、あるいは県外で中間処理された後に埋め立てられています。このうち、県外で中間処理されたものは、県外で発生した廃棄物と位置づけられ、本施設への県内受け入れ対象とはなりません。さらに、現在埋立処分されている廃棄物は、排出事業者と廃棄物処理業者との間で従来からの取引関係がありますので、クリーンセンターへの搬入量は、当初の計画どおり見込めないのではないかという課題がございます。  また、整備に当たっては、遮水シートの四重化や破損検知システムの導入など、廃棄物処理法に定めます技術基準以上の設備により環境や安全対策に万全を期すとともに、地域の振興を図るため、周辺環境整備にも積極的に努めております。これらに要する経費を含めて、開業までに必要な施設整備費や人件費等の大半を借入金で賄っていることや、埋立地の使用に期限が設けられていることなど、議員御指摘のように、経営上の課題があるものと認識しております。  この施設は、循環型社会が進んだとしましても、どうしても残ってしまう県内で発生した廃棄物を適正に最終処分するために必要不可欠な施設であります。今申し上げましたような経営上の課題の解決方策や、県の関与のあり方について早急に検討を行い、この施設の確かな運営が図られるよう対応してまいります。  さらに、開業後においても、廃棄物の受け入れの状況や産業の動向等を見きわめながら、施設の健全な運営に努める必要があると考えております。  4点目の栗東市のアール・ディエンジニアリングの最終処分場問題についての御質問にお答えします。御質問の周辺部を含めた土壌・地下水汚染を防ぐ対策の実施までの道筋についてであります。  アール・ディエンジニアリング最終処分場問題につきましては、平成11年に処分場から高濃度の硫化水素ガスを検出して以来7年が経過し、周辺住民の皆様を初めとして、数多くの方々に御心配をおかけしておりますが、県としては、一日も早く解決していかなくてはならないと考えております。  このため、現在、これまで実施してきました地下水等の調査に加えて、この処分場および周辺におけるボーリングなどの追加調査を行っており、8月中には生活環境保全上の支障を検討するために必要な情報を把握し、整理することとしております。これらの調査結果を踏まえ、対策委員会において、この処分場の生活環境保全上の支障と対応策について議論していただき、この秋までに検討結果を報告書としてまとめていただきたいと考えております。  県としましては、この検討結果、行政対応の検証結果、さらに事業者責任の追及の結果をもとに、生活環境保全上の支障を取り除く上で効果的で合理的な、また、経済性にもすぐれた対応策を年度内に実施計画書として取りまとめ、具体的な実施につきましては平成20年度内に着手したいと考えております。  本来、このような対応策の実施は、あくまでも原因者である事業者や関与者等が負うべきものであります。このため、これらの者の責任を厳しく追及し、対策委員会における議論を踏まえ、県が生活環境保全上の支障を判断し、廃棄物処理法に基づく措置命令を発することといたします。しかしながら、命令が履行されなかった場合には、実施計画書に基づき行政代執行を行い、事業者や関与者等には強く費用の求償をいたします。  次に、産廃特措法による財政支援の仕組みについてですが、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法は、不適正処分が行われたことにより生活環境保全上の支障が生じ、また、支障のおそれがある事案を、計画的かつ着実に解決していくために、平成24年度までの時限立法として制定されたものでございます。  この特措法では、県が策定した実施計画書の内容について、環境大臣の同意を得て対策工の事業を実施した場合には、事業費の45%が交付税により措置される仕組みとなっております。行政代執行に基づいて県が生活環境保全上の支障の除去を行うには県民の皆さんの貴重な税金を投入することとなりますので、この制度を活用し、県民負担の軽減に努めたいと考えております。  次に、行財政改革についての御質問にお答えいたします。  まず、1点目のこれまでの行財政改革における経営感覚についてでございます。  平成14年度に策定された行政システム改革新方針においては、資源を有効に活用しながら、複雑多様化する県民ニーズに的確に対応するとの行政運営の経営的視点の導入が示され、これまでこの考え方を踏まえて取り組みを推進してきたところであります。その基本的な目的は、県民サービスの品質向上を図ることであり、生活者や弱者に対するサービスは行政の重要な役割であります。そうしたサービスの維持向上を図っていくためには、限られた資源を有効に活用し、効率化を進めていくということも避けられないものと考えております。  今後も、こうした考え方に十分配慮しながら行財政改革を進める中でも、必要な施策は実施し、県の活力が発揮されるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の行財政改革の取り組みについての所信でございます。  これまでも述べさせていただきましたように、今後とも厳しい財政状況が見込まれる中、活力ある滋賀を築いていくための安定的な行財政基盤の確立は、今後の新しい行政課題にも的確に対応し、持続的な発展を目指していく上で緊急の課題であります。また、その改革に取り組む中では、決して後ろ向きになることなく、今ある経営資源の価値を最大限に引き出せるよう改革に取り組むことが重要であると考えております。  そのためには、何よりも県政の最大の資源である職員一人一人が、生活者としての視点で県民ニーズを的確に把握し、それにこたえる行政課題を積極的に見出し、また、コスト感覚を持って県民とともに知恵を出し合う中で、よりよい解決策を選択してまいりたいと考えております。  今後、財政の仕組みや本県行財政の現状、将来見通しなどについて県民の皆さんに情報を提供し、さらに、市町の皆さんと情報を共有する中で、御理解いただくとともに御協力を得られるよう努力してまいりたいと考えております。  3点目の財政状況についての認識と新しい財政構造改革プログラムの策定に当たっての方針についてでございます。  本県の財政状況につきまして、県税収入が企業業績の回復に伴い、法人二税を中心に確実に推移している一方で、国の三位一体の改革などにより地方交付税等が大幅に減少するなど、依然として大変厳しい状況にあります。また、本県ではこれまで数次にわたる財政構造改革の取り組みを進めてきたところであり、いわば、ぞうきんはかなり絞り切られているところでございます。その上で、さらに予期せぬ景気の落ち込みに対応するため、国の経済対策等に呼応し県債を増発してきたこと、さらに、近年は地方交付税の振替である臨時財政対策債を発行してきていることなどにより、一般会計の県債残高は平成18年度末で約8,929億円と過去最高の残高見込みとなったところでございます。  こうした財政状況の中にあっても、県民福祉の維持向上に必要な行政需要にこたえるため、財政調整基金など財源調整機能を持つ基金の取り崩しにより対応してきたところから、これら財政調整機能を持つ基金がほとんど底をつく状況となっておりまして、本県の財政状況はまさに危機的状況と言わざるを得ないと認識しております。  次に、新しい財政構造改革プログラムの策定に当たりましては、本県の財政状況が、ただいま申し上げましたように危機的状況にある中で、子や孫にツケを残さない財政の健全化に取り組んでまいります。現在、プログラム策定の前提になります平成20年度以降の収支見通しについて作業を進めているところでありますが、今後は、収支を見きわめた上で、財源不足に対応するため、すべての事務事業につきまして、昨年度実施しました施策・事業の仕分けの成果を気づきとして、さらに、その事業の必要性、効果性などの面について、ゼロベースで徹底した見直し作業を行います。  また、提案説明の冒頭に申し上げましたように、今後の行政運営に当たりましては、補完性、近接性の原理に従い基礎自治体を優先するとともに、より一層の受益と負担の明確化により、県民の皆さんが主体的に施策の選択と決定に参加することができるように努めてまいります。さらに、情報公開を徹底し、行政の透明性を向上させることにより、住民本意の行政を実現してまいります。  今後、こうした観点に立って大胆に歳出構造の改革を進め、予算編成作業に入るこの秋ごろには取り組みの方向性などについて明らかにしてまいりたいと考えております。  こうした厳しい財政環境にあります今こそ、県民の皆さんとの対話を通して、生活現場における問題とニーズを的確にとらえるとともに、県の思いをお伝えする中で、実効性のあるプログラムを策定する必要がございますことから、私自身が先頭に立って全職員一丸のもと、精いっぱい取り組んでまいる覚悟でございます。  次に、地域間格差、特に基礎自治体間の財政力格差について、3つの御質問にお答えします。  1点目の県内市町の財政力について格差が存在する現状についての認識であります。  本来、地方自治の観点からは、行政活動に必要な財源は、それぞれの地方公共団体が地方税などの自主財源で賄うのが理想です。しかし、個々の自治体の人口や面積、企業立地などの社会構造は大きく異なっており、財源が地域的に偏在していることから、自主財源の状況に差が生じているのが現状でございます。  本来、このような自治体の財源の不均衡を調整し、どの自治体においても標準的な行政サービスや社会資本の提供ができるように、地方固有の財源として地方交付税制度があり、税と交付税を合わせた一般財源総額で見てまいりますと、どの自治体でも所要の財源が一定程度確保されております。ただ、近年の地方交付税の縮減によりまして地方自治体は大変厳しい財政運営を迫られている状況でありまして、議員御指摘のとおりでございます。特に、財政力が弱く、地方交付税に依存する度合いが大きい市町においては、高齢化と人口の減少が同時進行することなども相まって、非常に厳しい状況であり、自治体の経営手腕がさらに問われているものと考えております。  また、財政破綻が心配されるような自治体に対する県としての支援についてでありますが、県内各市町においては、厳しい財政状況に対応するため、平成21年度までの具体的な取り組みを明示した集中改革プランを策定し、職員定員の削減や事務事業の見直しなどを含む行政改革に取り組んでおります。また、住民の理解と協力を得ながら財政の健全化を図るため、ホームページなどを使った財政情報の一層の開示を進めているところでございます。  現在、国会においても、地方公共団体の財政の健全化に関する法律案が審議されているところですが、その中においても、まず、破綻に至るまでに、財政が健全な段階から、さまざまな指標をもとに各自治体の財政状況を明らかにすることを義務づけています。と同時に、財政が一定程度悪化傾向にある団体については、早い段階で自主的な改善努力による健全化が図れるよう、議会の議決を経て財政健全化計画を策定し、県も必要な勧告を行うことができるなどの仕組みが盛り込まれております。  県におきましては、そうした制度改革の動向も踏まえながら、これまでから定期的に県内各市町から財政状況をヒアリングし、各市町に実地に出向いて運営全般の調査をする中で適切な助言や情報提供等を行っております。特に昨年度からは、県内4ブロックごとに地方財政連絡会議を開催し、現在進められている地方行財政改革について意見交換を行ったところでございます。  2点目の御質問の、国に対し、いかなる行動を展開するつもりかという点でございます。  近年、知事会では、分権改革や地方税財源基盤の充実に向けた調査研究や要請活動に熱心に取り組んでおります。私が参加しております交付税問題の委員会においても、真の地方分権改革に向け安定的に自立した地域経営を行っていくためには、地方税財政基盤の確立が必要であります。地方交付税が持つ財源保障機能と財源調整機能が損なわれることなく、所要額がしっかり確保されるべきであること、また、今後進められる地方財政制度改革にあっては、財政力の弱い市町にも十分配慮されることが必要であることなどが議論されております。  昨日も東京都の憲政記念館講堂におきまして、知事会を含む地方六団体合同で、地方自治危機突破総決起大会が開催され、国への要請行動が行われたところであります。地方税財源の充実強化は政治的な課題でもありますことから、地方一丸となって国会議員に対して要請活動を行ったところでもあります。それに歩調を合わせる形で、滋賀県地方分権推進自治体代表者会議としても、真の地方分権改革の推進に向けた緊急アピールを発表したところです。  今後とも、地域が自立した地域経営を行うために必要な財政基盤の確立に向けまして、本県独自に政府提案を行ってまいりますほか、全国知事会と地方六団体と結束して国に強く働きかけてまいりたいと考えております。  3点目に、新しい行政改革の方針の策定に向けて、費用対効果の観点も重要であるが、自治体間の格差を緩和し行政サービスを平準化する観点も重要ではないかという点でございます。  行政改革に取り組む目的は、県民サービスの品質向上を図ることであり、そうしたサービスの維持向上を図っていくためには、限られた資源を有効に活用し、効率化を進めていくことも避けて通れないことは、さきにお答えしたとおりでございます。しかし、どの地域に住んでいても、教育、社会福祉などの行政サービスが一定の水準で提供され、生活に密着した社会資本が適正に整備されるなど、県民の皆さんが心安らかに生活していける、そして、誇りを持って地域に住み続けられる、そうした地域づくりを進めていくことは大切なことであります。  こうしたことからも、基礎自治体が自立した地域経営を行えるよう財政基盤が充実されることが大切でありますことから、県といたしましても財政基盤の充実に向けて努力してまいりたいと考えております。  次に、すべての県民が安心できる医療政策の展望についての御質問のうち、医師確保に対する考え方および今後の取り組みについての御質問にお答えします。  まず、医師確保に対する考え方でございますが、県内の医師不足につきましては、地域間の偏在が強まり、また、産科医、小児科などの特定の診療科での偏りも見られ、医師不足は、議員御指摘のように依然として厳しい状況でございます。私としましては、県民が心安らかに地域で暮らしていくためには、身近な地域で質の高い医療を受けることが大変重要であると考えており、そのために医師不足対策に全力をあげて取り組むべきでございます。県としましては、平成19年度において9,600万円余りの予算で医師確保総合対策事業を実施することとしており、また、平成18年度2月補正予算においても3億円の滋賀県医師確保対策基金を設置したことは、御存じのとおりでございます。  こうした中で、県内の医師不足は4月以降になっても依然改善されず、長期化する兆しが見えておりますが、早急に追加的な医師確保対策を講じる必要性が生じております。このため、この基金を活用し、在宅女性医師の臨床現場への復帰を直接働きかけることや、女性医師のお子さんの保育支援、さらに、医学生向けに早い時期から県内定着を促すための奨学資金や臨床研修医への研修資金による2,500万円余りの医師確保対策の補正予算を今議会にお願いしているところでございます。  私自身も、医療現場で医師、看護師の皆さんと直接お話をしながら、滋賀県にぜひとも定着していただくようお願いをしているところでございます。  今後も厳しい状況が予想されますが、市町や病院関係者の皆様とともに、県としましても最大限の努力を行い、確実な地域医療の提供に努めてまいりたいと考えております。  清水議員の対話の会・びわこねっとの会派代表質問にお答えをさせていただきました。 ◎琵琶湖環境部長(山仲善彰君) (登壇)廃棄物行政についての御質問にお答えいたします。  御質問3点目の産業廃棄物税についてでありますが、まず、産業廃棄物税の導入に至る経過についてであります。  県では平成14年3月に滋賀県廃棄物処理計画を策定し、資源化されない産業廃棄物の排出量や最終処分量を平成22年度には平成9年度に比べて半減させる目標を設定いたしました。その一環として、産業廃棄物税につきましては、地方分権一括法の施行による課税自主権の拡大を活用いたしまして、税制面からも産業廃棄物の発生抑制や資源化の促進を図ろうと導入したものでございます。  なお、その際、免税点、いわゆるすそ切りを500トンに設定した根拠でございますが、これは、本来的にはすべての排出者が負担を負うべきではありますが、他方で、零細な事業者に対して過大な負担が生じるという問題があるため、中小企業育成の観点から一定の合理的な範囲で免税点を設定したものでございます。  次に、本県の産業廃棄物税の特色についてでありますが、現在、全国では27道府県1市で産業廃棄物に対する課税制度が導入されております。その多くは、最終処分場における特別徴収方式を採用しておりますが、本県におきましては、排出者みずからがその排出量を申告し納付するという申告納付方式を採用することによって、排出事業者の発生抑制や資源化の取り組みを一層促す仕組みとしているところであります。  次に、税導入以降の削減効果についてですが、産業廃棄物税条例施行の平成16年1月から現在、3年が経過しました。近年の県内で発生した産業廃棄物の最終処分量の推移は、平成12年度28万6,000トンであったものが平成17年度には14万2,000トンと半減してきております。排出者におけるゼロエミッションの取り組みとも相まって一定の効果があったものと考えております。今後の見通しにつきましても、企業の自主的な取り組みもあり、最終処分量は緩やかな減少傾向が続くものと考えております。  最後に、今後、アール・ディエンジニアリング問題と同様な事態が起こり得る箇所があるのかという御質問についてですが、言うまでもなく、今後、第2、第3のアール・ディエンジニアリング問題を引き起こしてはならないと考えております。現在、アール・ディエンジニアリング社と同じ安定型最終処分場は、県内に19カ所あります。廃棄物処理法の規制強化に伴い、周辺地下水の水質検査の実施、搬入ごとの廃棄物の確認の義務化といった、生活環境上の支障を生じさせないための基準が年々整備されてきているところであります。  県では毎年各施設に立ち入り、これら基準の遵守の確認を行っております。加えて、県独自の埋立実績報告書の徴収や水質調査などを行うことにより、許可品目以外の廃棄物の搬入がないことや周辺環境への影響がないことなどを把握し、不適正処理が起きないよう適切な指導を行っているところです。  さらに、いわゆるコンプライアンスの向上の観点から、産業廃棄物処理業者がみずから説明責任を果たしていくことが肝要であると考えており、このため、法律の遵守状況、みずからのホームページでの積極的な情報公開、およびISO14001の取得などの環境への取り組みに関し一定の基準を満たした事業者を県のホームページで公開する制度を昨年から実施しております。今後、この制度を活用する事業者がふえるよう積極的に働きかけていき、事業者の質の向上を一段と図ってまいりたいと考えております。  さらに、不法投棄の状況と防止策についてですが、まず、平成18年度の不法投棄の状況につきましては、新たに90件が発生し、これまでの未解決のものを含めると278件になります。この新規分90件の年度内の解決率は約64%となっております。その内容を見ますと、建築系廃棄物がほとんどを占めており、硫酸ピッチの不法投棄も1件ありました。近年の不法投棄事案の特色としましては、監視等の効果もあって大規模な事案は少なくなっているものの、比較的小規模で人目のつかないところに不法投棄をする事案がふえており、件数では約300件前後の横ばい傾向にあります。  次に、不法投棄の防止対策につきましては、早期発見、早期対応を基本に、行政による監視はもとより、地域住民や郵便局等、事業者の協力を得て監視・通報体制を強化しております。さらに、今年度からは、人による監視では、深夜、早朝の時間帯や、山奥、塀などで囲まれた場所の監視は困難であるため、これを補うものとして、24時間監視可能なカメラ等IT機器を活用した監視を行うこととしております。  これらにより得られた情報をもとに、まずは行為者を特定し、防止するとともに、是正を求めておりますが、悪質で是正を行わない者については、捜査当局と連携し、刑事告発も含め対応することとしております。また、生活環境に支障の生じるおそれがある場合は、措置命令を出し、状況に応じて行政代執行も辞さない方針で厳正に対応しているところであります。なお、硫酸ピッチの事案につきましては、全国で初めて、今年度、土地所有者に対しても措置命令を出したところであり、履行されなかったことから、現在、県で行政代執行を行っているところであります。  今後とも、不法投棄の未然防止や拡大を防ぐため、住民、地域、事業者、行政、警察などが一体となった監視・通報ネットワークを強化するとともに、不法投棄行為者の摘発等、厳しい姿勢で臨んでまいりたいと考えております。 ◎健康福祉部長(馬淵義博君) (登壇)すべての県民が安心できる医療政策の展望についての御質問にお答えいたします。
     まず、医師確保対策についての3点の御質問のうち、1点目の県の医師確保の取り組みについてでございます。  今年度当初予算の医師確保総合対策事業につきましては、医師確保システムの構築、働く意欲を引き出す職場環境づくりなど5項目の取り組みを実施することとしておりまして、年度当初から順次具体的に展開するとともに、新しい制度の具体的かつ詳細な仕組みづくりに取り組んでいるところでございます。  4月には、医師確保対策のための拠点として医師確保支援センターを設置し、顧問医師を置くとともに、近隣の医学系大学に出向き、県が創設いたします各種の施策を紹介する一方、医師の把握や掘り起こしなどに関する情報の収集を行ってきております。  また、今月の2日、3日には、滋賀県医師会と共同で臨床研修1年目の医師の皆さんを対象に、県内病院での医師としての定着を図ることをねらいに研修会を開催したところ、県内で臨床研修をしておられます82名の方の参加をいただいたところでございます。  次に、2点目の医師バンクの導入についてであります。  本県におきましては、4月に設置いたしました医師確保支援センターに医師登録などの一般的なバンク機能を持たせるとともに、医師の発掘や就業のあっせんを行ってまいります。また、医師確保対策を具体的に展開するに当たりましては、二次医療圏7つのうち5つの地域が医師の地域偏在が強まる傾向にあることや、特定の診療科での偏在が進んでいる状況を踏まえ、本県の実情に即した対応を進めますため、県職員として産科・小児科医師の採用に努めますとともに、中核病院に派遣するといったことの予定もしているところでございます。そのほか、働く意欲を引き出す職場環境整備事業では、医師の研究や研修を補助するなどの、公立病院におきます創意と工夫を凝らした独自の取り組みを支援することといたしております。  次に、3点目の女性医師の確保対策の内容についてでございます。  当初予算では、女性医師が臨床復帰するため、研修事業を実施するとともに、離職防止対策事業では、女性の医師が働き続けられる体制の整備などを支援することとしております。今議会にお諮りしております女性医師への支援策は2つでございまして、1つには、より直接的な対策といたしまして、臨床復帰を奨励するため、復帰の際に必要となる支度金相当分を貸与するものであります。2つ目は、県内の病院に勤務される、お子さんをお持ちの女性医師が、休日や夜間の勤務時などにおいてもお子さんの保育を気にせず安心して診療が続けられますよう、例えばベビーシッター派遣費用などの保育経費について、その一部を助成するものでございます。  次に、看護師の確保対策についての3点の御質問にお答えします。  まず、1点目のナースセンター事業の周知やPR、そして、事業の充実についてでありますが、これまでから病院での退職者には退職時に看護管理者からナースバンクへの登録を進めていただいているところでありまして、看護協会のホームページに専用のコーナーを設け、24時間アクセスすることができるようにしております。また、昨年の4月からは、携帯サイトでのアクセスや登録を可能にしたことによりまして、多くの方々の利用があったところであります。この1年間で220人の方がこのナースバンクの登録、紹介により病院等に再就職いただいたところであります。今年度、さらに周知を図りますため、新たに新聞折り込みの求人広告チラシの活用を行いますほか、ポスター等の掲示についてスーパーやコンビニエンスストア、あるいは駅などにも協力を求めるなど、効果的なPRに努めてまいりたいと考えております。  また、平成19年度末に卒業予定の看護職者を対象に、合同就職説明会を開催いたしますほか、看護力再開発講習会では、病院などへの派遣による実践的な講習を取り入れ、より就業に結びつける工夫を行うなど、事業の拡充を図っているところでございます。  次に、2点目の自治体病院の院内保育や夜間保育の実施状況と県の支援についてでございます。  自治体病院における院内保育所は、県内15病院のうち8病院に設置されておりますほか、2病院では、他病院の院内保育所を利用する状況となっております。また、24時間保育は15病院のうちの4病院で実施されております。県の支援につきましては、院内保育の運営費を保育児童の数、保育時間に応じて補助を行っており、24時間保育が実施される場合にありましては、その実施日数に応じて補助額を加算することといたしております。  次に、3点目の新人看護師の離職に対する対応についてであります。  今年度新たに県立総合保健専門学校および看護専門学校の2校にカウンセラーを派遣し、学生および新人の看護職員を対象に、精神的なフォローに努めることといたしております。また、モデル病院に看護管理などに精通したアドバイザーを派遣し、病院が独自に離職防止対策を策定され実践していただく事業にも取り組み、看護職員の離職防止に努めることといたしております。  今後とも、関係機関と連携しながら、医師や看護職員などの医療従事者の確保に努め、県民にとって安全で信頼できる地域医療の確保に向けまして全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次に、快適で衛生的な生活環境の保全対策についての2つの御質問にお答えいたします。  高島市における犬の多頭飼養でございますが、動物愛護団体が犬の飼養施設を設置することにより、鳴き声や悪臭による住環境への影響、飼養施設からの排水による周囲の河川への影響など、地元住民の方々が強い不安を抱いておられることにつきましては、県といたしましても深く認識しているところでございます。  昨今、人と犬や猫など動物との関係は大きくさま変わりし、家族の一員として動物を大切にされる家庭がふえております。このような中、人と動物とが共生する快適な住環境を築いていくためには、動物の命を尊重することはもちろん大切でありますが、動物の鳴き声、ふん尿などによる迷惑の防止を図るほか、動物が人に危害を加えたりすることのないよう、適切に飼養管理されることが必要であります。  こうしたことから、動物の飼養に当たりましては、御承知いただいておりますとおり、動物の愛護及び管理に関する法律や、滋賀県動物の保護および管理に関する条例により、飼育者の遵守事項として、飼養施設を清潔に保持すること、公共の場所を汚損しないこと、また、動物を適正に飼養し、人に危害を加えたり迷惑を及ぼすことのないように努めなければならないことが規定されております。  県といたしましては、これらの規定に基づき、県動物愛護管理センターが動物の所有者に対し適正な飼養を指導しているところでございます。また、ブルセラ病を初めとする犬の感染病につきましても、同法の規定により、飼養者に対し感染症予防に関する啓発、指導を実施しているところでございます。  そこで、1点目のブルセラ病とはどのようなものなのかについてでございますが、ブルセラ病は、病原菌を発見したイギリスの学者の名前にちなんでつけられましたブルセラ菌に感染して起こる人畜共通の感染症の一つでありまして、主として牛、豚、羊などの家畜や犬に感染する病気であります。人への感染は、感染した動物との濃厚な接触で起こり、発熱や関節痛などの軽い風邪のような症状があらわれますが、人への感染はまれとされており、厚生労働省の感染症報告数統計によりますと、人への感染は平成11年から17年までの7年間で3件となっております。  なお、大阪府で問題となりましたブルセラ病にかかった120頭余りの犬につきましては、既に新聞報道などで御存じかと思いますが、去る4月28日に大阪府によって安楽死処分が実施されております。  次に、2点目の犬の多頭飼養施設の設置につきましては、県といたしまして、動物の飼養を初め、廃棄物や水環境保全等の課題について関係部局が協議を重ねているところでありますが、議員御指摘のとおり、動物の愛護及び管理に関する法律など関係法令では、多頭飼養施設の設置そのものを規制することは困難な状況にございます。  なお、今後におきましても、地元住民の方々が不安を抱いておられることを十分に認識しながら、排水、悪臭、騒音などについて実態を把握し、関係法令に照らし合わせまして、県の関係機関が高島市とまた連携をとり、適宜適切な対応を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(出原逸三君) 以上で会派代表による質疑ならびに質問を終わります。    ──────────────── △休会の議決 ○議長(出原逸三君) お諮りいたします。  明7日から10日までは、議事等の都合により休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。    (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。    ──────────────── ○議長(出原逸三君) 来る11日は定刻より本会議を開き、上程議案に対する一般の質疑ならびに質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。   午後5時39分 散会    ────────────────...